ONEX’s blog

全ての人がコトを興せる社会を作る。ONE Xでは共創によって、皆さんの一歩踏み出す支援を全力で進めていきます。事業開発、投資、就活に関する情報を不定期で提供して参ります!

2021年以降に起こりそうな変化の話

皆さん、明けましておめでとうございます。ONE Xのりゅうです。今日は2021年以降に起こりそうな変化の話をしたいと思います。以下の内容は、あくまで個人的な見解ですので、ご容赦ください。昨年は皆さんご存知のように新型コロナ(COVID-19)が世界中に感染拡大し、日常生活を大きく変えてしまいました。コロナの影響で日常生活、働き方、公共システム、趣味など全ての領域において、見直しを図らなければならない状況になったかと思います。下記画像はほんの一部ではございますが、コロナ前後での変化と拡大してきたプロダクト・サービス事例をまとめてみました。

 

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私は海外旅行や音楽フェスが大好きなので、自分自身の趣味を全否定されたような気持ちになり、非常に辛い1年でした。しかしながら、嘆いていてもしょうがないので、

 

「オンラインでどこまで感動体験を創れるのか」

 

というチャレンジをしてきた年でもありました。2020年は社外において下記4つの取り組みを進めてきました。

❶市役所特任CxO取り組み(地域での新たな複業の形模索)

❷ふるさと兼業(地域と人材を結ぶサービス)

学生社会人座談会

❹大企業挑戦者支援プログラムCHANGE by ONE JAPAN

ONE Xとして取り組んできたのは❶❷ですね。2020年、働き方の変化を感じた人は私以外にも多くいたのではないでしょうか?もう少しマクロにこれまでの変化と現状起こっている課題をみていきましょう。その前にこの変化を予言し、対策を促していた方がいましたのでこの動画をご覧ください。

www.ted.com

ビルゲイツ、さすがですね。彼のプレゼンの中でもデジタル技術を活用した感染状況の可視化、バイオ系のプロセスイノベーションの話などが出てきています。世界レベルのイノベーターの視座は凄まじいなと感じます。 私なりに現状課題を整理してみました。

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この切り口はインキュベイトファンド社のレポートを参考にさせて頂いております。

note.com

❶医療

まず、医療領域。コロナ患者対応に伴う様々な課題が顕在化してきております。これはオンライン診療を加速すると共に、ワクチン開発のための周辺技術のイノベーションを加速していると思います。

◉製薬プロセスイノベーション

例えば、ワクチン開発のために、製薬領域におけるプロセスイノベーションが起こっており、少ないサンプル数で大量の検査を加速試験で実施できる技術が開発されてきています。RNAやDNAのカスタマイズを行うことで圧倒的に開発プロセスを短縮するスタートアップも増えてきています。製薬領域は、コロナをきっかけに現在進行形で大きなイノベーションが起こっている領域と言えそうです。

◉オンライン診療・服薬

日本医師会が反対していたオンライン診療領域も加速してきています。国内だとメドレーやリンクウェルのようなスタートアップが急激な事業拡大をしていると思います。海外では処方箋をもらう薬をより安い薬局から手に入れるGoodRXというサービスが出てきています。またオンライン服薬領域ではアマゾンのような大手テクノロジー会社の参入も進んできているようです。この辺りは今後も注視していきたい領域です。

◉オンライン手術

5Gの進化やセンサ技術の拡大で最も進化してきそうなのがオンライン手術(遠隔手術)の領域だと思います。特に日本において、この領域の進化は必須だと思います。日本の過疎化した地域のインフラコストは1000万円/人を超えてきているそうです。都市部に住む人は数百万円前半/人ということを考えると生きるためのコストが2〜5倍くらいかかっている計算になります。そのコストを負担しているのは都市部の人たちの税金なので、どこかのタイミングでインフラコストの見直しは図っていく必要がありそうです。過疎化地域は高齢者も多く、医療コストが支配的だと思いますので、オンライン手術の需要が今後一層高まってくるように感じます。

 

❷公共インフラ

次に公共インフラです。中央省庁では新たに「デジタル庁」が新設されて行政のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)が進められていっています。

◉行政情報の活用サービス

今後は、紙で保管するのは論外、PDF保管もデータ戦略上ありえないよねという流れが出てくると思います。基本的にはリアルタイムでデータを活用&更新できるようにするためにスプレッドシートでの管理&運用が推奨され、そういったデータを活用したビジネスが加速していくと思います。そういった取り組みでは比較的「会津若松」が進んでいる印象があります。公共データを全て民間が活用できるようにしていて、民間のデータ活用施策の支援を行えています。民間からの申請の処理も全てオンライン上で完結するシステムの導入が進んできそうです。これが広がる必要条件としてマイナンバーの導入があると思いますので、そこは政府の皆さんの導入施策に期待したいです。

