ONEX’s blog

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ブラックベリー社は何がすごいのか?!

こんにちは。ONE Xのりゅうです。今日は最近ロビンフッダー、というかウォールストリートベッツの中で話題になっている $BB(ブラックベリー)とその周辺の自動運転業界の構図について超私見を述べていきたいと思います。さぁ、今日も行ってみましょう!

※現状、ボラが非常に高いので、投資の場合は自己責任にてお願いします。

 

ブラックベリーってどんな会社?!

ブラックベリー社はカナダを本社に置く過去はブラックベリーと呼ばれるスマホ端末を販売する会社でした。皆さんもボタンがPCのキーボードのようになっている端末をみたことはないでしょうか?さっき後輩に聞いたら「わかんないっす。世代違うんじゃないですか?」って一蹴されたので、半泣きのりゅうです。笑

BlackBerry Bold Touch 9900 Unlocked GSM Touchscreen + Keyboard Smartphone - Black 並行輸入品|importdvd-com

これ、みたことありますよね?!!ね??!!汗

 

このプロダクトはセキュリティのレベルが極めて高く、軍事や法人、政府向けに人気の商品だったようです。オバマ大統領も愛用していたそうですが、後のiPhoneに駆逐されてしまい、シェアを3.4%くらいまで落としてしまい、端末自体は中国のTCL社に売却してしまったそうです。そして現在は、生き残りをかけて下記3つの事業を主力として、進めているようです。

 

❶企業向けの携帯端末管理ソフトウェアの販売

❷独自のネットワークサービスの提供

❸車載システム向け組み込み向けソフトウェアプラットフォームの提供

 

❸の車載システム向けのソフトウェアプラットフォーム事業(名称:QNX)は2010年にQNX社をM&Aしたことで、事業を拡大させてきたようです。当時から車載向けプラットフォームを提供していたQNX社とセキュリティを武器に攻めていたブラックベリー社のシナジー(≒力を合わせるとより強くなる)領域として、攻めていくことになったようです。本社経営戦略の見立ては見事にあたり、現在では自動運転領域の先駆者として、注目を集めるようになりました。下記の記事でも分かる通り、すでに自動車各社の1億7500万台がQNXを採用しているそうです。安全でセキュアなプラットフォームとして人気を集めています。言うなれば、自動車版のクラウドストライク(クラウド型のセキュリティサービスを提供する会社)みたいな感じですね。

 

www.blackberry.com

 

◉自動車に求められるセキュリティとは?!

自動車の場合のセキュリティはクラウドストライクのサービスをそのまま導入するのではしんどいです。なぜかというと、自動車の場合は「ハッキング」「対応の遅れ」などが人間の死に直結してしまう場合があり、クラウド処理というやり方では危なすぎるからです。

自動車向けなどで一般的になっているのが、エッジ処理というものです。クラウド処理とエッジ処理の話はNVIDIAの記事を書いたときに軽く解説しましたが、今回の内容でも肝になりそうなので、改めて解説しますね。 

onexblog.onexxxx.com

 

これまではPCやスマホなどのデバイス内での処理を最小にして、クラウド上(わからなければインターネット上と言い換えてみてください)で処理する手法が一般的でしたが、画像や映像など重たいデータを処理する必要が出てきた工場やホームセキュリティ、自動車などの領域では全部クラウド上にデータを上げているとデータ量が膨大になるし、レーテンシー(≒遅延)が半端ないということでエッジ(≒PCやスマホ、IoTデバイスなど)で処理することが多くなったわけです。そこでデータを圧縮して軽くしてから、クラウドに投げて処理する、もしくはエッジデバイス上で全ての処理を行ってしまうことも増えてきました。

超簡略化した図ですが、ざっくり言うとこんな感じです。詳しい人からすると突っ込みどころあるかもしれないですが、ご容赦ください。エッジコンピューティングの領域はリアル空間の情報を素早く処理するために必須の技術になります。よくIoTとか言われますが、大抵は

 

ア:レーテンシー(≒遅延、そろそろいいか?笑)

イ:データ量を如何に圧縮するか

 

というのが課題になるので、この辺の技術が市場に求められるんですね。自動運転やEVの場合は、これに加えて、

 

ウ:セキュリティ

 

という領域が超重要になります。車をハッキングされたら、普通に人を殺せますから、そのようなハッキングが起こっては絶対にあかんわけです。ブラックベリーは自動車におけるエンドポイントセキュリティ(≒デバイスクラウドの接続ポイントをセキュアにするって話)という領域のパイオニアなんですね。自動運転領域ではなくてはならない存在として、1億台以上の納入が決まってきているのです。

