ONEX’s blog

全ての人がコトを興せる社会を作る。ONE Xでは共創によって、皆さんの一歩踏み出す支援を全力で進めていきます。事業開発、投資、就活に関する情報を不定期で提供して参ります!

PR TIMES & IDEAS FOR GOODの記事を読んで Vol.13

本日取り上げるプレスリリース及びニュースは以下の2つです。

 

・株式会社日本農業がシリーズBラウンド総額約11億円の資金調達を完了。また、ラクスルCOO福島氏がアドバイザーとして就任。日本の農産業のグローバル展開に向けた積極投資を進める

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000024854.html

・スマトラ島の自然を再生するLUSHに聞く、リジェネラティブな事業のヒント
https://ideasforgood.jp/2022/06/29/lush-campaign/

 

こんにちは、ONE Xのしゅんです。今回もPR TIMESやIDEAS FOR GOODの注目記事を取り上げさせていただきます。まず初めのプレスリリースはPRTIMESからで、株式会社日本農業の資金調達についてです。アグリビジネス投資育成株式会社、オイシックス・ラ・大地株式会社、センコーグループホールディングス株式会社、株式会社ニチリウ永瀬、株式会社福岡ソノリク、ラクスルCOO福島広造氏等を引受先とする第三者割当増資による総額約11億円の資金調達が完了したとのことです。今回の資金調達の目的は下記の4つの点にあるようです。

 

  1. りんご、キウイ、さつまいも等の国内での大規模輸出産地形成
  2. 輸出用の大規模選果場への設備投資 
  3. 東南アジアでの自社ブランドESSENCEのブランディング強化 
  4. 品種知財を活用した海外生産の強化

 

そして、ラクスルの福島氏をアドバイザーに迎えることで、よりダイナミックに日本の農産業の改革を進めていくとのことです。

 

次のインタビューはIDEAS FOR GOODからで、コスメ大手のLUSHが行っているスマトラ島北部の西トバの秘境での森林の保護や再野生化、再生などの取り組みについてです。その背景として、現地での農法が森林伐採に繋がっていたという現状と生物多様性の生物多様性の豊かさと炭素吸収源としての機能などの魅力があったとのことです。具体的な行動として研修による知識の提供を通じて、現地の農家さんとのコミュニティをベースとした森林再生と、コミュニティの人たちが環境再生活動を継続できる土台づくりをしているとのことです。

 

最初のプレスリリースについての筆者の所感です。日本の農産物の品質は非常に高いと評価しており非常に高値で取引される品目もある中で、まだ国内販売を前提とした農業が多く、本来の価値よりも過小評価されているケースが多いと考えています。そういった中で、海外輸出を前提とした生産販売網の構築やブランディングは必須課題であると考えています。輸出網という点で、今回の資金調達とともにアンバサダーとして迎えたラクスルの福島氏の活躍に期待しています。

 

次のインタビューについての筆者の所感です。自社製品を製造し販売していく上で、原料の生産地の影響は今後の事業の方向性に大きく関わってくると考えています。そういった会社の将来性がかかっているという理由と、サステナブルの流れという時代的な理由が重なった時に、この活動をこの会社がやる理由が生まれるのだと考えています。他の企業でも、将来の事業のリスクになりうるかもしれないという観点で現状を観察することで、こういった活動への後押しになるのではないかと考えました。

 

ライター:濱本 舜也

PR TIMES & IDEAS FOR GOODの記事を読んで Vol.12


本日取り上げるプレスリリース及びニュースは以下の2つです。

 

・シェア買いアプリ年間売上No. 1※の「カウシェ」、総額約22億円の資金調達(シリーズB)を実施

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000064598.html

・使われなくなった風力タービンが、スキー板に変身。北欧発の廃材活用アイデア
https://ideasforgood.jp/2022/06/29/turbine-blades-skis/

 

こんにちは、ONE Xのしゅんです。今回もPR TIMESやIDEAS FOR GOODの注目記事を取り上げさせていただきます。まず初めのプレスリリースはPRTIMESからで、シェア買いアプリのカウシェの資金調達についてです。Bonds Investment Groupをリードインベスターとして、SIG Asia Investment, LLLP(米国Susquehanna International Groupのグループ会社)、三井住友海上キャピタル、Sony Innovation Fund、モバイル・インターネットキャピタル、電通ベンチャーズおよび既存投資家から総額約22億円の第三者割当増資を実施したとのことです。カウシェは誰かと一緒に同じ商品を購入する体験を提供したシェア買いアプリです。

 

次のニュースはIDEAS FOR GOODからで、風力タービンの廃棄活用アイデアについてです。現状として風力タービンの90%はリサイクル可能で、リサイクルが難しい部分についてスウェーデンの大手電力会社のバッテンフォールはスキー板やスノーボードにリサイクルすると発表したとのことです。

 

最初のプレスリリースについての筆者の所感です。シェア買いはリアルの購入体験でよく目にしていたので、非常に興味深く感じましたので取り上げました。具体的には、コストコなどでシェア買いをする人を多く見かけます。こういったリアルの体験をデジタルでも同じように実現しているところにVCは注目したのだと考えました。

 

次のニュースについての筆者の所感です。リサイクル可能な廃棄素材は世の中多くあり、ただそういったものでもリサイクル率100%というものは少なく、こういったリサイクル率100%を目標に掲げている企業の動向は今後も注目したいところです。また、他の企業もリサイクルしていることだけでなくリサイクル率の可視化も行っていくことで、比較できるようになり、成功事例のデータがより収集しやすくなると考えました。

 

ライター:濱本舜也

新規事業を量産する熱狂コミュニティの作り方

ヱビナ電化工業様のMETALISMでの講演

新規事業を量産する熱狂コミュニティの作り方

ONE X 濱本隆太

 

こんにちは、ONE Xしゅんです。先日行われたMETALISMでの講演内容をテキストアーカイブさせていただきます。

当日はチェックインから始まり、途中に質問タイムを挟みながら濱本(隆)による講演が行われました。チェックインでは、自己紹介と趣味そして当日の気分や体調を発表する形式で進めました。
それでは本題である、講演の内容に入ります。

 

自己紹介

まず自己紹介として濱本(隆)は現在勤めている総合電機メーカーやONE JAPANコミュニティのCHANGEなど多くの場で新規事業や事業開発に関わってきており、その数は600個以上にもなっています。また、人生の中でほしい部活とかサークルが「なかったら作る」という経験が多く、そういった組織の立ち上げの数は40個にもなっています。そういった新規事業開発や組織の立ち上げに関わってきた経験から熱狂コミュニティを作る上で大事なことを話していきました。

 

3つの原体験

濱本(隆)には3つの原体験があります。

 

1つ目は大学生の頃、トラックに轢かれた話です。その時、いつ死ぬかわからないなと思い、人生は一度きりなのだと悟りました。

 

