こんにちは、ONE Xのしゅんです。今回もPR TIMESやIDEAS FOR GOODの注目記事を取り上げさせていただきます。本日取り上げるケーススタディレポートはPLUG AND PLAY JAPANの「脱炭素文脈における業界横断でのスタートアップ共創の可能性」です。ぜひ皆さんも下記からダウンロードいただけると嬉しいです。
(https://japan.plugandplaytechcenter.com/ebook-achieve-cn/)
各業界に求められる役割という点で見ていきます。
・省エネと効率化
・電化の推進
・原料/燃料/プロセスの転換
・GHGの回収・利用
・電源構成の脱炭素化
そこで紹介されていたスタートアップ企業の中から、筆者が注目した企業5社について考察していきます。
・SmartDrive
・ION Storage System
(https://ionstoragesystems.com/)
・Syzygy Plasmonics Inc.
・Climeworks
・CircularTree
(https://www.circulartree.com/)
まず一つ目のスタートアップはSmartDriveです。東京都千代田区に拠点を置く会社です。こちらは省エネと効率化×モビリティの分野で紹介されておりました。モビリティデータを収集・解析し交通事故や渋滞の低減を目指しているとのことです。
筆者が着目した点は、その役割の最適化によるインパクトの大きさです。インフラの技術革新による取り組みは効果にラグが生じると考えているからです。
次に二つ目のスタートアップはION Storage Systemです。アメリカメリーランド州に拠点を置く会社です。電化の推進×モビリティの分野で紹介されておりました。こちらは高エネルギー密度の全固体リチウム金属電池を製造しています。
筆者が着目した点は、バッテリーの形状やサイズの変更を可能にしているという点です。バッテリーは電気自動車にも使用されるため、体積と重量の削減の実現は非常にインパクトの大きいものだと考えています。
三つ目のスタートアップはSyzygy Plasmonics Inc.です。アメリカテキサス州に拠点を置く会社です。原料/燃料/プロセスの変換×エネルギーの分野で紹介されておりました。こちらはわずか23kWhの電力で1kgの水素をアンモニアから99.999%の高純度に変換する高性能光触媒反応装置の開発をしたとのことです。ガス、化学、エネルギー業界での利用が期待されます。
筆者が着目した点は、水電解法と比較して20%以上の省電力であるという点です。化石燃料を必要としないため、二酸化炭素の排出量が削減できるのは大きいです。また従来の水電解法はエネルギー効率の低さが欠点としてあったため、その欠点を改善したこの会社の取り組みは非常に期待が集まると考えています。
四つ目のスタートアップはClimeworksです。スイスのチューリッヒに拠点を置く会社です。GHGの回収・利用×電機の分野で紹介されておりました。こちらは直接空気回収(DAC)施設を開発、構築、運用するスタートアップです。
筆者が着目した点は、二酸化炭素の排出の削減を可能にしているだけでなく、回収によりエネルギーとして変換を可能にしている点です。二酸化炭素をエネルギーとして価値転換していて興味深いと考えました。
五つ目のスタートアップはCircularTreeです。ドイツのベルリンに拠点を置く会社です。アプローチ共通×ソフトウェア・金融の分野で紹介されておりました。こちらはサプライチェーン全体のコンプライアンスワークフローを一元化することによって、ESG/CSR対策を可能にするソリューションを提供しています。
筆者が着目した点は、ブロックチェーンテクノロジーによりこれを可能にしている点です。ESGやCSRを考える際にサプライチェーンにおける貿易相手国の曖昧さはリスクになります。知的財産と機密性を保護しつつ、それをクリアにするブロックチェーンテクノロジーの利用は非常に有効だと考えています。
ライター:濱本 舜也