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孫子の兵法を株式投資に当てはめてみた!

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こんにちは、ONE Xのりゅうです。今日は私の愛読書「孫子の兵法」を株式投資に当てはめてみたら?という話をしていけたらと思います。

 

以前、下記のツイートをしたところ、それなりに反響を頂きました。

 

 

結局、ビジネスも株式投資も戦のような環境ですので、それなりに基本的な思想・戦略・戦術がしっかりしていないと勝ち抜くことはできないだろうという基本原理に立って、作らせてもらいました。

 

 Q.そもそも孫子の兵法って何?

 

ブログをご覧頂いている方の中には「そもそも、孫子の兵法って何?」って方もいらっしゃると思いますので、少し解説できたらと思います。既にご存知の方は読み飛ばしちゃってください。

 

正式には「孫子」ですね。紀元前500年頃の中国春秋時代の軍事思想家孫武の作とされる兵法書です。武経七書(中国の兵法の代表的古典『孫子』『呉子』『尉繚子』『六韜』『三略』『司馬法』『李衛公問対』をまとめて武経七書といいます)の中でも最も有名な書籍だと思います。

 

中国の歴史について詳しい方や漫画キングダムを読んでいる方などはだいたい想像がつくかと思いますが、中国春秋時代は約300年間戦争をし続けた時代です。

 

当初は戦争の勝敗は天運に左右されるとされていたそうですが、孫武は「それ、違うんじゃね?」とその当時の常識を疑い、戦争の記録を分析・研究し、勝敗は運ではなく、人為によることを証明し、理論化して兵法書として書籍化しました。

 

孫子は戦争を極めて深刻なものとみていました。

 

兵は国の大事にして、死生の地、存亡の地なり。察せざるべからず

戦争は国家の大事であり、国民の生死、国家の存亡がかかっている。
よく考えねばならない。

 

こんな名言も残しており、戦争に勝つことをまとめた書というよりは国家を長期的に反映させていくために、なるべく両国がお互いに不幸になることは避けて、進めていこうという考え方が垣間見えます。

 

国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ

 

百戦百勝は善の善なるものに非ず

 

こんな言葉からも国家のことを想っていた方というのがよくわかります。孫子は以下の13篇から成ります。

 

計篇 - 序論。戦争を決断する以前に考慮すべき事柄について述べる。
作戦篇 - 戦争準備計画について述べる。
謀攻篇 - 実際の戦闘に拠らずして、勝利を収める方法について述べる。
形篇 - 攻撃と守備それぞれの態勢について述べる。
勢篇 - 上述の態勢から生じる軍勢の勢いについて述べる。
虚実篇 - 戦争においていかに主導性を発揮するかについて述べる。
軍争篇 - 敵軍の機先を如何に制するかについて述べる。
九変篇 - 戦局の変化に臨機応変に対応するための9つの手立てについて述べる。
行軍篇 - 軍を進める上での注意事項について述べる。
地形篇 - 地形によって戦術を変更することを説く。
九地篇 - 9種類の地勢について説明し、それに応じた戦術を説く。
火攻篇 - 火攻め戦術について述べる。
用間篇 - 「間」とは間諜を指す。すなわちスパイ。敵情偵察の重要性を説く。

孫子 (書物) - Wikipediaより引用

 

戦略から戦術まで網羅した書籍となっており、かなり体系的にまとめられていると感じました。2000年以上前にこのような兵法書が確立されていたというのは改めて驚きですね。

 

 Q.孫子の兵法をどう株式投資に活かすの?

 

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孫子の兵法と株式投資

以前、ツイッターで上記のような画像をアップさせて頂きました。孫子の兵法の中で株式投資に活かせそうな考え方について、ピックアップをしてまとめています。画像が全てなのですが、少しブログなので、解説も入れていけたらと思います。

 

算多きは勝ち、算少なきは勝たず

勝利の条件が多い時だけ勝負せよ そして、そのための条件を調べ尽くせ

 

戦も株式投資も情報戦&戦略が大事ですね。ぶっちゃけビジネスも情報戦な部分が多分にあると思います。よって、その情報収集に余念がなく、戦地の変化に柔軟に対応できる戦略を持ち、それを戦術に落とし込んで確実に実行できるかどうかというのが問われると思います。ギャンブル的に進めている場合、これが欠落していたり、自分が許容できないレベルのリスク(レバや信用など)をテイクしてしまい、上手くいかない話は多く聞きますので、これを気をつけながらの運用というのが大事なんだろうなという話です。

 

兵は詭道なり

株式市場は騙し合いである 市場参加者の感情的なトレードの反対へ張れ

 

これは、孫子の兵法の中でも最も有名な文句の一つですね。戦も株式投資もに騙し合いです。株式市場の参加者が「Euphoria〜幸福感〜」に包まれている状態は最も危険であり、暴落の兆しであるという話はよく聞かれますが、感情的に恐怖感がある相場の方が強いモメンタムが継続されると言われますね。特に個人投資家の心理の反対方向に市場が動くことが多いので、機関投資家も個人投資家のセンチメント(感情)がどちらに触れているのか、常にチェックしていると言われています。

 

智将は務めて敵に食む

市場で獲得した利益を市場に再投資せよ

 