 

この車載向けセキュリティ事業は非常にビジネスモデルとしていけてそうな気がしています。もしクラウドストライクと似たようなビジネスモデルだったとしたら、顧客数が増えれば増えるほど、教示データが溜まりまくって、セキュリティレベルがあがる形になります。お客さんが増えれば増えるほど、製品の価値が高くなるってことです。これは俗にネットワーク効果と言われるビジネスモデルですね。ご存知ない方は

 

A:お客さんが増えれば増えるほど商品価値があがる

B:コンテンツが増えれば増えるほど商品価値があがる

 

ざっくりこのどちらか、もしくは両方に当てはまる事業と理解すれば、8割くらい合ってます。笑

 

Aについては、たとえばLINE。LINEは2人でしかコミュニケーションできないアプリだとほぼ存在意義ないですよね。顧客が増えれば増えるほど、価値が増すわけです。

 

Bについては、iPhoneiPhoneはアプリケーションが純正電話アプリだけだと全然価値がないですよね。YouTubeとかSpotifyとか、Netflixとかコンテンツが増えれば増えるほど価値が上がるサービスなわけです。これらは非常に強い差別化要素になるので、後発の事業者に対して、非常に優位になるわけです。

 

ブラックベリーはAのビジネスモデルですね。顧客が増えれば増えるほど、セキュリティのレベルが上がっていくモデルです。これ、クラウドストライクもほぼ同じビジネスモデルと考えて問題なさそうです。ご参考まで。

 

◉自動運転業界の構造を簡単に表にまとめてみた

ブラックベリーのプレスリリースをみていると「百度と協業」などと書いていたり、各自動車メーカーとの協業の話もあったりして、わけわからなくなりそうだったので、勢力図を表にまとめてみました。自動車も今では動くスマホ化しているので、ハードウェアだけではなく、ソフトウェアもGPU/CPU、OS、Appsなどが積まれるようになってきています。いわゆるソフトウェアベースの自動車が出来上がってきているわけですね。代表的なのはみんな大好き、テスラですね。テスラ は垂直統合型モデルと言われていて、ソフトウェア〜ハードウェア〜サービスまで全部自社で行うビジネスモデルです。スマホで言うとアップルのiPhoneに近いですね。もう一つはオープソースプラットフォーム連合とも言われている中国の百度が音頭をとっている連合ですね。

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NIOやXPEVなどの企業もこのプラットフォームに乗っていますし、既存のカーメーカーはこのプラットフォームへの参画を表明しています。スマホでいうとアンドロイドOSに携帯各社が名を連ねているのと構造的にはほぼ一緒です。

 

スマホを自動運転の違いは、コンポーネントの複雑さですね。スマホの場合は、1つのデバイスを制御できれば良かったのですが、自動運転車の場合は、メインとなる脳味噌みたいなデバイスだけではなく、各種センサ、走行制御、シート制御など様々な制御機器を即座に連動しなければならないので、極めて難易度が高いものになります。制御すべきデバイスがアホみたいに多いので、顧客の乗車体験を最高のものにしようとすると、かなりの連動性が求められるわけです。個人的には百度が取りまとめるプラットフォームは難易度が高いとみています。テスラのような垂直統合型モデルの方が最終的に素晴らしい顧客体験を行うことができるでしょう。NIOは、テスラに近いモデルを作れる可能性があるので、少し期待しています。百度がどこまでプラットフォーマーとして求心力を得られるのかはこれからの注目ポイントの1つです。

 

ブラックベリーの話から少し離れてしまいましたが、自動車業界の勢力図についてはもう少し詳細をみていきたいので、別途記事化していこうと思います。これら各領域に日本企業の名前があまり上がってこないのが悔しいですね。少なくともAppsの領域はまだまだフロンティアだと思いますので、スタートアップ含めてみんなで攻め込んでいきたいですね。iPhoneのアプリ市場が一気に拡大したように、自動運転OSのApps市場は鬼のように拡大していくと思います。運転中にながら体験できるものが早期に導入されると思うので、Dabelやclubhouse、soundcloudSpotifyなどのサービスは勝機ありそうですね。Dabelは日本人が開発しているので、個人的に応援しています。さて、長くなりましたが、今日はこの辺で!ぜひ皆さん、星ボタンと読者になるボタンをポチっとお願いします〜。投資などする場合は、くれぐれも自己責任にてお願いします。

 

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