2つ目は入社した先のパナソニックが潰れかけた時の話です。iPhoneが発売されてから事業部が縮小し、相次ぐリストラなどでショックを受けていた最中、休日にONE Panasonicという有志のイベントに参加したことで、人との出会いで自分の想いに気付き始めたそうです。イノベーティブな事業を創りたいと考えるようになりました。

 

3つ目は、AIデバイスの営業をしていた頃の話です。AIのことを知っていくとAIに自分の営業の仕事をとられるんじゃないか、オペレーションの仕事をとられるかもしれないと思うようになったそうです。今後はイノベーティブな仕事に集中しオペレーティブな仕事は消滅するのではないかと考えるようになり、事業を創る人になるという決意が生れました。

 

シリコンバレーの経験

濱本(隆)はパナソニックの新規事業プログラムでシリコンバレーにいったことがあり、そこで日本企業とシリコンバレーの企業の違いを感じたそうです。日本の企業は独占思考でシリコンバレーの企業はレイヤー思考という点です。SXSWというイベントで注目を浴びたTwitterやAirbnb、Uberなどがその代表例ですが、イベントが拡大するに当たって湧き出た課題を解消するサービスとして生まれ、他の企業とは別レイヤーで勝負することで協業をしているケースが多いというのが特徴です。

 

イノベーションと顧客共創型コミュニティ

イノベーション

次にイノベーションと顧客共創型コミュニティについて解説しました。イノベーション企業としてGAFAが強い理由は大きく分けて2つあります。

 

  • ネットワーク効果
  • アップデート

 

まずネットワーク効果について説明すると、ユーザー数やコンテンツ数が増えれば増えるほどサービスの価値が高まるものがその例です。

 

次にアップデートについて見ていくと、強い企業はアップデートを回す速度が早く、アップデートをしやすい仕組み作りがされています。その一例がテスラです。テスラは最初に売り出した車でもソフトウェアのアップデートにより機能を後から追加できるような工夫がされています。また、Amazonなどでも同じく、アップデートにより日々UIを少しずつ変えることでユーザーの体験に寄り添ったサービスの提供を行っています。

 

また、GAFAから学べるビジネスモデルの特徴として、プラットフォームであるという点です。それ以前はバリューチェーンのビジネスモデルが一般的だったのがGAFAの出現とともにプラットフォームのビジネスモデルに変わってきました。プラットフォームの特徴は3点あります。

 

  • 顧客やサービスの数
  • 継続利用の仕組み
  • 2、3社が優位になると独占になる

 

顧客共創型コミュニティ

濱本(隆)は近年のデジタルサービスの流れを見て、これからは顧客共創PFの時代に突入すると考えています。今まではリーンスタートアップ1.0としてデザイン思考型事業開発が主流だったのですが、これからはリーンスタートアップ2.0として顧客共創型事業開発へ移行していくとのことです。その事例として、slackやdiscord、redditなどのアプリが挙げられます。

 

濱本(隆)自身も伴走支援するプロジェクトで、顧客共創型コミュニティの実現をしています。塩尻CxO Labやシン・シゴト服ラボ、大田区SDGs副業、そしてCHANGE。こういった顧客共創型コミュニティの実現をしていく中で、良い顧客共創型コミュニティには共通項があることがわかったそうです。

 

イシューから入ると盛り上がらないのです。だから、次の関係人口醸成サイクルを回すことで良い顧客共創型コミュニティになるとのことです。

 

  1. 好きの醸成
  2. 関わりの濃密化
  3. 課題への対峙
  4. 解決策の実行

 

そのコミュニティが好きだからこそ仲間同士で熱狂しあい、サービスの改善スピードが爆発的に上がるのです。一番大事なのは熱狂することです。

 

顧客共創型コミュニティの必要条件

顧客共創型コミュニティには3つの必要条件があると濱本(隆)は言います。

 

  • 好きの醸成
  • DOER
  • コミュニティマネジメントの機能

 

順番に見ていきましょう。まず顧客共創型コミュニティの一番重要な最初のフェーズである「好きの醸成」が大事なのですが、ここで気をつけないといけないのはある共通の価値観の人を集めることです。その人たちが敬遠するようなタイプの人を混ぜないことが大事です。

 

次にDOERです。DOERのマインドセットとスキルセットを持っている人が必要条件です。逆に、インプット思考で何もギブしない人がいるとコミュニティ運営によくないので、そこに気をつけましょう。

 

最後にコミュニティマネージャーの機能です。コミュニティのフェーズごとに必要な役割が変わりますが、このコミュニティマネージャーは必要条件です。

 

質問タイム

ここで一度質問タイムを挟みました。

 

Q.DOERのマインドセットはどのように体系化したのか

A.ONE JAPANの行うCHANGEという新規事業プログラムの運営をやっていく中でCHANGEが掲げるDOERの理想の人物像を細分化することで言語化したのがこのマインドセットです。

 

Q.一緒にやろうってなるきっかけはどうやってるのか。

A.基本飲みの席が多いです。

 

Q.一緒にやりたいと思う人を最初に決めるのはどうやっているのか。

A.軽く一緒にやってみて一緒に走ってくれそうな人だったらやって、全然一緒に走ってくれない人とはやらないです。

 

ここから講演の後半になります。

 

企業内の3つの罠

濱本(隆)自身社内外含めて大企業を中心とした社内外新規事業に600件ほど関わってきたそうですが、その中で大企業が陥りやすい罠が3パターンあることに気づきました。

 

1つ目はPL思考の罠。2つ目は既存勢力の罠。3つ目は熱量の罠。順に詳しく見ていきましょう。

 

PL思考の罠

まず1つ目の「PL思考の罠」について見ていきます。日本企業の経営陣は黒字となることに注目し、利益で回収することを目標とするため長期投資だと考えてしまいがちです。それに対して、スタートアップ投資家は時価総額で考えるため、時価総額が上がりそうな銘柄は短期投資銘柄として見ることができ、投資が進みます。こういった投資意識の違いが大企業とスタートアップにはあり、大企業から新規事業が生まれにくい原因にもなっています。

この罠に対する心得は、「本気で大企業で新規事業をやるなら売却時の時価総額で評価してもらいながら必要なタイミングで突っ込んだ投資をしてもらうこと」です。また、一部を外部(資本関係外)に出すのも一つの手法です。資本関係があることで自らのルールに首を絞められる事態があるため、一部に出すことでそれを克服することができます。

 

既存勢力の罠

次に2つ目の「既存勢力の罠」について見ていきます。新規事業をやっていく中で既存事業等に不都合な事実が浮かび上がってくると総攻撃にあってしまうことがあります。

 