ちょっとこれは意味が異なるかもしれませんが、孫子の兵法では、敵の陣地で勝ち抜いて、そこにある食糧を獲得せよという話がされます。荷物は少ない方が良いし、敵の陣地で食糧を奪うことができたら「自分たちは食糧を確保し、敵は食糧を失う」ので一石二鳥なわけです。これを株式市場で考え直すと、市場で獲得した利益を再投資せよと考えました。儲かったお金を散財するのではなく、再投資に回すことで更に株式市場での軍資金になり、勝ち抜くことができそうであるこという解釈です。

 

若しからざれば、則ちこれを避く

勝ち目がないほど差があれば戦うな

 

戦も株式市場も勝ち目がない、もしくは勝率が低い環境下で戦っていると軍資金はなくなっていきますし、士気も下がってきます。勝ち目がないと判断したら、潔く撤退することも大事であるという話ですね。崖の上から弓矢で打たれるような戦局で勝負をしたら、どう考えても勝機がないですよね。無謀な勝負はなるべく避けていきましょう。

 

勝は知るべくして、なすべからず

勝つことは予想できるが、必ず勝てるとは限らないので、過信するな

 

戦も株式市場も勝率が高い戦局というのはあると思いますが、それに過信しすぎて軍資金の殆どや兵士の大部分を投下したときに、思わぬファンダメンタルズが発生して大負けすることはあります。自分自身の戦略を過信せず、許容リスクで勝負することを心がけていきたいですね。個人的には決算ガチャをしないというマイルールを作って、自制する工夫を持っています。

 

百戦百勝は善の善なるに非らず

できる限り市場で戦わずして勝つ方法を模索せよ

 

基本的にはリスクをできるだけ取らずに儲かる方が良いと言われています。投資界隈ではシャープレシオと言われますね。余り大きなリスクを取らずに勝ち抜ける方法があるのであれば、それに乗っかる方が当然良いですよね。いつもリスクの高い投資ばかり続けていると、大きな利益を得られる可能性もありますが、大きな損失を被る可能性もあるわけなので、充分に気をつけましょうという話です。

 

彼を知り己を知れば百戦して殆うからず

まず自分自身の特徴を知り、投資対象の特徴を知れば負けることはない

 

これは私的には最も重要な考え方だと思っています。戦でも株式投資でもビジネスでも、まずは自分自身や自分のチームの特徴をしっかりと理解することが大事です。それは、スキルやノウハウだけではなく、マインドセットやメンタル面の特徴も含めてです。自分の理解が進んでいると「こういう局面になると不要なリスクを取ってしまう癖があるな。」など自分自身を客観的に見れるように成ります。そうなるだけで多くの罠を回避できるものと思います。また、自分自身の投資対象銘柄の癖や特徴を知ることで、不要なエントリーを避けることができると思います。

 

戦いは、正を以って合し、奇を以って勝つ

公明正大な取引をして市場に参加し、有事等の際に自分の得意な攻め方で勝ち抜け

 

まず、不正はするなよって話ですね。また、自分自身が得意な投資手法でかつ、市場参加者がそこまで想定していないやり方で圧倒して勝ち抜くことが大事ということです。

 

人を致して人に致されず

自分自身が投資の主導権を持ち、インフルエンサーのペースで動かされるな

 

自分自身の投資の主導権を自分自身で持ちましょうということですね。投資判断を人に委ねるのではなく、自分自身で意思決定していく、そういった姿勢が大事だと思いますし、常にそういったことを行っていると再現性のある勝ち方が確立されていくと思います。某インフルエンサーの考え方のみを取り入れるのではなく、複数の手法や考え方を学びながら、自分自身で意思決定できる習慣をつけていきましょう。

 

実を避けて虚を打つ

機関投資家が得意な領域で勝負をするな 彼らが手薄なところで勝負せよ

 

機関投資家は、情報面では優位に立っている部分もありますが、クオーターごとに成果を出さなければならなかったり、大量の資金を運用しなければならなかったりします。

 

先ずその愛する所を奪わば、即ち聴かん

機関投資家の思惑にはまり、機関投資家に振り回される投資はするな

 

現代語訳すると、まず敵が大切にしているものを奪取すれば、敵はこちらの思い通りになる、という感じになります。機関投資家は常に個人投資家の心理をコントロールしようとあらゆる手を使ってきますので、そういった機関投資家の思惑にはまらず、欺かれないように注意していく必要がありますね。

 

故に兵には、
 走なる者有り、
 弛なる者あり、
 陥なる者あり、
 崩なる者有り、
 乱なる者あり、
 北なる者あり。
およそこの六者は、
天の災にあらず、将の過ちなり。

玄人スイング投資家、ヘッジファンドと戦う時
強い株を持っているが、自分自身が優柔不断な時
自分自身は地頭良いが、弱い株を持っている時
感情に任せたトレードをする時
規則を設定せずにトレードする時
敵の情報を十分に収集せず、トレードをする時

これらで負けるのは、
天災ではなく、トレーダーの過ちである

 

要約すると、条件が悪い環境で勝負するのは、運とかじゃなくて、投資家側の過ちですよって話ですね。これは自戒の念も込めて。常に頭の中に叩き込んでトレードしていきたいと思います。

 

少し長くなってしまいましたが、孫子の兵法の株式投資への適用のお話は以上です。孫子の兵法には、現代社会でも役立つ金言がたくさんありますので、ぜひビジネス篇などでも取り上げていきたいですね。ぜひ、投資のまとめ記事も読んでみてください。

 

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