ONEX’s blog

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サステナブル系イベント視察レポ

 

こんにちは、ONE Xのしゅんです。先週の土日に恵比寿ガーデンプレイスで開催されたbecozというサステナブル系イベントの視察レポートを掲載させてもらいます。主に日曜に開催されたセッションの概要と筆者の所感、ブース企業の概要も簡単に記載していますので、ご参考にしてみてください。

 

トークセッションテーマ「循環型社会の実現に向けて」

那須清和さん(Circular Economy Hub 編集長)
猿田哲也さん(一般社団法人日本サステナブルサロン協会)
マクティア・マリコさん(一般社団法人Social Inovation Japan代表理事・共同創設者 mymizu共同創設者)

Session7

引用元:becozイベントページより


セッション概要

循環型社会の実現のために取り組みをしている登壇者のトークセッションが行われました。このトークセッションでは、まず循環型社会の実現に向けて各々が取り組んでいる活動の紹介、そして実現していく上で苦労していること、最後にサーキュラーエコノミーに参加する上で我々がすぐ始められること行動できることが話し合われました。

 

登壇者の活動の紹介。Circular Economy Hubの那須さんはPodcastで「Circular Economy Hub Podcast」という場でサーキュラーエコノミーに関する情報発信を行っています。マクティア・マリコさんはペットボトルの消費量に着目しマイボトルを持ち歩いている人と水道水を提供する人をマッチングするアプリ「mymizu」をリリース。猿田さんは選択基準の可視化として循環型サロンの認証ラベルを作る第三者機関になる取り組みをしています。


「循環型社会の実現に向けて苦労していること」では、コストの問題や意識の問題や選択されるまでのハードルがあるとのことでした。特に、お客さんに買ってもらえないというハードルがあり、それを理由に消費者需要がそれほどないのであれば作れないと立ち止まる経営者も多いのだそうです。


「サーキュラーエコノミーに参加する上ですぐに始められること」では、職業や立場を気にする必要なく誰でも小さなことから始められるとのこと。日々の買い物や一つ一つの消費行動の選択の際に、その選択による環境への影響を意識することが大事になってきます。また、社会人の場合は企業側の内部からサプライヤー側としてアクションを起こすことで貢献できます。

 

筆者の所感
このトークセッションを聞いて私が考えたことは、日々淡々と生活しているだけでも何かしら環境へ影響を与えているということです。そして循環型社会の意識を浸透させるためには消費者側も企業側も小さなことから始めることが重要だということです。

 

マクティア・マリコさんがおっしゃっていた「買い物は投票」という概念は消費行動を意識し見直す上でもわかりやすく実践にも移しやすいと感じました。私たちは日々何かしらの消費行動を常に選択し続けています。資本主義の中で生きているため経済的合理性を意識してしまうのはごく自然なことだが、小さな消費が環境に影響を及ぼしているのも事実です。

 

ペットボトルの例だけでも、日本だけでもペットボトルの年間消費量が約240億本もあるということを考えると、一人一人は大したことなくてもまとめると影響は大きいと感じました。だからこそ、その消費行動を少し意識して少しずつ変えていくことが重要だです。そういったことが大事だと意識し行動をする人が増えれば、自然とその文化が浸透していき、多くの企業でもアクションが起きていくのではないでしょうか。筆者は普段出先で喉が乾いた際にペットボトルの水を買ってしまう癖があるため、これからはマイボトルを持ち歩くことから始めようと思います。

 

 

 

 

トークセッションテーマ「持続可能なファッションの未来」

蓑輪光浩さん(オールバーズ合同会社 マーケティング本部長)
唐沢海斗さん(ラヴィストトーキョー株式会社 代表取締役)
滝越潤さん(Bioworks株式会社 執行役員)Session8

引用元:becozイベントページより


セッション概要

持続可能なファッションのために取り組みをしている登壇者のトークセッションが行われました。このトークセッションでは、まず持続可能なファッションのために取り組んでいる活動の紹介、次に実現していく上で苦労していること、そしてより多くのお客さんに価値を届けるために工夫していること、最後に一人ひとりにできることが話し合われました。


登壇者の活動の紹介として、登壇者の蓑輪さんが勤めるオールバーズは環境負荷の低いプロダクトを生産し、商品ごとにカーボンフットプリントというCO2排出量を計測をした商品作りをしています。ラヴィストの唐沢さんはヴィーガンレザーという素材を用いた商品で、動物にも環境にも優しい商品を販売しています。Bioworksの滝越さんはサトウキビの植物由来の素材を使用したファッションを提供しています。


