ONEX’s blog

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CHANGE応募応援企画第3弾 新規事業を生み出す秘訣

3人とテキストの画像のようです

こんにちは、ONE Xのしゅんです。本日は6月15日に行ったCHANGE by ONE JAPANの講演内容について特に印象に残ったポイントをテキストアーカイブとしていこうと思います。森氏、土井(ONE X)、濱本(ONE X)の3人の原体験に迫るセッションでしたので、ぜひこの機会に読んでいただけると嬉しいです。

 

PART1

CHANGE概要説明

まず初めに、濱本からCHANGEの概要説明がありました。イノベーションで新しい事業を生み出す必要があります。CHANGEの参加のメリットは三つあります。コミュニティ、マインドセット・スキルセット、情報発信です。CHANGEは大企業を変えたいDOERが集まるコミュニティです。毎週日曜日にオンライン形式のセミナーワークショップを実施しています。メンターについては80名以上の経験豊富なメンターがいます。募集は6/24正午までなのでエントリーがまだの方はまずエントリーをしてからこの記事を読むことをおすすめします。

 

森氏 ご講演

#地味×起業 #自販機オタク

自己紹介

新卒入社でサントリーに入社して11年目。5つぐらいの新規事業を二人体制で行っています。部署としての新規事業部とかではなく、個人的に勝手に立ち上げた事業だそうです。アウトルック研究家として本の執筆なども行っています。森さんのミッションは、「自販機のV字回復に資する新ビジネスを創ること」です。

なぜ自販機なのか。

世界No.1が狙える数少ない産業が自販機だと森さんはおっしゃっていました。自販機のイメージは地味でしょぼくて古いという印象を受けますが、そういった印象なのに生き残っている珍しいシーラカンス的ビジネスです。自販機一個あたりの売上は一日二千円です。一日当たりの売り上げの高いスーパーなども含めた小売業の中で、一番売り上げが低いのに生き残ることができているビジネスが自販機です。そして自販機を最強のIot小売/サービス業として再定義することで、ビジネスチャンスを狙うとのことです。具体的には、自販機の余剰ボタンを活用することで飲料以外の物を販売したり、社長のおごり自販機という試みをしています。地味でも会社の持っている資産をうまく活用することで、テクノロジーに囚われすぎず面白い事業にチャレンジできるとのことです。

 

Q.着想はどうやっていますか。

 

森さん「会社の持っている資産を何かしらの軸で因数分解します。その軸を退化させることで進化させます。部分的退化進化戦略です。例えば、自販機は冷蔵機能を使わなかったらセルフレジになります。」

 

土井「事業開発の最初の一歩」

社内新規事業のススメ-大きな会社で新しい会社を生み出すには-

土井さんの紹介として、多くの事業開発に関わっており、事業開発のプレイヤーとしてそして事業開発の場づくりを主にやっています。キャリアは改善からはじまったそうです。トヨタの中古車物流改善をやっていました。また「改善の部署」から一度も異動せずに、組織を超えて動き回っていたとのことです。成長事業や成熟事業に対して経営管理するのが改善で、探索事業をやるのが新規事業ですが、土井さんは全部やりたいと考えました。新しいことをやる時は出島を作りたがる傾向にあると思います。事業の成熟度によってそこの組織が大事にしていることが違うため、新しいことをしたくてもレポートライン通りの決裁をする組織では厳しいので、有志で勝手にやるという方法をとったそうです。

 

そこで最初はラフに勝手に企画書を作って偉い人に当てまくったそうです。そこでの反応がよかったので、会社イントラに「トヨタを変えよう」というのを載せてしまったそうです。ですが、実際に開催すると100名以上の人が集まったそうです。また、元々トヨタも1から新規事業を作ってきた会社だから、創業者の言葉を借りて、「A-1 TOYOTA」を始めたとのことです。こうして始めたビジコンが大きくなり、その中で大事だと思ったのは継続したことだそうです。

 

こういった経験からの気づきは「有志ならできる」ということです。有志ならしがらみに囚われず自由にできます。そうして、有志でやったことを事業化するための新規事業の提案制度を作って、段階を進めていったそうです。

土井さんの場合はそういった仕組み作りをやりましたが、今はその仕組み作りはいりません。CHANGEがその仕組みになっているので、これに参加することで新規事業をやることができるからです。

 

未来は予測不可能ですが、行動することで未来を変えることができます。CHANGEにエントリーをしましょう。

 

Q.反対されたりとか馬鹿にされた時にどういう風に思ってたのか。

毎日面白くなくて何かを変えたいなって思ってたからちょっと朝活してみたんですけどそれが変わるきっかけでした。何かやってみたら変わると思います。

 

Q.どうやって出向を勝ち取ったか。

私は、初めてベンチャーに出向したパターンです。調整に一年半ほどかかりました。みんな決められないだけでダメとは言わないから、みんながいいって言ってるってことを証明して上司に言えば決めてもらえます。たらい回しにされてる状況は悪い状態ではないです。決められない状況なだけです。

 

