ONEX’s blog

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今年IPOのロビンフッドって何だ?!

こんにちは。ONE Xのりゅうです。今日は昨年から話題を掻っ攫いまくっているロビンフッドという投資アプリについての私見を語っていきたいと思います。どうやら、今年IPO(=新規株式上場)予定のロビンフッドアメリカで昨年のコロナショック以降流行りまくっているそうです。ちょっと詳細を語っていきますね!今日も行ってみましょう!

ロビンフッドで「口座乗っ取り」被害訴える声-会社の対応に不満 - Bloomberg

 

Source:Robinhood HP

 

ロビンフッドのCEOは誰?!

共同創業者はイジュ・バットとブラド・テネフ。2人は現在も共同CEOとして活躍しています、スタンフォード大学で出会い、当初はヘッジファンド向けに取引ツールを売っていましたが、すぐにミレニアル世代が簡単に株式市場にアクセスできるアプリの開発に方向転換。2015年にアプリ「ロビンフッド」を正式にリリースしました。彼らが掲げているミッションをみてみましょう。

TechCrunch Disrupt San Francisco 2018 - Day 2

Robinhood co-founder and co-CEO Baiju Bhatt at TechCrunch Disrupt SF 2018. Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch

 

Our Mission

Robinhood’s mission is to democratize finance for all. We believe that everyone should have access to the financial markets, so we’ve built Robinhood from the ground up to make investing friendly, approachable, and understandable for newcomers and experts alike.

 

日本語にするとこんな感じ?ですかね。

ロビンフッドのミッションは、すべての人の金融を民主化することです。私たちは誰もが金融市場にアクセスできる世界にすべきと信じています。そのために、ロビンフッドをゼロから作り上げ、投資を初心者にも専門家にもフレンドリーで親しみやすく、理解しやすいものにしてきました。

 

ランディングページでもこのような文章が示されています。

 

We’re on a mission to democratize finance for all.

全ての人のために金融の民主化を。

そうです。ロビンフッドは既存権益を持つ人たちだけではなく、ミレニアム世代をはじめ誰もが富を構築できるようにするために、サービスを作ってきたのです。一見すると資産家、お金持ちを相手に商売をしていた方が、短期的には儲かるのは間違いないかと思います。しかし、ロビンフッドは新しい世代が投資の世界に踏み入れられるようにするための入り口を提供しました。ロビン・フッド伝説は貧しい人々を助けるために金持ちから盗む義賊の物語ですよね。彼らは、そんな夢のような世界観を現実のものにしようとしています。彼らのサービスの強みは何と言っても「手数料ゼロ円」です。このビジネスモデルについては後述します。

 

◉ロビンフッダーが株式市場に与えた影響とは?

 

ロビンフッドの総資産額:$30B

機関投資家の総資産額 :$数千B

 

現在もロビンフッダーと機関投資家の投資額は2桁以上離れており、直接的な影響力はほぼないかのようにみえます。しかし、実際、$10B以下の時価総額の株式であれば、ロビンフッダー(=ロビンフッドを使う人たち)でもある程度の影響力を行使することができます。ミレニアム世代の投資家は、「イノベーション、サスティナブル、ESG、ダイバーシティインクルージョン」などのワードに敏感に反応します。ソーシャルグッド(=社会的により良いこと)を求めるカルチャーがあります。日本でも近年はミレニアム世代やZ世代でサスティナブルやSDGsの取り組みに興味を持っている層が増えていますが、アメリカではその思想がロビンフッドアプリを通じて、株式市場に反映されつつあります。

 

ロビンフッダーの特徴を大きく分けると下記かと思います。

 

❶サスティナブルな取り組みへ投資

❷社会を変革するイノベーションへの投資

Reddit、Discordなどのコミュニケーションアプリを活用した素早い学び

 

