ONEX’s blog

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今年ってクリーンエネルギー来るの?

皆さん、こんばんは。ONE Xのりゅうです。今日はみんな注目クリーンエネルギー業界についてのブログ記事を書いていこうと思います。最近、サスティナブル、ESG投資、SDGsとかよく聞くようになったけど、一体これらは何なの?という疑問に答えつつ、投資や事業開発観点でクリーンエネルギーについて、参考になりそうな情報を書いていこうと思います。では、行きましょう!

(超一般的な内容のまとめなのでご容赦ください)

 

◉環境問題がグローバルで取り上げられている背景について

簡単に歴史をおさらいすると、1980年代くらいに「持続可能性(≒サスティナブル)」という概念が登場。1992年には「地球サミット(リオサミット)」が開催され、このサミットが「持続可能性」の概念を世界的に普及するきっかけとなりました。2000年以降はヨーロッパを中心に「持続可能性」への危機感が一段と高まってきました。「世界の環境破壊が進むことで、人間は経済活動できなくなるよ?」ということをメディアで取り上げる機会も増えてきましたかと思います。これらを要約すると環境破壊が経済活動のリスクになるから対策しよう!ということですよね。あくまで私見ですが、当時はヨーロッパだけが強い危機感を持っていて、米国・中国・日本などの国々はあまり本気にしてなかった印象があります。

しかし、実際に世界各地での自然災害が年々大きくなるに連れて、

 

「あれ?これってマジで温暖化進むことで、俺ら生活できなくなるんじゃね?」

 

という危機感が高まり、環境対策を企業の事業戦略として織り込んでいく流れができてきたかと思います。実際には、まだまだ科学者の中でも賛同派と批判派がいて、実際に「CO2排出と地球温暖化の因果関係はそこまで大きくないから重要ではない」と言っている科学者も一部いるのが現状です。

www.youtube.com

こちらの動画は、日本の環境省が「2100年 未来の天気予報」というタイトルで動画をアップしています。ベースは気候変動政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書の内容を想定している様です。これによると、地球温暖化が最も進むケースで東京の最高気温は43-44度、35度以上の猛暑日60日、台風の最高風速90mとなっています。

これ、一般的には、

 

・風速70mで4tトラックが飛ぶレベル

・風速90mだと木造建築物が全て倒壊するレベル

 

と言われています。地球温暖化影響が拡大することで日本では台風などの天災リスクが圧倒的に高まってしまうそうです。日本は木造建築物が多いので、被害は甚大ですね。。。最近はアメリカでも、カルフォルニアでの山火事が前年比26倍になる、今まで出てこなかったサイズの台風が上陸するなど実生活に関わる影響・被害も出てきたことで、危機感が高まり、環境問題の影響を唱える有識者が増えてきています。

 

◉近年の潮流について

ここからは近年のクリーンエネルギーに関する潮流について語って行きますね。

アメリカ大統領選

昨年、世界的に最も注目されたものの1つが大統領選だったかと思います。ここでバイデン候補が次期大統領に当選すると言われています。彼の主要な政策の1つが「グリーンニューディール政策」とも言われる環境投資です。「Clean Energy/Sustainable Infrastructure Plan」の中では2050年までに約200兆円をこの政策のために活用すると発表しています。途方もない金額ですね。笑 2021年はクリーンエネルギーだと叫んでいる人が増えている背景はこういったところにございます。

www3.nhk.or.jp

・SDGs2030

SDGsは、Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」のことです。日本でも教育分野・ビジネス領域で語られることも増えてきたので、ご存知の方も多いかと思います。SDGsは、2015年9月の国連サミットで193の国の首脳の参加のもと、全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられましたものです。ここでは、貧困や飢餓から環境問題、経済成長やジェンダーまで幅広いさまざまな課題が網羅されています。豊かさを追求しながらも地球環境を守り、「誰一人取り残さない」ことを強調し、2016年から2030年までの15年間で達成することを目標としています。

ちょっと調べてみると、2000年の国連ミレニアムサミットで、SDGsの前身であるMDGsMillennium Development Goalsミレニアム開発目標」)が採択されていた様です。MDGsは主に途上国の社会開発を目標としていて、飢餓人口の割合が半減するなど国際社会の協力によって一定の成果を達成しました。そして2015年、MDGsの後継として、2030年までに達成すべき「持続可能な開発目標」であるSDGsが誕生。MDGsが貧困などの限定された社会課題を対象としていたのに対し、MDGsを発展させたSDGsでは先進国も含むすべての国の気候変動、人権、経済成長など、より広範な課題の解決を対象としているのが大きな特徴です。ベネッセさんがSDGsに関するまとめサイトを作っていて、とてもわかりやすかったので、リンク乗っけておきます。 

www.benesse.co.jp

・ESG投資マネーの流入

グローバルの投資分野では、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の3つの要素を考慮する「ESG投資」が世界的に活発に行われるようなり、ESGは現在では企業の価値を評価する材料として使われています。ESGと相関するSDGsでは民間企業も課題解決を担う主体として位置づけているため、ESG投資を重視するうえでSDGsの目標を経営戦略に取り込み、事業機会として活かす企業が世界的に増えています。ESG投資マネーは昨年ベースでなんと約4000兆円規模まで拡大してきており、投資家や事業者も無視できない規模になってきております。ESG投資の象徴的な存在として扱われているのがテスラだと思います。テスラ は、

 

「世界を持続可能なエネルギーへ」

 

というビジョンを掲げて、事業運営をしています。モビリティに関することをビジョンレベルでは書いていないのも面白いポイントですね。実際に彼らはEVに留まらず、太陽光発電、充電チャージャー、蓄電池などへ事業拡大を進めており、最近ではエアコン事業への参入も示唆しています。環境への貢献をビジョンレベルで掲げる代表的な会社となりつつあります。昨年はグローバルの主要な自動車メーカーの時価総額合計をテスラ の時価総額が上回ってしまうという珍現象がおきましたが、これの背景の1つにあるのがESG投資マネーの流入と言われています。

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企業情報 | テスラジャパン

ESG投資マネーの動きは株式市場全体にも影響するようになってきています。セクターごとのお金の流れをみると「エネルギー業界」は業界全体で昨年約38%の下落だったそうです。

 

化石燃料を使用して、環境破壊を加速するオイル&ガス系の会社には投資しませんよ!