クラウド型の行政サービス(オンライン署名等)

行政サービスはこれまでオンプレミスというそれぞれの自治体ごとにシステム開発をしていた流れがあったかと思いますが、今後はクラウド型に切り替わっていくと思います。代表的なサービスがオンライン署名のサービスです。クラウドサインやドキュサイン といったサービスが民間企業だけでなく、地方自治体にも導入されていくことで地域差のないユーザー体験が実現していくと思います。今後は区民、市民向けの窓口サービスもクラウド化していく可能性があると思っています。

再生可能エネルギーの推進

見出しをみて「コロナ関係ないやん」って思った方も多いかと思いますが、公共インフラ系でこの話題を外すことはできないと思い、あえて載せました。昨年、菅首相の所信表明でもカーボンニュートラル(以下、CN)の話題がありました。

www.kantei.go.jp

複数の有識者から「地球温暖化の加速に伴って、地球環境の変化が起こり、今まで眠っていた感染症・ウイルスが出てきてしまうだろう」と言われています。今回のコロナウイルスがこれに直接影響しているかはわかりませんが、コロナのようなパンデミックのリスクは地球温暖化によって拡大する可能性がある様です。そのため、化石燃料を使用しないシステムの導入が世界レベルで加速していくと思います。再生可能エネルギーを社会に導入していくためには、様々な課題があります。例えば、電力を安定的に導入できない、EVが普及してくると絶対的に使用電力が足りないなどです。ここはエネルギーのマネジメントシステムや蓄電池など保存系の技術の革新によって、支えられていくと思います。

 

❸金融

◉融資のDX

コロナショックのような有事の時に円滑に政府から民間企業へ融資が行われるエコシステムを作っていく必要があります。従来の融資手法では、企業倒産リスクを軽減することができず、実際に潰れるべきではない会社まで潰れてしまう現象が起こっていました。これは今後変わってくる可能性があります。例えば、リクルートAirレジやスクエア社のSquareなどがそれにあたると思います。店舗や工場などのPOSシステムの履歴データを元に融資判断を行うという流れです。今後は取引企業の履歴なども紐付けされていき、信用力が従来の財務の側面だけでなく、多面的な評価ができるようになると思います。上段でも増えた環境対応なども融資の際の評価軸として加わる可能性は高いと思います。更にいうと、UBER EATSなどの配送情報、スタートアップ企業「バカン」の空き状況可視化サービスの情報なども融資に関する情報として取り扱える可能性がありそうだと思っています。

◉世界基軸通貨の変化

現在の世界基軸通貨はドルです。これは2021年現在、揺るぎない事実かと思います。しかし、これからも世界基軸通貨であり続けるかどうかはわかりません。コロナ対策のために世界では約2000兆円の紙幣が刷られました。その影響で相対的に株価、不動産、金などの資産と言われるものの価値は上昇しました。最近ではデジタルゴールドと言われる「ビットコイン」の資産価値も上がってきています。コロナ対策が行われ続ける限りこの流れは変わらないと思います。新興国では通貨の価値が落ちすぎて、紙切れ同然になってしまっているところもございます。いわゆるスーパーインフレという状態です。これらの国にいる資産家は金やビットコインなどに資金を移すことで資産を守っています。ドルではなく、ビットコインに移しているのが注目のポイントです。

世界基軸通貨が今後何になるかというのは非常に色んな意見があり、面白い領域だと思います。候補は以下の3つかと思っています。

❶デジタル人民元

中国はデジタル人民元を急速に普及させることで、世界基軸通貨を元にしようとしていると思います。具体的にはアリババやテンセントなどの企業をほぼ国有化することで、デジタル決済の領域をより国のコントロール化において、デジタル人民元普及のドライバーに使うことで、世界の通貨の重力を変えていこうとしている様に思います。この流れは要注目だと思います。

facebookのLibra

2つ目はfacebook社が推進しようとしている仮想通貨「Libra(以下、リブラ)」である。当初は複数の主要通貨(USD/EUR/GBP/JPY)を担保として、新規通貨を発行する予定だったが、規制当局にNOを突きつけられて作戦変更を余儀なくされていました。2021年1月に発行との報道もある新リブラはドルを担保にして新規通貨を発行する予定の様です。facebook社はグローバルでなんと56億人のサービス利用者がいるとも言われているので、彼らが通貨発行を行うと本当に世界基軸通貨になる可能性はあるかもしれないと思っています。