熱量の罠

最後に3つ目の「熱量の罠」について見ていきます。大企業には熱量がない人が潜んでいます。大企業の社内起業家はまあまあ熱量を持っていますが、中間層がストッパーとなり熱量が下がりやすい状態に陥っています。それに対して、スタートアップ企業は起業家はもちろん物凄い熱量を持っていますし、VCも熱い人ばかりですから熱量が上がりやすい状態になります。

 

三つの罠の処方箋

これらの大企業三つの罠には処方箋があります。それは既存のアセットを生かして、外部を活用することだそうです。詳細は別の機会にて。

 

ハードウェア事業の罠

ハードウェア事業の罠も3つあります。

1つ目はプロダクトアウトの罠。2つ目は外注思考の罠。3つ目は量産化の罠。順に詳しく見ていきましょう。

 

プロダクトアウトの罠

1つ目の「プロダクトアウトの罠」について見ていきます。ハードウェア企業がよくやってしまうケースがこれで、顧客発見や課題発見のフェーズを飛ばして自社の技術を追求してしまうケースです。

 

外注思考の罠

2つ目の「外注思考の罠」について見ていきます。外注思考によりコスト感がわかってない状態でミスを起こしてしまうケースがこれです。

 

量産化の罠

3つ目の「量産化の罠」について見ていきます。濱本(隆)自身の例で、想定していた顧客が全然いないのに量産化をしてしまい赤字を出してしまったという体験談が印象的でした。

 

今回の講演を終えての筆者の所感

今回の講演で印象的に感じたのは、コミュニティのDOERの存在とハードウェア事業の罠です。コミュニティ運営をしていく上で関わってくる人の存在がそのコミュニティに直結してしまうけれど、人はコントロールしにくい存在であるため、その辺りの調整が大事なのだと考えました。

 

もう一つのハードウェア事業の罠については、ソフトウェア事業にはないハードウェア事業ならではの罠だと感じました。物を作るだけで物自体にコストが最初に発生してしまうハードウェア事業はやはり小さく始めて、顧客の課題に沿っているか反応を見ていくのが大事だと感じました。その解決策としてクラウドファンディングは非常に有効だと考えました。

 

ライター:濱本舜也

PR TIMES & IDEAS FOR GOODの記事を読んで Vol.11

 

本日取り上げるプレスリリース及びニュースは以下の3つです。

 

・客室電話が不要に!スマホでフロントコール、館内案内など表示できるアプリ「HOT/TEL」をリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000523.000008585.html

・Jリーグクラブ・ガンバ大阪が「土に還るカップ」を導入。テスト後の正直な声を聞く
https://ideasforgood.jp/2022/06/27/gamba-osaka/

 

こんにちは、ONE Xのしゅんです。今回もPR TIMESやIDEAS FOR GOODの注目記事を取り上げさせていただきます。まず初めのプレスリリースはPRTIMESからで、客室電話の機能をスマートフォンで実現できるアプリ「HOT/TEL(ホッテル)」のリリースについてです。ホテル業界の抱えていた課題として客室電話のコストの高さとPHSやインカムの老朽化がありましたが、このアプリの導入によりその解決が実現可能になるとのことです。

 

次のニュースはIDEAS FOR GOODからで、ガンバ大阪が導入した「土に還るドリンクカップ」についてです。導入の背景として2022年4月に施行されたプラスチック資源循環法があり、スポーツ界でもこの動きが加速しているとのことです。現状の課題としてコスト面の高さがあり、難しい点であるとのことです。

 

最初のプレスリリースについての筆者の所感です。DXの推進が加速する中で、コストの高いハードウェアを利用したこういったサービスはこのように代替されると感じたため取り上げました。ホテルサービスは特に端末の設置により、サービスの改善のスピードを上げることができるため、非常に効果的だと考えました。

 

次のニュースについての筆者の所感です。企業のSDGsの取り組みはこのように増えてきていますが、コストの高さが要因で導入を渋っている企業が多いと考えています。そのハードルを超える施策が広告だと思います。印刷に多少のコストがかかりますが、SDGsの推進に積極的な企業というアピールになるため、質という意味では普通の広告よりも効果があると考えています。

 

ライター:濱本 舜也

AND ON主催セミナー「大企業イノベーションの課題と解決策」に参加してみた

こんにちは、ONE Xのしゅんです。本日は6月9日に行ったAND ONでの講演内容について特に印象に残ったポイントをテキストアーカイブとしていこうと思います。


18:30-19:00 大企業イノベーションの課題と解決策

個人の原体験

濱本(隆)は3つの原体験があると言っていました。

 

1つ目は大学生の頃、トラックに轢かれた話です。その時、いつ死ぬかわからないなと思い、人生は一度きりなのだと悟ったそうです。

 

2つ目は入社した先のパナソニックが潰れかけた時の話です。iPhoneが発売されてから事業部が縮小し、相次ぐリストラなどでショックを受けていた最中、休日にONE Panasonicという有志のイベントに参加したことで、人との出会いで自分の想いに気付き始めたそうです。イノベーティブな事業を創りたいと考えるようになったそうです。

 

3つ目は、AIデバイスの営業をしていた頃の話です。AIのことを知っていくとAIに自分の営業の仕事をとられるんじゃないか、オペレーションの仕事をとられるかもしれないと思うようになったそうです。今後はイノベーティブな仕事に集中しオペレーティブな仕事は消滅するのではないかと考えるようになり、事業を創る人になるという決意が生れたそうです。

 

なぜCHANGE by ONE JAPANを作ったのか?

CHANGEを作った理由は、大企業から新規事業を産むためのスキルやノウハウがそれまで体系化されていなかったからだそうです。

濱本(隆)は、大企業新規事業の実践者コミュニティの「ONE JAPAN」に飛び込み、自分のキャリアをアップデートしようと考えました。そして、経済産業省が主催する「始動」というプログラムにも参加しました。こういった取り組みが社内に伝わり、新規事業部へ移動することになりました。

 

しかし、始動プログラムで学んだアントレプレナーの内容が大企業には通用しない事実に直面し、そこで初めて大企業から新規事業を産むためのスキルやノウハウが体系化されていないことに気づいたそうです。

 

そういった経緯から、「大企業から世の中を変革する」という想いのもと始まったのが大企業挑戦者支援プログラム「CHANGE by ONE JAPAN」だそうです。

 

CHANGEでは、スタートアップの側面を表すTシャツの部分と大企業の側面を表すスーツの部分の使い分けを体系的に学べるようになっています。そしてこれまでの2年間で200名以上のCHANGERを創出してきました。この仲間たちと共に8年後に毎年1万人のCHANGERを創出することを実現していきます。

 

また、パナソニック版CHANGEの「BOOST」も作ったそうです。現状の問題意識としてイントレプレナーが増えてこないという現実がありました。boostでは社員のwillを醸成し、市場・課題をシャープにするというアプローチをとっています。社内外経営者幹部も巻き込んでおり、国内従業員の3.5%を巻き込みました。その結果、入社時に比べて明らかに新規事業を増加させることができたそうです。

