こんにちは。ONEのりゅうです。今日はグローバルのプライバシーに関するトレンドについて私見を述べていきたいと思います。書くに至った理由は、下記です。
トランプ大統領などに対する意見は述べません。政治的な話なので。しかし、この一連の流れの変化については述べざるを得ないと思っています。それは、グローバルのトレンドが変わりつつあるからです。まずは何が起こったのか、時系列でみてみましょう。
・トランプ大統領がホワイトハウス近くでの選挙結果に抗議する集会終了。
・トランプ支持者による議事堂突入が実行。
・トランプ大統領が暴動者に家に帰るべきと促す&応援を思われるツイートを投稿。
・Twitterがトランプのツイートに警告ラベルを貼る。
・トランプ大統領が再ツイート。サポーターを応援するコメントを載せる。
・Twitterがアカウントを一時停止する。
・トランプ大統領が「自身に投票した人は如何なる方法でも不当に扱われることはない!!!」と宣言。
・Twitter社が「暴力の賛美」規定に違反したとみなして@realDonaldTrumpは永久に追放されたと発表。
・facebook社でもアカウントの削除が行われ、サンドバーグCOOが「トランプのアカウントが削除されて嬉しい」と発言。
・ドイツのメルケル首相は「表現の自由は基本的な人権」でこういった規制は一企業が行うべきものではなく、政府などが行うべきと発言。
・フランスのブリュノ・ルメール経済・財務相は「規制はプラットフォーマーがすべきではない」と発言。
・What's Appがプライバシーポリシーを変更し、メタデータをfacebookグループに共有する改定を行うと発言。
もうカオスですね。色々な思惑もありそうですし、個人的にも思うことはありますが、発言は避けます。この一連の流れを汲んで、個人のプライバシーが侵害されていくことが懸念されるように、イーロン・マスクが「Use Signal」とツイートをしました。Signalはメッセージを全て暗号化処理をして、他人が一切情報をみれなくするメッセージアプリケーションです。
Signalアプリは1週間でグローバルで1780万人のダウンロードがあったそうです。瞬間風速ではグローバルナンバー1のダウンロードアプリになったみたいですね。プライバシーに懸念を持ったアメリカ人だけでなく、政府に不安を覚える香港の方々や新興国の方々にも広がっているようです。2日前にはダウンロード数が一気に増えすぎて、サーバーがクラッシュしたそうです。復旧はすでに行われている様ですが、驚きの流れですね。
この流れは一層加速していくと思います。Signalだけではなく、検索エンジンのDuckDuckGOも検索数が一気に1億回になったそうです。
ビジュアル的にあんまイケてないので、本当にこの検索エンジンが次世代を担えるかは不明ですが、勢いはすごいですね。メールアプリだとHEYも伸びそうな勢いですね。DHHさんも言ってますが、
Privacy is cool.
の時代へ突入しつつあるように感じます。プライバシー系のサービスについてはPodmanさんがまとめてくれていました。一応、表にもしてみました。
以前から徐々に、個人データで商売している企業には逆風が吹いていたけど、プライバシー保護の流れが加速している様子。
— Podman@米国株エンジニア (@podsay) 2021年1月16日
・メッセージング
WhatsApp → Signal
・検索エンジン
Google → DuckDuckGo
・メール
Gmail → Hey ?
・地図
Google Map → Apple Maps https://t.co/xHWuKoURBY
プライバシーは誰が管理するのかという話題は非常に難しい話だと感じます。今回のようにGAFAMなどの企業が管理することで独占禁止法に抵触してしまうような動きになる可能性もあります。政府が管理すると、どこぞやの管理国家となり、言論の自由が脅かされる可能性があります。ジャック・ドーシーは過去からこの課題について真剣に向き合ってきています。
ツイッターは言語・文化の壁を取り払うという高尚なビジョンに向かって突き進んできました。ツイッターが流行ることで、誰もが興味にあった最新の情報を手に入れることができるようになりました。しかしながら、フォローという機能や集団性のせいで視点の多様性が落ち、集団の暴力が発生してしまう弊害を抱えています。ドーシーも13回のツイートで今回の件について詳しく語っています。
I do not celebrate or feel pride in our having to ban @realDonaldTrump from Twitter, or how we got here. After a clear warning we’d take this action, we made a decision with the best information we had based on threats to physical safety both on and off Twitter. Was this correct?
— jack (@jack) 2021年1月14日
今回の暴動を経て、これまでの対策が完全ではなかったことが明らかになってしまいました。私自身、議事堂での暴動を参加者のリアルタイムムービーでみることになり、遠隔ながら、現場にそのままいるかのような感覚を得るほどに豊富な情報が流れていました。
私はツイッターのようなSNSはこれからも生き残っていくと思っていますが、プライバシーや言論の自由を重視していない企業には容赦ない批判と制裁が加えられていくと思います。また、影響力のある人のアカウント削除については、民主主義的に決められる仕組みが求められていくと思います。今回の各社の対応は、一部見直されるべきポイントがあると思いますし、今回の件を通じて、さらに民主主義的で豊かなカルチャーが形成されていけば嬉しいと思っています。最後に暴動によって亡くなった4名の方々のご冥福をお祈りします。
こちらに事業・投資まとめ記事も作っているので、興味ある記事もぜひ覗いてみてください!