❶のサスティナブルな取り組みへの投資で、象徴的な存在になったのがテスラだと思います。テスラのビジョンは「世界を持続可能なエネルギーへ」です。彼らはそのビジョンを達成するために積極的な投資を続けてきました。テスラ は過去からショートセラーと呼ばれるウォール街機関投資家に目の敵にされてきました。ショート(売り)を浴びせられまくり、過去のテスラの株価は不安定な状態が続いていました。しかし、ロビンフッダーによる積極的な買いが繰り返され、ショートスクイズ(=ショートセラーが買い戻しすることによる踏み上げと呼ばれる現象)が起こり、一気に株価が上昇していきました。結果的に、テスラの株価はグローバルの全てのカーメーカーの株価の合計を超えるほどの巨大な時価総額になり、facebookの株価も上回り、CEOのイーロンマスクは世界一の資産家になりました。それ以外でもクリーンエネルギー 銘柄についてはロビンフッダーのバックアップもあり、どんどん株価が上がる現象が起きました。最近では、機関投資家の方々はロビンフッダーの売買履歴を毎日チェックしなければ、市場に向かえなくなっているとも聞きます。

 

(テスラとロビンフッダーの話は下記ブログ記事で詳しくしています。) 

onexblog.onexxxx.com

 

 

❷社会を変革するイノベーションへの投資も特徴的かと思います。これについてはロビンフッダーよりもARK社の方が適切かもしれませんが、ロビンフッダーは確実にARK社の取引履歴をチェックして、売買に臨んでいます。さらにTwitterやCNBCなどで活躍するジム・クレイマーなどのインフルエンサーからの情報を敏感に取り入れて、取引に反映させていっています。毎日豊富な情報を処理して、取引の質を向上していっているわけですね。

 

❸さらに*RedditやDiscordといった個人投資家同士のコミュニケーションツールを活用して、毎日凄まじい量の情報交換がロビンフッダー同士で行われています。先日、数名の米国個人投資家からReddiとDiscordへの招待が実際に来ました。笑 みんなSNS世代ですので、惜しみなく情報を出しあい、お互いの投資結果がよくなるようにサポート試合っているようです。最近では、ショートボリュームの多い小規模株式をターゲットにして、ロビンフッダーが押し寄せて、ショートスクイズを狙いにいくような動きもあるようです。ショートで入っている機関投資家からするとたまったもんじゃないですよね。笑 今までは機関投資家情報格差を利用して、イナゴと呼ばれる個人投資家をカモにして、金稼ぎを繰り返していましたが、誰もが機関投資家レベルの投資情報を手に入れることができるようになり、ロビンフッダーが機関投資家を打ち負かす現象も起きてています。

 

Reddit内で起こっている話の詳細はこちらの記事をご覧下さい)

onexblog.onexxxx.com

 

 

ロビンフッドはどうやって稼いでるの?

ロビンフッドの特徴は何なんでしょうか?そうです、前述した通り「取引手数料無料」です。既存のネット証券やオールド系の証券会社ではありえない料金設定ですね。これはどのようなマネタイズモデルで実現しているのでしょうか?ロビンフッドの主なマネタイズモデルは「個人投資家の取引情報を機関投資家などに売りつけることで情報提供料金分を手に入れる」形になっています。いわゆるデータビジネスですね。この他にも金融機関からの金利収入、金融商品の直接売買でも儲けているようですが、ここでは割愛させていただきます。(お金が集まればいろんなビジネス展開ができますよね)

 

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これ、一見すると機関投資家が情報を搾取して、個人投資家からお金を巻き上げるようなモデルに見えますよね?私も一昨年にこのビジネスの概要を聞いたときは「多分、機関投資家が儲かるモデルになるんでしょ?」と思っていました。しかし、実態は機関投資家は情報を得ることはできて、有利に立ち回れる時もありますが、個人投資家側も機関投資家の動きをリアルタイムで把握できるようになってきましたので、対等な勝負になってきたわけです。これは株式取引に関する情報が民主化され、誰でも少しばかりのお金を払えば、ショートレポートなどを手に入れることができるようになったことが影響していると思います。前述した通り、個人投資家コミュニティでのやりとりが積極的に行われて、ファンダメンタル、テクニカルともに知見やノウハウが溜まってきていることも影響していると思います。

 

ロビンフッドのようなビジネスは他にもあるの?