 

大企業イノベーションの3つの罠

濱本さん自身社内外含めて大企業を中心とした社内外新規事業に600件ほど関わってきたそうですが、その中で大企業が陥りやすい罠が3パターンあることに気づきました。

一つ目はPL思考の罠。二つ目は既存勢力の罠。三つ目は熱量の罠。順に詳しく見ていきましょう。

PL思考の罠

まず一つ目の「PL思考の罠」について見ていきます。日本企業の経営陣は黒字となることに注目し、利益で回収することを目標とするため長期投資だと考えてしまいがちです。それに対して、スタートアップ投資家は時価総額で考えるため、時価総額が上がりそうな銘柄は短期投資銘柄として見ることができ、投資が進みます。こういった投資意識の違いが大企業とスタートアップにはあり、大企業から新規事業が生まれにくい原因にもなっています。

 

この罠に対する心得は、「本気で大企業で新規事業をやるなら売却時の時価総額で評価してもらいながら必要なタイミングで突っ込んだ投資をしてもらうこと」です。また、一部を外部(資本関係外)に出すのも一つの手法です。資本関係があることで自らのルールに首を絞められる事態があるため、一部に出すことでそれを克服することができます。

既存勢力の罠

次に二つ目の「既存勢力の罠」について見ていきます。新規事業をやっていく中で既存事業等に不都合な事実が浮かび上がってくると総攻撃にあってしまうことがあります。

 

熱量の罠

最後に三つ目の「熱量の罠」について見ていきます。大企業には熱量がない人が潜んでいます。大企業の社内起業家はまあまあ熱量を持っていますが、中間層がストッパーとなり熱量が下がりやすい状態に陥っています。それに対して、スタートアップ企業は起業家はもちろん物凄い熱量を持っていますし、VCも熱い人ばかりですから熱量が上がりやすい状態になります。

三つの罠の処方箋

これらの大企業三つの罠には処方箋があります。それは既存のアセットを生かして、外部を活用することだそうです。詳しくはCHANGEプログラムで解説されるそうです。

 

これからは顧客共創の時代

濱本(隆)は近年のデジタルサービスの流れを見て、これからは顧客共創PFの時代に突入すると考えています。今まではリーンスタートアップ1.0としてデザイン思考型事業開発が主流だったのですが、これからはリーンスタートアップ2.0として顧客共創型事業開発へ移行していくとのことです。その事例として、slackやdiscord、redditなどのアプリが挙げられます。

 

濱本(隆)自身も伴走支援するプロジェクトで、顧客共創型コミュニティの実現をしています。塩尻CxO Labやシン・シゴト服ラボ、大田区SDGs副業、そしてCHANGE。こういった顧客共創型コミュニティの実現をしていく中で、良い顧客共創型コミュニティには共通項があることがわかったそうです。

 

それは次の関係人口醸成サイクルを回すことで良い顧客共創型コミュニティになるとのことです。

  1. 好きの醸成
  2. 関わりの濃密化
  3. 課題への対峙
  4. 解決策の実行

 

逆に失敗パターンもあるそうです。それは課題から入るパターンです。

そのコミュニティが好きだからこそ仲間同士で熱狂しあい、サービスの改善スピードが爆発的に上がるのです。一番大事なのは熱狂することです。

 

まとめ

今回の濱本さんのお話で、大企業イノベーションを起こすには次の3つを行動に落とし込むことが重要ということです。

  • 大企業の罠を避ける
  • 熱狂するコミュニティを活用する
  • 顧客共創でイノベーションを加速する

また、このイベント会場であるコワーキングスペースのANDONも顧客共創型コミュニティなので、どんどん活用しまくろうとのことでした。

 

筆者の所感

筆者として考えたことは三点あります。

 

まず一つ目はCHANGEについてです。新規事業のプログラムは多く存在しますが、CHANGEがそれらと異なる点は社内起業家という大企業のアセットを生かした起業方法のスキルやノウハウが得られるという点です。濱本(隆)がおっしゃっていたTシャツとスーツの使い分けをし、どちらの性質も上手く理解しながら新規事業をする方法が学べるという点で凄く魅力的だと思いました。

 

次に二つ目の大企業の罠についてです。大企業って新規事業やるには身動きが取りづらいからスタートアップに必要なスピードが出せずに、熱が冷め、新規事業が生まれないという悪循環があると思うのですが、それをどう回避すればいいのかを説明してくれたのは非常に大きいと思っております。

 

そして三つ目の顧客共創型コミュニティについてです。濱本(隆)自身の事業支援や伴走経験から体系化した顧客共創型コミュニティというのは非常に説得力のあるもので、確かに課題から考えてしまうと課題山積みの状態になってそのコミュニティが持っているバリューが見えづらくなる傾向があるように思います。この好きの醸成を先にアプローチしそこのコミュニティにハマることで、課題からアプローチするときには見えなかったものが見えるようになるということは確かにあると思います。その好きの醸成具合が循環サイクルのエネルギー源になるので、熱量が重要になってくるというのは非常に腑に落ちました。

 

19:00-19:30 パネルディスカッション「大企業オープンイノベーション座談会」

KEIKYU 坂巻康治さん

CHANGE by ONE JAPAN 濱本隆太

TOYOTA CONIQ Pro 岩岡宏樹さん

ReGACY Innovation Group 金子佳市さん(ファシリテーター)

 

8つのワードでトークをしていきます。

夢について

金子さん「WILL 皆さんの夢は?」

 

坂巻さん「濱本さんの講演が刺さりまくりました。よく課題から考えがちだけど好きなことから考えるといいってことに腹落ちをしました。うちの沿線が好きだし、元気のない姿を見ていたくないなと考えています。前職で地方でガイドブックを作る仕事をやっていた時もその街が好きになったら良い記事ができてっていう良い循環があったのを思い出しました。だから、自分が今仕事している京急線という沿線が好きになって、いい思いをさせてあげたくて、そういうのがきっと自分にも返ってくるんじゃないかと思っています。」

 

岩岡さん「元々広告会社ということがあるので、生活者発想とか心を動かすという想いから、ワクワクするようなビジネスをやっていきたいと考えています。」

 

スタートアップと大企業の関わり方

金子さん「CONIQさんってスタートアップの方と上手に共創しているなという印象があるのですが、スタートアップとの関わり方はどのようにしているのでしょうか。」

 

岩岡さん「事業を開発する上で、凄く尊敬する存在であると考えていて、ライバルというよりパートナーというスタンスで常に考えています。」

 

金子さん「大企業とスタートアップの違いって文化で言うと何だと思いますか。」

 

濱本(隆)「スタートアップは圧倒的なスピードですね。大企業は圧倒的なアセットがあってそこが強みですね。実際スタートアップはガバナンスをやられることが多いけど、その辺は大企業はしっかりしているのでそこは強みですね。」

 

金子さん「夢についても聞いていいですか。」

 

濱本(隆)「二つあって、一つは半径5メートルぐらいの人を幸せにしたいです。もう一つは世界一のイノベーションを起こしたいですね。」

 

金子さん「ありがとうございます。半径5m以内というのが凄く響きました。実は私元々パナソニックの地方の工場で働いているときに濱本さんに引っ張っていただいて新規事業の道に進みました。」

 

地域ごとのイノベーションに差はあるのか?