濱本「熱狂するコミュニティと事業開発」

今回のメッセージは「熱狂するコミュニティを活用してイノベーションを起こそう」です。熱狂するコミュニティってなんだと思ったかもしれませんが、CHANGEのことです。

3つの原体験

濱本さんは3つの原体験があるとおっしゃっていました。

1つ目は大学生の頃、トラックに轢かれた話です。その時、いつ死ぬかわからないなと思い、人生は一度きりなのだと悟ったそうです。

2つ目は入社した先のパナソニックが潰れかけた時の話です。iPhoneが発売されてから事業部が縮小し、相次ぐリストラなどでショックを受けていた最中、休日にONE Panasonicという有志のイベントに参加したことで、人との出会いで自分の想いに気付き始めたそうです。イノベーティブな事業を創りたいと考えるようになったそうです。

3つ目は、AIデバイスの営業をしていた頃の話です。AIのことを知っていくとAIに自分の営業の仕事をとられるんじゃないか、オペレーションの仕事をとられるかもしれないと思うようになったそうです。今後はイノベーティブな仕事に集中しオペレーティブな仕事は消滅するのではないかと考えるようになり、事業を創る人になるという決意が生れたそうです。

 

なぜCHANGE by ONE JAPANを作ったのか?

CHANGEを作った理由は、大企業から新規事業を産むためのスキルやノウハウがそれまで体系化されていなかったからだそうです。

 

濱本さんは、大企業新規事業の実践者コミュニティの「ONE JAPAN」に飛び込み、自分のキャリアをアップデートしようと考えました。そして、経済産業省が主催する「始動」というプログラムにも参加しました。こういった取り組みが社内に伝わり、新規事業部へ移動することになりました。

 

しかし、始動プログラムで学んだアントレプレナーの内容が大企業には通用しない事実に直面し、そこで初めて大企業から新規事業を産むためのスキルやノウハウが体系化されていないことに気づいたそうです。

 

そういった経緯から、「大企業から世の中を変革する」という想いのもと始まったのが大企業挑戦者支援プログラム「CHANGE by ONE JAPAN」だそうです。

 

CHANGEでは、スタートアップの側面を表すTシャツの部分と大企業の側面を表すスーツの部分の使い分けを体系的に学べるようになっています。そしてこれまでの2年間で200名以上のCHANGERを創出してきました。この仲間たちと共に8年後に毎年1万人のCHANGERを創出することを実現していきます。

 

これからは熱狂コミュニティの時代

濱本さんは近年のデジタルサービスの流れを見て、これからは顧客共創PFの時代に突入すると考えています。今まではリーンスタートアップ1.0としてデザイン思考型事業開発が主流だったのですが、これからはリーンスタートアップ2.0として顧客共創型事業開発へ移行していくとのことです。その事例として、slackやdiscord、redditなどのアプリが挙げられます。

 

濱本さん自身も伴走支援するプロジェクトで、顧客共創型コミュニティの実現をしています。塩尻CxO Labやシン・シゴト服ラボ、大田区SDGs副業、そしてCHANGE。こういった顧客共創型コミュニティの実現をしていく中で、良い顧客共創型コミュニティには共通項があることがわかったそうです。

 

イシューから入ると盛り上がらないのです。だから、次の関係人口醸成サイクルを回すことで良い顧客共創型コミュニティになるとのことです。

 

  1. 好きの醸成
  2. 関わりの濃密化
  3. 課題への対峙
  4. 解決策の実行

そのコミュニティが好きだからこそ仲間同士で熱狂しあい、サービスの改善スピードが爆発的に上がるのです。一番大事なのは熱狂することです。だから、熱狂するコミュニティのCHANGEを活用しましょうとのことです。

 

Q.Appleみたいなイノベーションな会社を作りたいって新規事業の方にシフトしたのはいつ頃ですか。

 

濱本さん「7年目です。」

事務局の松下さん「意外と中堅になってから踏み出してるっていうのが、「もうそんなに若くない」って思う方もいるかもしれないけど、そこ違うんだなって濱本さんから学びました。」

 

パネルディスカッション

 

Q.これだけできるのになんで独立しないんですか。

森さん「私のポイントとして、low-risk、low return、High impactっていうのがあるのですが、三つ目のHigh impactの部分が違うんです。やっぱり自分の生きた証を残したいので、会社の中でチャレンジをするっていう方向にしました。」

土井さん「大企業の可能性を諦めていないから信じてるからです。自分一人で成功するよりも自分が動いて型にしてエネ増ししてトヨタ的に言うと標準化するとインパクトが全然違うので。」

 

濱本さん「ベンチャーとか大企業とか意識していなくて、目的は社会の負を解決することなので、それに合わせて立場とかを上手く使えばいいと思っています。」

 

Q.モチベーションの維持について

森さん「自分のことを褒めてくれる仲間とかと食事に行くことです。「俺はお前の可能性信じているから」って言ってくれる先輩がいて、どうしても凹む時があるので、その期待に答え続けることがモチベーションになっています。」

 