 

という意志の表れの様にも見えます。実際に機関投資家ブラックロックはESGに貢献しない会社には投資していかない方針を掲げており、エクソンモービルなどの会社が目の敵になってしまっています。汗 投資家のお金が流入しない状態になるのは、企業としては致命的な課題なので、オイル&ガス各社もサスティナブルへの貢献に向けた実行プランを明確にしていっています。

さらに最近では、投資アプリ(ロビンフット)が米国の若者の中で大流行してきており、ロビンフッターとも呼ばれる彼らの投資方針がESGであることから、今までにも増して環境への貢献を事業レベルで推進している会社への資金流入が加速しています。

 

・菅政権の誕生

日本では、菅政権誕生の影響は非常に大きいと思います。菅首相が所信表明で「2050年までに日本国内でカーボンニュートラルを達成する」と掲げていたことは非常に印象的でした。その発言に呼応する様に環境省経済産業省ではクリーンエネルギーに関する政策、法案などの検討が加速してきております。コロナショックを乗り切るために、日本でもグリーンニューディールに近い政策が行われていくんですんかね。

ちなみに東京都では、ガソリン車を2030年までに販売禁止にする方針も打ち出してきており、トヨタ自動車本田技研工業などガソリン車を主力で販売してきている事業者にとって、計り知れない影響が出てくるはずです。政府や東京都としては、グローバルの潮流に合わせて、このような政策方針を打ち出しているかと思いますが、如何に日本の事業者の弱体化を防ぎながら、クリーンエネルギー政策を実現していくかというところがキーポイントになってくるかと思います。

 

◉クリーンエネルギーへの投資について

これらの背景・潮流から今後もクリーンエネルギーへの投資は一層加速していくと思います。EVや再生可能エネルギーが拡大していく中でエネルギーマネジメントなどの課題が山積みではありますが、このグローバルの大きな流れが誰にも止めることができないのではないかと思っています。私自身は投資分野にも多少興味があるので、参考になりそうな記事を2つ紹介しておきます。投資する場合は、あくまで自己責任でお願いしますね。

・投資カピバラさんのnote記事

ここにはクリーンエネルギー関連のETFが紹介されています。めっちゃわかりやすいです。これらのETFの中に日本企業が全然入ってきていないのが、残念ではありますが、投資関連でみるとこれらのファンドに投資をしておくのは一つの方法ではないかなと思っております。日本人としてはこういったETFに組み入れされるような企業を1社でも多く作っていくというのを頑張って行きたいなと思っています。

note.com

・やすチャンネルYouTube

もう1つはこちらです。毎回予備校講師のようなノリで米国個別株やETFを紹介してくれているやすさんのYouTubeです。これを観れば、ざっくりとしたクリーンエネルギー関連ETFの概要が掴めると思います。初心者にとっては少し難しい内容かもしれませんが、一度ご覧頂けると嬉しいです。

www.youtube.com

 

◉関連するおすすめ書籍の紹介

この冬休みに私自身は2冊の環境関連の書籍を読みました。結構参考になったので、皆さんもお時間あればぜひ読んでみていただけると嬉しいです。書籍の要約ブログとかあったら需要あるんですかね。根気が入りそうですが、要望が多ければチャレンジしてみたいと思います。

・資本主義の再構築 レベッカヘンダーソン

この本は資本主義の課題に焦点を当てており、グローバルで「持続可能な世界」実現のためのアクションが取られている背景なども含めてよく理解できます。今年夏に開催予定のダボス会議のテーマは「グレートリセット」とも言われています。ここでさらに環境貢献に関する話題が高まるでしょう。

www.amazon.co.jp

 

・ドローダウン  地球温暖化を逆転させる100の方法 ポール・ホーケン

この本は世界70人の科学者と120人のアドバイザーによる地球温暖化を逆転させる(このことをドローダウンと言っている)方策を100個提示している本です。それぞれのアクションでどれだけCO2が削減可能なのか、また地球温暖化対策にどのくらい貢献できるのかを具体的に示してくれています。ある程度科学的根拠に基づいたものになっていると思いますので、こちらも参考にしてもらえると良いかと思います。

 

◉まとめ

今回、このブログ記事を書いてみて、思ったことは2点あります。

 

❶グローバルでクリーンエネルギー関連の事業機会は拡大し続けている

❷日本からクリーンエネルギーに関する事業を生み出したい

 

地球温暖化対策としてのカーボンニュートラルに科学的根拠について疑問を呈する技術者・研究者が日本国内にいることも把握していますし、クリーンエネルギーを推進することで利害が生じる事業者が日本国内に多くいることも把握しています。しかしながら、グローバルの潮流などを鑑みるに、この大きな津波のような流れは止めることが難しいと思います。また、私自身はサスティナブルな社会を作っていくために、環境貢献を拡大させる事業への投資は必須だと思っている立場の人間なので、この領域の事業開発&投資検討も進めていきたいと思っています。皆さんの事業開発や投資の役に立てれば幸いです。