 

金子さん「私自身の原体験もそこですし地域によっても凄くイノベーションの差が大きいなって感じていて、本質的にイノベーションの違いがあるんじゃないかと考えているんですけど、花巻さんどうですか。」

 

花巻さん「同じ沿線でも全然違いますね。横浜でも三浦でも。その地域なりにスタートアップとの関わり方や考え方も違いますね。」

 

岩岡さん「街一番で、街単位で捉えている考え方があります。地域と大企業の想いが重なった時にイノベーションが進むんだろうなって気がします。」

 

大企業の課題

 

濱本(隆)「パナソニックという観点で言うと、コングロマリットディスカウントです。やってない領域とかがある方が逆にやりやすいというのがあるかもしれないです。アセットにもなる部分もあればデメリットにもなりますので。」

 

花巻さん「元々鉄道会社って文化としてクリエイティブではないので。とはいえ仲間なので社員同士の距離が近いからこそ、話せば理解してくれることが多い気がします。」

 

岩岡さん「マーケティングのセクションが24セクションあって、ビジネスをしているところも同じぐらいあリました。課題とかアイデアとかそれぞれが考えていることがあると思うんですけど、多分被ってることもあると思うんですね。だから、ニーズとシーズのマッチングが上手くいくとイノベーションが上手くいくと気がしますね。」

 

コミュニティへの期待

 

濱本(隆)「メッセージは変わらず熱狂から面白い事業が生まれると思っております。キャンプ好きなんですけど焚き火って木の距離間が大事で、コミュニティもそれと一緒だと思うんですよね。」

 

ANDONへの期待

 

岩岡さん「二つあって、一つはこの熱量を会社に戻していきたいです。もう一つは現状としてスタートアップと出会える場所って増えたと思うんですけど、そこと大企業とが繋がれる場所はここの特徴だと思います。」

 

花巻さん「熱を冷ましてはいけないと思っていて、そのブースターとしてありたいですね。ANDONはドアだと思っていて使いたいなと思うスタートアップさんがいたらぜひこのドアをノックしてもらいたいです。」

 

パネルディスカッション後の筆者の所感

 

パネルディスカッションを聞いて、スタートアップにはスタートアップの良い部分があって、大企業には大企業の良い部分があって、完全に別になるのではなく良い関係性を築くことで、新たな面白い事業が生まれるのではないかと考えました。またイノベーションの地域差があるとおっしゃっていましたが、案外既存の権力関係が何もない街の方がイノベーションが起きやすかったりするし、現在イノベーションが起きていない街でも熱量が集まることでイノベーションの街に生まれ変わることができる可能性を秘めているのではないかと考えました。

 

ライター:濱本舜也

PR TIMES & IDEAS FOR GOODの記事を読んで Vol.10

本日取り上げるプレスリリース及びニュースは以下の3つです。

 

・キャディ、新サービス“図面データ活用クラウド”『CADDi DRAWER』(キャディドロワー)提供開始

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000039886.html

 

・服で困ってる人と、近所の仕立て屋をマッチング。古着を楽しくするアプリ「Sojo」
https://ideasforgood.jp/2022/06/22/sojo-clothes-alterations/

 

こんにちは、ONE Xのしゅんです。今回もPR TIMESやIDEAS FOR GOODの注目記事を取り上げさせていただきます。まず初めのプレスリリースは、製造業における図面の活用を軸にDXを支援するクラウドシステム「CADDi DRAWER」の提供開始についてです。既存事業である受発注プラットフォーム「CADDi」で培った高度な図面解析技術を活かし、「類似図面検索」の機能を搭載することで図面データ活用による調達原価削減・図面検索工数削減を実現するサービスになっているとのことです。

 

次のニュースは、「服を直したい人」と「服のお直しができる地元の仕立て屋」をマッチングしてくれる「Sojo」というアプリについてです。2022年6月現在はロンドンだけで使えるようになっており、サービスの仕組みとしては、ユーザーが注文をすれば自転車に乗った配達員が服を取りに来て、数日後にお直しされた服を届けてくれる仕組みになっているとのことです。

 

最初のプレスリリースについての筆者の所感です。図面データのクラウド管理と共にそれの活用によりコスト削減や工数削減を提供できるという点で非常に興味深いと考えました。クラウド管理の一番の特徴である検索性というのが今回のサービス提供で非常に活きているのだと感じました。

 

次のニュースについての筆者の所感です。近年のサステナビリティへの注目は高まっており、こういったサービスは日本でも需要がありそうだなと考えました。服は愛着が湧くものだと思いますので、好きなものは着続けたいものです。流行語にもなった「断捨離」の「ときめくものは残す」ことが大事という考え方は、こういったサービスの後押しにもなりそうだなと考えました。

PR TIMES & IDEAS FOR GOODの記事を読んで Vol.9

本日取り上げるプレスリリース及びニュースは以下の3つです。

 

・アート業界のDXを目指す、ギャラリーのためのクラウドサービス「ArtXCloud」を提供開始

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000102510.html

 

・ペット総合アプリ『Pet』、ペットと遊べる施設を紹介する「遊びSpot」チャンネルを新設
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000083628.html

 

・サンリオピューロランド初!リアルとバーチャルの世界が融合した新感覚エンターテイメント「Nakayoku Connect」7月15日(金)より上演決定

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000320.000007643.html

 

こんにちは、ONE Xのしゅんです。今回もPR TIMESやIDEAS FOR GOODの注目記事を取り上げさせていただきます。まず初めのプレスリリースは、ギャラリーのためのクラウドサービス「ArtXCloud」の提供についてです。従来のギャラリーの課題として、ECとオフラインの在庫管理の連携やその他の管理システムの統合の遅れがありました。そのために、従来の個別の管理方法からクラウド管理への移行を提案するのがArtXということです。

 

次のプレスリリースは、ペット総合アプリ「Pet」の「遊びSpot」チャンネルの新設についてです。家やご近所だけでなくペットを連れてお出かけしたいという声から、ペット同伴可能なテーマパーク、レジャースポット、ホテルなど多種類の施設を紹介する「遊びSpot」チャンネルの新設が実現したとのことです。

 

最後のプレスリリースは、サンリオピューロランドのリアルとバーチャルの世界が融合した体験型ショー「Nakayoku Connect」の上演についてです。ピューロランド内だけでなくバーチャルでもショーを同時上演をするのはサンリオとしては初の試みです。