土井さん「無限には走れないと思っていて、辛くなった時はガソリン供給をしています。CHANGEとかはそういう場で、そういう同じ感覚でやっている人たちと一緒に飲むっていうのが僕にとってはモチベーションの維持になってます。」

 

濱本さん「週3回以上熱量の高い人と会うみたいなことはやっています。でも、根本として新規事業やってる人は熱量高い人多いから、新規事業やってる人と一緒に仕事をすると自然と熱量が上がりますよね。」

 

Q.時間がないんですけど、どうしてますか。

濱本さん「森さんの本を読むことです。業務の効率化は常にやりたいからやってますし、時間がないのは意識の問題なので、暇だと思ってると時間が生まれます。だから忙しいと思うことを辞めることですね。」

 

土井さん「本業で120%結果出さなかったらやらせないからって尊敬している人に言われて、それでめちゃくちゃ効率化しようって思って、マインドが変わったから、ここで気をつけてほしいのは本業120%っていうのを意識してほしいですね。」

 

森さん「仕事を選べるステージにどう近づけていくかですね。時間効率高く結果が出る仕事をすると変わるので。」

 

Q.社内での仲間作りがなかなか上手くいかないのですが、どうやった仲間ができますか。

森さん「楽しそうに仕事をしてると伝えたい人に届くので、自分でそれを表現することですね。」

 

土井さん「フットワーク軽く飲みに行ってたので、それが一つですね。」

 

濱本さん「楽しいところに人が寄ってくるので、悲壮感を避けるのは大事ですね。しんどそうにしている人と一緒に仕事したいって思わないですからね。」

 

Q.「好きの醸成ってキーワードになってると思ったんですけど、willに向き合えば向き合うほど好きと苦しさが混じり合うと思うんですけど、どうモチベーションを維持したりどう熱狂をコントロールしてきたのですか。」

 

濱本さん「好きの醸成と課題の間に関わりの濃密化があるんですね。コミュニティの作り方は焚き火と一緒で距離感が大事で、その濃密化が上手くいけば超えられるので、それをいかに作るかだと思います。」

 

Q.どうやって新規事業のファーストステップを歩んだんですか。

 

森さん「ある日、自販機分解したりしてたので、その答えが一番難しいですね。その組織の中で異質であることを受け入れられるキャラ変をいかにするかっていう問題でもあると思います。やっぱり異質であり続けるっていうのを随所随所で突っ込むっていう。」

土井さん「willとかなかったけど、後から作れるので。僕なんて最初はフットワーク軽く飲んでただけなので。今何か行動したら未来が変わってくるので。」

濱本さん「やる。やり続けるだけですね。それを辞める理由を作らない。それだけの違いですね。」

 

最後に三人からのメッセージ

 

森さん「人間、勝ち組に入りたい人と勝ち組を作りたい人の二パターンいると思います。ほとんどは入りたい方だと思います。新規事業をやる人は勝ち組にすることだと思います。自分の周りの人たちとか応援してくれてる人とかごとですね。こっちは茨の道なんですけど、勝ち組に変わった瞬間、一生の成功体験になるし財産になるし快感になるし忘れられない経験になると思います。だから、勝ち組に入りたい欲望を捨てて、全ての関係者を勝ち組に変えていくそんな情熱で一歩踏み出してもらえるといいかなと思います。」

 

土井さん「やりたいことなんて変わっていいんです。だから今何考えててもいいんです。新規事業って誰かの困りごと解決なので、きっとその一歩が誰かの課題解決になるんです。やらないとその人の課題も解決しません。だから、CHANGEで一歩踏み出していただければと思っています。」

 

濱本さん「人生一度しかないので、明日何か起こるかもしれないので、後悔がないようにしたいじゃないですか。だから、面白いことをやりましょう。新規事業は大変なことが多いですけど、絶対面白いので。」

 

第二期ファイナリスト ドコモCS関西 坂東さんピッチ

坂東さんの紹介

漫画家は専業にするのが難しいのが現状なので、坂東さんの事業は漫画を専業にすることで活躍の場を増やすことを目指しています。中間コストを省くことでこの課題を解決しようとしています。このようにCHANGEに参加することで事業を作り、人生が変わりました。そして、共感してくれる仲間に出会えたことが CHANGEに参加したことが一番よかったことだそうです。

PART2

第二期ファイナリスト 富士通中西さん体験談

中西さんからのメッセージは「人はいつからでもどんなところからでも飛べる」です。CHANGEに参加したのは35歳でした。参加したことでスキルセットマインドセットを体得し、後押しをしてもらえたそうです。最初はないない尽くしだったそうですが、参加することで変わったそうです。

 

イベントを終えて筆者の所感

行動していくことで現状を変えていった方々のお話を聞いて、何か変えるためには行動を変えるしかないのだなと考えました。またコミュニティが秘める内なるパワーを感じました。そして登壇者の方に共通して言えることが、自分の立場を上手く利用しながらどうやったら一番動きやすいかなどを常に考えて動いているように見えました。大企業にいるから新規事業ができないと思わずに、CHANGEに参加して自分が変わることで、自分の周りから面白くしていくことができるんじゃないかと考えました。

 

ライター:濱本舜也