ロビンフッドができた頃は似たようなサービスが乱立していたようですが、ユーザーエクスペリエンスでロビンフッドが勝ち抜いてきたようです。起業家は優秀なベンチャーキャピタル(≒ベンチャー投資家)のサポートを受けることで素早くスタートアップさせることができるようになると言われています。中でも有名なベンチャーキャピタルセコイアキャピタルです。彼らは過去にはアップル、グーグル、ヤフー、インスタグラム、YouTubePaypalなどハイテクグロース企業の代表的なところに多数に投資してきました。最近だと、中国アリババ系のアントフィナンシャル、今年上場予定で超注目のStripeなどにも投資しています。彼らがロビンフッドの投資家でもあるのです。セコイア・キャピタルのアンドリュー・リードは

 

金融市場を一般の人々がアクセス可能なものに変え、証券業界に革命を起こした

 

とコメントしているようです。この他にグーグルベンチャーズやアンドリーセン・ホロビッツなどの有名投資家からの資金調達も行っています。彼らのサービスの利用者は現在、約1300万人と言われています。他国にもこのようなアプリケーションサービスはあるのでしょうか?それは中国のFUTU Holdingsですね。中国版ロビンフッドとも言われています。この会社はすでにIPO済で現在進行形で凄まじい株価の伸びをみせています。私自身もこのアプリをダウンロードして使ってみましたが、普通に日本の証券会社よりだーーーーーーいぶ使いやすいので、これが流行る理由もよくわかるようになりました。ロビンフッドアプリについては利用したことはありませんが、いろんな動画でウォークスルー(利用シーンの流れを見る)はしたことがあります。

 

Futubull - US/HK Stocks Quotes and Trading APP - Apps on Google Play

 

戻りましょう。FUTUのFUTUBULLはダウンロードしてみたらリサーチ機能など使えますので、ぜひ利用して、体験してみることをお勧めします。

 

◉コロナショックはミレニアム世代の個人投資家を目覚めさせたか?

アメリカではロビンフッダーが大量発生し、株式市場に大きな影響を与えるようになりました。中国ではFUTUBULLなどのアプリによって、個人投資家が500万人以上増えたと言われています。日本でも楽天証券のユーザー数が500万人を突破し、大手のSMBC証券、大和証券を追い抜き、1位2位のSBI証券野村証券に迫る勢いになってきました。各国でコロナを機に投資を始める人が増えていることがわかります。

ソース元:楽天証券の集計結果より抜粋

news.yahoo.co.jp

 

◉ミレニアム世代は市場を変えるのか?

大量のミレニアム世代投資家が市場に増えてきて、今後はどのような流れになるのでしょうか。個人的には非常にポジティブに捉えています。我々世代はSNSなどを通じて大量の情報を処理する力があります。現在は、誰でも簡単に情報を無料で素早く手に入れることができるようになりました。この情報量と質を武器に機関投資家と渡り合えるようになるのではないかと考えています。スイミーという絵本がありましたが、粒のような個人投資家も群れになれば、大魚に立ち向かえると思っています。また、先日尊敬する山口周さんが下記のようなツイートをしていました。

 これからは商品を選択することで自らの意志を示すことができるようになります。1人の選択はそこまで影響がないかもしれませんが、ミレミアム世代の多くの選択になると状況は一変します。不買運動は企業が最も恐る出来事ではありますが、それをコミュニティの力を使って実現することができるようになりました。人権を配慮しない企業への不買運動、LBGTQヘの対応が遅れている企業への不買運動、サスティナブルへの対応ができていない企業への不買運動はどんどん加速していくと思います。さらに、そのモメンタムは商品の選択だけではなく、株式の選択にも影響を及ぼしていくと思います。すでにロビンフッダーの銘柄選定はサスティナブルな行動を示していない企業にはNOを提示しており、今後このような流れは加速していくとみています。日本でも遅かれ早かれこのような流れは起きていくでしょう。「ESG投資って何?」とか言ってしまっている人は後々痛い目を見ると思います。ロビンフッダーやそのほかの類似サービスを通じて、金融システムが民主化され、ミレニアム世代でもロビンフッド伝説のような出来事を起こせるようになってきました。ぜひ集団のちからで日本からもロビンフッド伝説を起こせるようなモメンタムを作っていきましょう。ちょっと長くなりましたが、今日はこの辺りにさせていただきます。本ブログはただの私見であり、参考情報です。投資はくれぐれも自己責任にてお願いします。てか、サスティナブルなモメンタムは作っていきたいですね。笑 今年のトレンドが楽しみです。

 

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