 

「Nakayoku Connect」の詳細はこちらです。(https://www.puroland.jp/nakayoku_connect/)

 

まず最初のプレスリリースについての筆者の所感です。ギャラリー運営はギャラリー毎に個別で独自の管理方法をとっていることが多いと考えていて、こういったクラウドシステムの提案はわざわざ管理システムの整備の開発にお金や時間をかけることに躊躇していた方にとっては朗報なのではないかと考えました。もちろん現代の様々なツールを使えば独自に用意することも可能ですが、そこに時間を割かずに一括管理できるという点も嬉しいポイントだと考えています。

 

次のプレスリリースについての筆者の所感です。ペット同伴でお出かけしたいという需要は近年増加傾向にあり、その需要に応えるようにそういった施設も増えています。また、そういった情報で検索条件を絞ることができる旅行サイトやホテル検索サービスも増えてきています。しかしながら、そういった媒体のターゲットは広く分散しているため、ペット同伴可希望のユーザーなら「ペット同伴可」という条件検索をさせるという負担をユーザー側にかけています。そのため、こういった「Pet」のようなメインターゲットを絞ったアプリでペット同伴可の施設が紹介されるチャンネルが新設される動きは、よりユーザー目線に立っていて優しいなと考えました。

 

最後のプレスリリースについての筆者の所感です。サンリオピューロランドのようなリアルのエンターテイメント施設がバーチャル世界に注目し同時上演を実施することに意外性を感じました。筆者はVRデバイスの普及やVtuber文化の浸透がVR文化の発展に貢献してきたと考えています。そしてここ数年でそういったVRを通したイベントやライブが多く開催されてきました。ただ、まだVtuber文化は世間一般に広く受け入れられた訳ではないと考えており、聞いたことはあるし見かけることはあるけど詳しくは知らない人も多いと考えています。イノベーター理論でいうところのキャズムは超えたかもしれないがレイトマジョリティつまり新しいものに対して消極的な層にはまだ浸透していない状態と考えています。しかしながら、リアルのエンターテインメント施設がこういったバーチャル世界を交えたショーをすることは、そのバーチャル世界の流れがエンターテイメント施設のマーケター担当がゴーサインを出すほどの段階まで来たとも解釈できますので、この市場はより一層拡大していくと考えています。

 

ライター:濱本舜也

CHANGE応募応援企画第3弾 新規事業を生み出す秘訣

3人とテキストの画像のようです

こんにちは、ONE Xのしゅんです。本日は6月15日に行ったCHANGE by ONE JAPANの講演内容について特に印象に残ったポイントをテキストアーカイブとしていこうと思います。森氏、土井(ONE X)、濱本(ONE X)の3人の原体験に迫るセッションでしたので、ぜひこの機会に読んでいただけると嬉しいです。

 

PART1

CHANGE概要説明

まず初めに、濱本からCHANGEの概要説明がありました。イノベーションで新しい事業を生み出す必要があります。CHANGEの参加のメリットは三つあります。コミュニティ、マインドセット・スキルセット、情報発信です。CHANGEは大企業を変えたいDOERが集まるコミュニティです。毎週日曜日にオンライン形式のセミナーワークショップを実施しています。メンターについては80名以上の経験豊富なメンターがいます。募集は6/24正午までなのでエントリーがまだの方はまずエントリーをしてからこの記事を読むことをおすすめします。

 

森氏 ご講演

#地味×起業 #自販機オタク

自己紹介

新卒入社でサントリーに入社して11年目。5つぐらいの新規事業を二人体制で行っています。部署としての新規事業部とかではなく、個人的に勝手に立ち上げた事業だそうです。アウトルック研究家として本の執筆なども行っています。森さんのミッションは、「自販機のV字回復に資する新ビジネスを創ること」です。

なぜ自販機なのか。

世界No.1が狙える数少ない産業が自販機だと森さんはおっしゃっていました。自販機のイメージは地味でしょぼくて古いという印象を受けますが、そういった印象なのに生き残っている珍しいシーラカンス的ビジネスです。自販機一個あたりの売上は一日二千円です。一日当たりの売り上げの高いスーパーなども含めた小売業の中で、一番売り上げが低いのに生き残ることができているビジネスが自販機です。そして自販機を最強のIot小売/サービス業として再定義することで、ビジネスチャンスを狙うとのことです。具体的には、自販機の余剰ボタンを活用することで飲料以外の物を販売したり、社長のおごり自販機という試みをしています。地味でも会社の持っている資産をうまく活用することで、テクノロジーに囚われすぎず面白い事業にチャレンジできるとのことです。

 

Q.着想はどうやっていますか。

 

森さん「会社の持っている資産を何かしらの軸で因数分解します。その軸を退化させることで進化させます。部分的退化進化戦略です。例えば、自販機は冷蔵機能を使わなかったらセルフレジになります。」

 

土井「事業開発の最初の一歩」

社内新規事業のススメ-大きな会社で新しい会社を生み出すには-

土井さんの紹介として、多くの事業開発に関わっており、事業開発のプレイヤーとしてそして事業開発の場づくりを主にやっています。キャリアは改善からはじまったそうです。トヨタの中古車物流改善をやっていました。また「改善の部署」から一度も異動せずに、組織を超えて動き回っていたとのことです。成長事業や成熟事業に対して経営管理するのが改善で、探索事業をやるのが新規事業ですが、土井さんは全部やりたいと考えました。新しいことをやる時は出島を作りたがる傾向にあると思います。事業の成熟度によってそこの組織が大事にしていることが違うため、新しいことをしたくてもレポートライン通りの決裁をする組織では厳しいので、有志で勝手にやるという方法をとったそうです。

 

そこで最初はラフに勝手に企画書を作って偉い人に当てまくったそうです。そこでの反応がよかったので、会社イントラに「トヨタを変えよう」というのを載せてしまったそうです。ですが、実際に開催すると100名以上の人が集まったそうです。また、元々トヨタも1から新規事業を作ってきた会社だから、創業者の言葉を借りて、「A-1 TOYOTA」を始めたとのことです。こうして始めたビジコンが大きくなり、その中で大事だと思ったのは継続したことだそうです。

 

こういった経験からの気づきは「有志ならできる」ということです。有志ならしがらみに囚われず自由にできます。そうして、有志でやったことを事業化するための新規事業の提案制度を作って、段階を進めていったそうです。

土井さんの場合はそういった仕組み作りをやりましたが、今はその仕組み作りはいりません。CHANGEがその仕組みになっているので、これに参加することで新規事業をやることができるからです。

 

未来は予測不可能ですが、行動することで未来を変えることができます。CHANGEにエントリーをしましょう。

 

Q.反対されたりとか馬鹿にされた時にどういう風に思ってたのか。

毎日面白くなくて何かを変えたいなって思ってたからちょっと朝活してみたんですけどそれが変わるきっかけでした。何かやってみたら変わると思います。

 