「持続可能なファッションのために苦労していること」では、機能性を計測するためのデータ分析や上の世代へのアプローチ、課題認識をしている人を巻き込むことなどが話し合われました。


「より多くのお客さんに価値を届けるために工夫していること」では、難しいことを簡単にするという意味でコピーワーキングやデザインの設計を話し合うこと、体験価値を重視すること、またサスティナビリティだけではない機能性などの価値を重視することなどが話し合われました。

 

「一人ひとりに何ができるか」というテーマでは、ファッションは楽しむものだから、無理のない範囲で気をつけながら楽しむといった話が盛り上がっていました。

 

筆者の所感

ファッションは、身近であるものの繊維や製法、配送といった部分が見えづらい分野であるため、食と比べて環境課題として落とし込みにくい側面があります。また日本が水資源に恵まれた国であるという点もこの問題が想像しにくい状態にしていると感じました。

 

このセッションを聞いて私が考えたのは、「知ること」がなによりも問題に向き合うことにおいて重要ということですね。当たり前のことだが、調べて知らなければ繊維生産が与える環境への負荷などは意識にも入らないはずです。繊維生産する上で水の消費量が多くなることもあるなど今回イベントに参加するまで考えたことがありませんでした。また個人で取り組む分では、まずは問題を知って、自分の身の回りから服は必要な分だけ買うこれだけでいいのだと感じました。私自身はそれほど服を多く持つ方ではありませんが、それでもタンスの肥やしはあります。持続可能なファッションというテーマで考えた時に、向き合うためには「我慢」しないといけないように見えますが、その分野のトップランナーの話を聞いてやっぱり「ファッションは楽しむもの」という共通認識を得て、もう少し楽に考えていいんだなと思いました。

 

以下は、出展ブースの概要です。手にとって触れる展示が多く、資源循環を想像しやすい展示が多かった印象です。

 

出展ブースの概要

A.ロスパン販売 rebake(https://rebake.me/

パン屋さんの当日の売れ残りそうなパン「ロスパン」の販売を行っていました。当日の売れ残りそうなパンを冷凍しネット販売することで廃棄を減らせるのは確かに良さそうですね。家でも購入後に商品の状態を保つために冷凍することがあるので、アプローチが面白いと感じました。

 

B.モックアップ展示 Carbon Pay構想(https://panasonic.co.jp/design/flf/works/carbon-pay/

自分自身のCO2排出量を可視化することができ、CO2の削減の取り組みに支援ができる仕組みです。

 

C.研究内容展示 東京都市大学伊坪研究室
製品やサービスにおける環境負荷の評価方法の研究結果が展示されていました。

 

D.アパレル及び生活雑貨 Bioworks(https://www.bioworks.co.jp/

自社開発した環境に配慮した繊維、ポリ乳酸繊維「PlaX」を使用した服の展示および販売。綿よりも生産時に排出される水資源の削減で環境にも配慮しつつ、機能性の良さ実現した商品です。

 

E.ワークショップ PlaRial(https://www.plarial.com/
廃棄物を素材と定義し直し、新たな価値を生み出すワークショップが行われていました。

 

F.becoz wallrt / becoz card(https://becoz.ai/

CO2排出量の可視化し、カーボンオフセットやライフスタイルの提案が行われていました。

 

G.雑貨Bee Eco Wraps Japan(https://beeecowraps.theshop.jp/

繰り返し使えるフードラップ「Bee Eco wrap(ビーエコラップ)」の販売。便利性を保ったまま、環境に配慮した商品。

 

H.雑貨 style table(https://styletable.jp/

「エシカル・サスティナブル・ヴィーガン」をテーマに人に優しい消費を提案するセレクトショップ。

 

I.野菜販売 北総クルベジ(https://www.youki-takuhai.com/kuruvege.html

炭を使った農作物を栽培し販売を行っていた。竹炭にし肥料とすることで竹林が栽培されたときに吸収したCO2を閉じ込め、CO2排出を抑える取り組み。

 

J.アップルレザー LOVST TOKYO(https://lovst-tokyo.com/

廃棄リンゴから生まれたアップルレザーを使用した商品の販売。廃棄したリンゴの搾りカスを乾燥させて、混ぜて合皮を作ったアップルレザー。本革よりも耐水性に優れ、軽いため、環境に配慮しつつも機能性に優れた商品になっていました。

 

K.ワークショップ Carton Studio
段ボールから財布を作る活動。多様の柄が存在する段ボール。それを身近な財布にすることで、多様性や魅力に気づくワークショップとなっていました。

 

ライター:濱本舜也