ビットコイン

3つ目はビットコインです。ビットコインについては2年前のバブル崩壊もあり、投機商品とみている人も多いのは事実だと思います。しかしながら、この2年間でだいぶ信頼性が高まった資産と言えると思います。米国の名だたる機関投資家ビットコイン保有を表明し、PayPal社のVenmo、Square社のCashAppでビットコインの取り扱いが開始され、利用者ほとんどが少量のビットコインを必ず保有する方式を取ったことで、安全資産としての位置付けのみならず、決済手段としての位置付けも高まってきたと思います。また今年はCoinbaseのIPOも予定されており、彼らが新規上場を果たすとSECなどの米国規制当局の信頼も担保した通貨としての位置付けを確保することになり、一層信用力の高い通貨になる可能性があると思います。

 

個人的にはビットコインが最も世界基軸通貨に近いのではないかと思っています。理由は思想的なものです。ビットコインは「分散型通貨」と言われていて、アンチ中央集権の象徴としての位置付けも強かったです。デジタル人民元もリブラも中央集権であることに変わりはないので、そういった意味でビットコインを支持する人が増えていくような気がしています。ツイッター社、スクエア社CEOのジャック・ドーシーやテスラ社のイーロン・マスクビットコインを好意的に捉えているのも注目のポイントです。ビットコインの欠点はマイニングコストが高いことです。電力消費も凄いので、そこの技術革新が行われていくのではと思います。そういった意味でビットコインからハードフォークしたライトコインにも注目しています。

 

❹娯楽

次は娯楽です。音楽フェス大好きな私にとって、フェスに一度も参加しない衝撃的な年でした。大好きなフジロックYouTubeのオンラインライブ配信となり、スパチャでめちゃくちゃお金を突っ込んだのも良い思い出です。さて、これについても語っていきます。

◉ライヴの新たな形を提示したサービス

まず、注目すべきはサザンオールスターズ、B'z、嵐といった超有名どころのアーティストがオンラインライヴを実施して大成功したところです。彼らはオンラインライヴのメリットである「何人動員しても動員コストがかからない」という特徴をフルに活かして、ライヴを実施しました。結果は皆さんご存知の通り大成功だったようです。2021年はこのような形のライヴがより多くなっていくと同時に、オンラインの中での感動体験設計のために色んなサービスが世の中に出てくると思います。Fortniteや荒野行動などのゲームとのコラボも注目ですよね。ゲーム内でもう一人の自分を動かしていくレディープレイヤーワンやマトリックスのような世界が現実になりつつありますね。

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クラウド型サービスの進化

次は、クラウド型サービスの進化ですね。その代表格はNeflix、YouTubeTikTokだと思います。これはカテゴリを主に2つに分けられると思います。

・ストック型

NetflixYouTubeなどで従来からある編集された動画を撮って、それをアップロードしていくタイプのものです。2020年はYouTuberの配信側の人口がめちゃくちゃ増えて、カテゴリごとに主要なプレイヤーが分かれてきている印象です。著名なYouTuberも視聴回数が上がってこなくなったと嘆いている人も増えてきています。これまでオフラインで体験設計をしていたディズニーやスポーツ関連の人たちもこの領域に入ってきました。ディズニープラスやFUBO TVなどです。版権の影響でオンラインに参入しにくかった領域のプレイヤーも続々と参戦していきているので、2021年はさらにここの領域が拡大していくと思います。またこういったサービスをハード面で支えるROKUのようなサービスも今後は一層拡大していくと思います。

ライブ配信

これも言わずもがなですが、17Live、YouTube Live、TikTok Live、インスタライブなどライヴ型&投げ銭タイプの配信サービスが増えてきました。この領域の音声サービスも続々と出てきていますね。中国ではあたり前のように進められているライヴコマース系もそろそろ日本でも始まってくるんじゃないかと思っています。この領域は売り方の変革にも繋がってくるので、今後地域企業の皆さんも要注目ですね。

◉ライヴの一体感を味わうサービス

今年はオリンピック・パラリンピックがあるので、観客の声援、選手への応援などがオンラインでも手触り感のある形で届いていくサービスが進んでくると思います。この辺は色んなコミュニティで色んなアイディアを聞くことがあるので、今後注目していきたいポイントですね。

 

❺仕事

最後は仕事の領域です。ここは非常に自分自身大きな変化がありました。2020年は3月以降殆ど出社することはありませんでした。在宅勤務でここまでほぼ全ての業務を遂行しました。世界ではWork From Home(WFH)というワードが流行り、株式市場ではよくWFH銘柄と言われることもありましたね。仕事をしていて感じるのは下記3つの課題です。