Q.どうやって出向を勝ち取ったか。

私は、初めてベンチャーに出向したパターンです。調整に一年半ほどかかりました。みんな決められないだけでダメとは言わないから、みんながいいって言ってるってことを証明して上司に言えば決めてもらえます。たらい回しにされてる状況は悪い状態ではないです。決められない状況なだけです。

 

濱本「熱狂するコミュニティと事業開発」

今回のメッセージは「熱狂するコミュニティを活用してイノベーションを起こそう」です。熱狂するコミュニティってなんだと思ったかもしれませんが、CHANGEのことです。

3つの原体験

濱本さんは3つの原体験があるとおっしゃっていました。

1つ目は大学生の頃、トラックに轢かれた話です。その時、いつ死ぬかわからないなと思い、人生は一度きりなのだと悟ったそうです。

2つ目は入社した先のパナソニックが潰れかけた時の話です。iPhoneが発売されてから事業部が縮小し、相次ぐリストラなどでショックを受けていた最中、休日にONE Panasonicという有志のイベントに参加したことで、人との出会いで自分の想いに気付き始めたそうです。イノベーティブな事業を創りたいと考えるようになったそうです。

3つ目は、AIデバイスの営業をしていた頃の話です。AIのことを知っていくとAIに自分の営業の仕事をとられるんじゃないか、オペレーションの仕事をとられるかもしれないと思うようになったそうです。今後はイノベーティブな仕事に集中しオペレーティブな仕事は消滅するのではないかと考えるようになり、事業を創る人になるという決意が生れたそうです。

 

なぜCHANGE by ONE JAPANを作ったのか?

CHANGEを作った理由は、大企業から新規事業を産むためのスキルやノウハウがそれまで体系化されていなかったからだそうです。

 

濱本さんは、大企業新規事業の実践者コミュニティの「ONE JAPAN」に飛び込み、自分のキャリアをアップデートしようと考えました。そして、経済産業省が主催する「始動」というプログラムにも参加しました。こういった取り組みが社内に伝わり、新規事業部へ移動することになりました。

 

しかし、始動プログラムで学んだアントレプレナーの内容が大企業には通用しない事実に直面し、そこで初めて大企業から新規事業を産むためのスキルやノウハウが体系化されていないことに気づいたそうです。

 

そういった経緯から、「大企業から世の中を変革する」という想いのもと始まったのが大企業挑戦者支援プログラム「CHANGE by ONE JAPAN」だそうです。

 

CHANGEでは、スタートアップの側面を表すTシャツの部分と大企業の側面を表すスーツの部分の使い分けを体系的に学べるようになっています。そしてこれまでの2年間で200名以上のCHANGERを創出してきました。この仲間たちと共に8年後に毎年1万人のCHANGERを創出することを実現していきます。

 

これからは熱狂コミュニティの時代

濱本さんは近年のデジタルサービスの流れを見て、これからは顧客共創PFの時代に突入すると考えています。今まではリーンスタートアップ1.0としてデザイン思考型事業開発が主流だったのですが、これからはリーンスタートアップ2.0として顧客共創型事業開発へ移行していくとのことです。その事例として、slackやdiscord、redditなどのアプリが挙げられます。

 

濱本さん自身も伴走支援するプロジェクトで、顧客共創型コミュニティの実現をしています。塩尻CxO Labやシン・シゴト服ラボ、大田区SDGs副業、そしてCHANGE。こういった顧客共創型コミュニティの実現をしていく中で、良い顧客共創型コミュニティには共通項があることがわかったそうです。

 

イシューから入ると盛り上がらないのです。だから、次の関係人口醸成サイクルを回すことで良い顧客共創型コミュニティになるとのことです。

 

  1. 好きの醸成
  2. 関わりの濃密化
  3. 課題への対峙
  4. 解決策の実行

そのコミュニティが好きだからこそ仲間同士で熱狂しあい、サービスの改善スピードが爆発的に上がるのです。一番大事なのは熱狂することです。だから、熱狂するコミュニティのCHANGEを活用しましょうとのことです。

 

Q.Appleみたいなイノベーションな会社を作りたいって新規事業の方にシフトしたのはいつ頃ですか。

 

濱本さん「7年目です。」

事務局の松下さん「意外と中堅になってから踏み出してるっていうのが、「もうそんなに若くない」って思う方もいるかもしれないけど、そこ違うんだなって濱本さんから学びました。」

 

パネルディスカッション

 

Q.これだけできるのになんで独立しないんですか。

森さん「私のポイントとして、low-risk、low return、High impactっていうのがあるのですが、三つ目のHigh impactの部分が違うんです。やっぱり自分の生きた証を残したいので、会社の中でチャレンジをするっていう方向にしました。」

土井さん「大企業の可能性を諦めていないから信じてるからです。自分一人で成功するよりも自分が動いて型にしてエネ増ししてトヨタ的に言うと標準化するとインパクトが全然違うので。」

 

濱本さん「ベンチャーとか大企業とか意識していなくて、目的は社会の負を解決することなので、それに合わせて立場とかを上手く使えばいいと思っています。」

 

Q.モチベーションの維持について

森さん「自分のことを褒めてくれる仲間とかと食事に行くことです。「俺はお前の可能性信じているから」って言ってくれる先輩がいて、どうしても凹む時があるので、その期待に答え続けることがモチベーションになっています。」

 

土井さん「無限には走れないと思っていて、辛くなった時はガソリン供給をしています。CHANGEとかはそういう場で、そういう同じ感覚でやっている人たちと一緒に飲むっていうのが僕にとってはモチベーションの維持になってます。」

 

濱本さん「週3回以上熱量の高い人と会うみたいなことはやっています。でも、根本として新規事業やってる人は熱量高い人多いから、新規事業やってる人と一緒に仕事をすると自然と熱量が上がりますよね。」

 

Q.時間がないんですけど、どうしてますか。

濱本さん「森さんの本を読むことです。業務の効率化は常にやりたいからやってますし、時間がないのは意識の問題なので、暇だと思ってると時間が生まれます。だから忙しいと思うことを辞めることですね。」

 

土井さん「本業で120%結果出さなかったらやらせないからって尊敬している人に言われて、それでめちゃくちゃ効率化しようって思って、マインドが変わったから、ここで気をつけてほしいのは本業120%っていうのを意識してほしいですね。」

 

森さん「仕事を選べるステージにどう近づけていくかですね。時間効率高く結果が出る仕事をすると変わるので。」

 

Q.社内での仲間作りがなかなか上手くいかないのですが、どうやった仲間ができますか。

森さん「楽しそうに仕事をしてると伝えたい人に届くので、自分でそれを表現することですね。」

 

土井さん「フットワーク軽く飲みに行ってたので、それが一つですね。」

 

