こんばんは。ONE Xのりゅうです。今日は私自身も超リスペクトしているジャック・ドーシーが目指す世界について私の想像の範疇を超えないところで解説をしていきたいと思います。まずはジャック・ドーシーのツイッターのプロフィール文を観てみたいと思います。
「#bitcoin」
え?これだけ?笑 このプロフィールをみるだけで、Bitcoin支持者であることがわかるかと思います。彼は現在、ツイッター社とスクエア社CEOで、スクエアクリプト社のファウンダーでもあります。会社は3社立ち上げていて、そのうち2社の現CEOということですね。私が彼のファンであることは、いくつか理由がありますが、最も好きなポイントは思想です。禅思想を持っており、「侘び寂び」を重んじる方と言われています。少しソフトなスティーブ・ジョブズのようなイメージがしますよね。今回も彼のこれまでの発言をもとにざっくり下記のようなツリーを作ってみました。左が主にツイッター社の内容で、右がスクエア社の内容ですね。
彼はインターネットの申し子のような存在です。インターネットの最大の利点である「あらゆる情報を最速で届けて、壁をなくす」ということを事業を通じて愚直にやってきている人物だと言えるでしょう。ツイッター社では言語や文化の壁をなくすと企業理念を通じて語っています。スクエア社では金融分野を通じて価値の壁をなくしていくということを実現しようとしているんだと思います。今日はツイッターの話は割愛して、スクエア社の話をさせていただきますね。
スクエア社では主力事業が3つあります。
❶Cash App事業(個人間送金・仮想通貨取引・株式取引事業)
❷法人向けPoSシステム事業(店舗決済業)
❸法人向け融資業
❶Cash App事業
Cash App事業では今話題のBitcoinなどの仮想通貨を自動的に貯めるサービスが導入されています。また株式などの取引も可能になってきています。競合はPypalが運営するVenmoや株式取引サービスのロビンフット、仮想通貨取引所のCoinbaseなどになるでしょう。2年前はPypalのVenmoにはかなわないだろうと言われていましたが、面白いくらいにドミノ倒し的にシェアを奪っていきました。背景には、圧倒的なユーザーエクスペリエンス(UX)があると言われています。iPhoneのデザインを担ってきたメンバーが初期からジョインしていることや、ドーシー自身がミニマリストでデザインについても深い知見と考えを持っていることが影響しているのだと思います。
that competitor you thought you didn't need to worry about due to your unimpeachable network-effect-derived moat pic.twitter.com/V9OZuqyFJB
— Brett Winton (@wintonARK) 2020年12月21日
また、ビットコインの価格上昇を支えている一部はCash Appなどにもあると言われています。このサービスはアプリインストール時に数%のビットコインを貯蓄するように設計されています。これはCash Appが将来的にビットコインをベースにして、送金を行うことを想定して事前に設計されているものと考えられます。これまでのCoinbaseなどのようにビットコインのFX取引に特化するカタチではなく、あくまで送金手段としてのビットコインとなるようスクエア社がサポートしてきていることに好感を覚えます。投機ではなく、資産を守り、将来的な国際決済通貨としての役割を持たせるための工夫と読めます。
スクエアのビットコイン取引のバックエンドにはLightning Networkがあります。ビットコインについては送金速度と手数料の問題がありました。これの課題を解消するために考案されたシステムがLightning Networkです。超絶簡単に説明するとスクエア社が持つプラットフォームを介してやりとりすることで、送金速度と手数料を最安にする仕組みです。詳細はどっかの解説ページを読んでください。とにかく大事なことはビットコインの取引であってもCash App上であれば、送金速度、手数料は最安で行うことができるものです。なので、彼らのプラットフォーム上では事実上ビットコインでの決済が超スムーズに行えるようになっているのです。私個人としては、この仕組みは店舗決済はもちろん、グローバルで取引をするときにもかなりの優位性を持つと考えています。
❷法人向けPoSシステム事業
法人向けPoSシステムについては、日本のリクルート社がAirレジというサービスを普及させているので、なんとなくイメージがつく方も多いかと思います。リクルート社とスクエア社は根本的にビジネスモデルが異なります。リクルート社はぐるなびなどの広告モデルで収益を得ながら、Airレジを無償で貸し出すビジネスモデルだったはずです。今は変えているかもしれませんが、私の記憶が正しければ、そうです。スクエア社は純粋に事業者から決済の手数料を得るカタチでビジネスモデルを構築しています。広告モデルは一見お得に見えますが、継続的に広告出稿をし続けなければならないので、景気が不安定な事業者からすると結構な負担だったりします。
私個人としては、スクエア社のビジネスモデルの方が事業者からは受け入れられやすいとみています。スクエア社は店舗決済だけではなく、Cash Appと連動したロイヤルカスタマー獲得のためのリワードプログラム(ANAのプレミアム会員みたいなやつ)の法人向け導入サポートも行っており、これが花咲いてくると、彼らの新たな収益源となると考えています。この事業自体は、コロナ禍でかなりの打撃を受けていたようです。実際の直近の決算も苦しそうでしたね。ここがアフターコロナでは回復してきますので、スクエア社がさらに躍進するドライバーになりそうですね。
❸法人向け融資業
これは過去は銀行が行っていた融資業務をスクエア社が行うビジネスです。具体的には、❷で説明した店舗決済のデータを活用して、店舗の事業状況を判断し、融資額をデータベースで判断して貸し付けるものです。いわゆるデータビジネスですね。銀行は預金残高や取引先データをもとに与信を作って融資額を設定してきましたが、スクエア社は店舗のリアルタイムの決済情報をもとに貸付を行うので、今までより精度の高い貸付が行われると言われています。今は低金利で融資のメリットが出にくいですが、今後景気が回復してくるとここの融資業が大きく飛躍していくと考えています。
以上、スクエア社の❶〜❸の説明でした。結論、スクエア社は不景気でも好景気でも勝てる事業ポートフォリオを持っているので、かなり強い会社だなという印象です。また、将来的にCash Appなどを通じてグローバルな決済取引や、法人決済が可能になると思いますので、事業のスケーラビリティの観点でも非常に期待できる会社だと考えています。
最後に。私自身、世界の心の壁を取り払っていきたいと考えています。そういった意味でジャック・ドーシーの思想には非常に共感する部分があります。テクノロジーは人間を拡張し、人間同士の壁を取り払うために使われるべきです。スクエア社やツイッター社はそれを実現しようとしている会社だと思うので、私はドーシーの事業を応援しています。facebookのマーク・ザッカーバーグは独自の通貨を発行し、世界の基軸通貨を作ろうとしてきました。私は彼のような独占的な考え方が嫌いです。facebook、インスタグラムのようなサービスは好きですが、独占的思想はどうもしっくりきません。ビットコインは明確な主導者がおらず、分散型通貨と言われています。全員が主体者になり、運営していく通貨が、これからの通貨として相応しいと考えているので、ビットコイン、ドーシーの思想にもポジティブです。そんなことで私はしばらくスクエア社を応援します。
事業開発や企業理解の参考にしていただけると幸いです。
あくまで投資は自己責任にて。
こちらに事業・投資まとめ記事も作っているので、興味ある記事もぜひ覗いてみてください!