・オンライン化に伴うセキュリティの課題

・オンラインのみのチーミングの課題

・在宅に伴う多様な働き方への対応課題

それぞれの課題に合わせて語っていきたいと思います。

◉在宅勤務のセキュリティ

在宅勤務に伴い、セキュリティの課題が多方面で発生していたかと思います。それをサポートするサービスであるクラウドストライク、ジィースケーラー、OKTAなどのサービスが一気に世界に広まって印象があります。これまでのオンプレミス型のセキュリティではなく、クラウド型のサイバーセキュリティサービスの需要が急激に高まり、一気に広まっていきました。この流れは在宅勤務者が減ったとしても一定数の需要が残り続けますし、導入へのハードルが非常に低いサービスばかりなので、これからも使われ続けると思います。

◉オンラインでのチームワーク系サービス

これは私自身、本業を進める中で最も苦労したもところです。やはり初めて一緒に仕事を進める人とリアルで会ったことがない場合、信頼関係構築にすごく時間がかかるし、腹割って話すのが非常に難しいと感じました。こういったチームワーク、組織コミットメント向上のためのツール群が今後は増えていくと思います。国内勢ですとUnipos、Wevox、ハピネスメーカーなどのサービスがございますが、戦国時代の様相ですね。非常に面白い領域になってくると思います。ちなみにZOOM、Slackなどのコミュニケーションツールの進化も起こってくると思います。今は使いやすいけど、未完成な状況だと思います。ここのユーザー体験の進化が起こることで、一気にチーム力を高めやすい環境が整う可能性もあります。

◉多様な働き方についてのサービス

在宅勤務になったことで、移動時間が短縮されて、隙間時間を本業の業務や複業などに充てられるようになってきました。グローバルではフリーランス向けにFiverrというサービスが急速に拡大しています。このサービスはECでモノを購入するかのように仕事を受けようというコンセプトでサービス設計されています。世界中の人たちと仕事を進められるサービスです。これからの働き方に即したサービスとして今後も伸びていくと思っています。

https://www.fiverr.com/

日本でもクラウドワークス、ふるさと兼業、SOKUDANなど複業・兼業サービスが急速に拡大しているという話を聞くことが多くありました。我々ONE Xとしても「ふるさと兼業」「塩尻CxO Lab」の企画・運営を進めていくことで、複業が日本国内でも進んできていることを実感する機会が多くありました。

furusatokengyo.jp

shiojiricxolab.onexxxx.com

塩尻市は実際に、国内のプロフェッショナル人材を市役所の特任CxOとして採用するという手法で民間人材を巻き込んでいきました。これは2020年のワークストーリーアワード大賞を受賞し、今後もこのような座組みが全国で増えていくことを感じさせる良い流れですね。国内大手企業ではヤフーが100人以上の複業人材を受け入れる求人募集を行っていました。複業は受け入れ企業とのマッチングが難しいという課題もあります・これは、複業人材と受け入れ企業を結ぶコーディネータ的な役割の人材が増えていくことで、複業の一層の促進が進んでいくと考えています。実際に「ふるさと兼業」はそこの課題を克服しながら、サービスの拡大を図っています。

www.nikkei.com

日本では「自分の社内スキルが社外で活かせるかわからない」という人が多く複業が進まない現状があります。日本の大企業・中堅企業にいると下記課題を誰もが感じたことが一度はあるかと思います。

 

・企業内の価値観に固定化されてしまう

・外と情報を取得するのが億劫になる(コンサルに頼るばかり)

・部分的な業務しかしないため実力に自信がつかない

・社内調整ばかりで現場の顧客の課題に向き合いづらい

 

これらは、現場で実際に起こっている人たちの声をもとにしたものです。私自身、これはスキルの可視化と一歩踏み出す機会の創出で解決される場合が多いと感じています。ONE Xでは「シゴトの掛け算で世の中の変革を加速する」というコンセプトを掲げ、これらの課題を解決する大企業向け複業推進サービス「JOB HASH」というサービスを立ち上げました。

jobhash.onexxxx.com

これからの時代は複業で新たな気付き・原体験を積み重ねつつ、それを本業に活かしていくというサイクルが形成されていくと思います。働き方がより多様化し、共創によって事業が開発されていく世の中になると思いますし、それを促進するためのサービスを世の中に出していきたいです。ぜひこちらについては応援をお願いします。企業人事、企業内新規事業開発責任者の皆さんはぜひJOB HASHのサービストライアルをご検討下さい。

 

少し最後は宣伝チックになってしまいましたが、以上が2021年以降に起こるであろう変化の話でした。2020年は「課題に溢れる年」でした。2021年は「課題を解決するサービスに溢れる年」にしていきたいですね。皆さんと事業創造を進められることを楽しみにしています。