濱本さん「楽しいところに人が寄ってくるので、悲壮感を避けるのは大事ですね。しんどそうにしている人と一緒に仕事したいって思わないですからね。」

 

Q.「好きの醸成ってキーワードになってると思ったんですけど、willに向き合えば向き合うほど好きと苦しさが混じり合うと思うんですけど、どうモチベーションを維持したりどう熱狂をコントロールしてきたのですか。」

 

濱本さん「好きの醸成と課題の間に関わりの濃密化があるんですね。コミュニティの作り方は焚き火と一緒で距離感が大事で、その濃密化が上手くいけば超えられるので、それをいかに作るかだと思います。」

 

Q.どうやって新規事業のファーストステップを歩んだんですか。

 

森さん「ある日、自販機分解したりしてたので、その答えが一番難しいですね。その組織の中で異質であることを受け入れられるキャラ変をいかにするかっていう問題でもあると思います。やっぱり異質であり続けるっていうのを随所随所で突っ込むっていう。」

土井さん「willとかなかったけど、後から作れるので。僕なんて最初はフットワーク軽く飲んでただけなので。今何か行動したら未来が変わってくるので。」

濱本さん「やる。やり続けるだけですね。それを辞める理由を作らない。それだけの違いですね。」

 

最後に三人からのメッセージ

 

森さん「人間、勝ち組に入りたい人と勝ち組を作りたい人の二パターンいると思います。ほとんどは入りたい方だと思います。新規事業をやる人は勝ち組にすることだと思います。自分の周りの人たちとか応援してくれてる人とかごとですね。こっちは茨の道なんですけど、勝ち組に変わった瞬間、一生の成功体験になるし財産になるし快感になるし忘れられない経験になると思います。だから、勝ち組に入りたい欲望を捨てて、全ての関係者を勝ち組に変えていくそんな情熱で一歩踏み出してもらえるといいかなと思います。」

 

土井さん「やりたいことなんて変わっていいんです。だから今何考えててもいいんです。新規事業って誰かの困りごと解決なので、きっとその一歩が誰かの課題解決になるんです。やらないとその人の課題も解決しません。だから、CHANGEで一歩踏み出していただければと思っています。」

 

濱本さん「人生一度しかないので、明日何か起こるかもしれないので、後悔がないようにしたいじゃないですか。だから、面白いことをやりましょう。新規事業は大変なことが多いですけど、絶対面白いので。」

 

第二期ファイナリスト ドコモCS関西 坂東さんピッチ

坂東さんの紹介

漫画家は専業にするのが難しいのが現状なので、坂東さんの事業は漫画を専業にすることで活躍の場を増やすことを目指しています。中間コストを省くことでこの課題を解決しようとしています。このようにCHANGEに参加することで事業を作り、人生が変わりました。そして、共感してくれる仲間に出会えたことが CHANGEに参加したことが一番よかったことだそうです。

PART2

第二期ファイナリスト 富士通中西さん体験談

中西さんからのメッセージは「人はいつからでもどんなところからでも飛べる」です。CHANGEに参加したのは35歳でした。参加したことでスキルセットマインドセットを体得し、後押しをしてもらえたそうです。最初はないない尽くしだったそうですが、参加することで変わったそうです。

 

イベントを終えて筆者の所感

行動していくことで現状を変えていった方々のお話を聞いて、何か変えるためには行動を変えるしかないのだなと考えました。またコミュニティが秘める内なるパワーを感じました。そして登壇者の方に共通して言えることが、自分の立場を上手く利用しながらどうやったら一番動きやすいかなどを常に考えて動いているように見えました。大企業にいるから新規事業ができないと思わずに、CHANGEに参加して自分が変わることで、自分の周りから面白くしていくことができるんじゃないかと考えました。

 

ライター:濱本舜也

 

CHANGE応募応援企画第2弾 30代社長を創出するには

出展元:ONE JAPAN facebookページより

こんにちは、ONE Xのしゅんです。本日は6月8日に行ったCHANGE by ONE JAPANの講演内容について特に印象に残ったポイントをテキストアーカイブとしていこうと思います。阿久津氏、中村氏、松坂氏の3人の原体験に迫るセッションでしたので、ぜひこの機会に読んでいただけると嬉しいです。

 

CHANGE概要説明

この2年間でCHANGERを200名生み出したCHANGE。次の8年後に実現したいのはCHANGERを毎年1万人創ることだそうです。そんなCHANGERの原点はONE JAPANで、大企業から世の中を変革するといった思いからはじまったとのこと。今回はそんな仲間を増やすべく新規事業の経験者の方をお呼びしてCHANGEの参加の後押しをしてもらいます。

 

阿久津氏「新規事業立ち上げの秘訣」

TTG-SENSEの紹介

鉄道会社に勤務していた阿久津さんは現在TTG-SENSEという無人決済システムの事業を行っており、トラッキングやポスシステムなど店舗のソリューションを全部一気通貫で作っており、コンビニ無人化の未来の実現に向けて事業を行っております。

 

これからやりたいこと

そんな阿久津さんがこれからやっていきたいのは主に二つ。人手不足ソリューション

と大企業発新規事業創造とのこと。

 

Q.モチベーションの維持どうしてたか。

阿久津さん「その時やってたことを一生懸命やってたらここにたどり着いた」

 

無人コンビニのリスク

阿久津さん「世の中にないものをやっているとマーケットとして認められるかどうかわからないからそれがリスク。その解決方法が、作ってしまうということ。作りながら感度を見て作り込んでいくのが手法。一番最初に小さいものを作るのが解決方法。」

 

失敗を恐れずやってみる

Q.デカく見えすぎて無理に感じる

阿久津さん「失敗を恐れずやってみることが重要。小さな成功とか自分で考えてやったことが手応え感じるとやりたくなるから気にする必要はない。」

 

専門職は新規事業をできないのか

Q.専門職だから新規事業できないかもと考えてしまう

阿久津さん「飛地のことを目指さずに、今やってる専門領域のことでいいと思う。そこで感じている課題を考えてみるといい。」

これは多くの社内起業家にも共通して言えることで、目の前の仕事に新たなビジネスチャンスが隠れているということですね。

 

阿久津さんのお話を聞いての筆者の所感

阿久津さんの話は「新規事業やりたい」とか「社長になりたい」とかではなく目の前のことをやっていたらここにたどり着いたということで、シンプルにかっこいいなと思いました。それだけ目の前のことに向き合ってきた結果なんだと感じました。



中村氏「情熱と執念」

マンション生活における悩み

中村さんの事業は、自身のマンション生活における悩みをもとに、デジタル(入居者専用アプリ)とリアル(イベント開催等)を組み合わせ程よく心地いいコミュニティを醸成することで、アプローチしているのだそう。

 

情熱

中村さんの原点はおもろそうやんに心を委ね、おかしいやんを放置しないこと。

そんな中村さんですが、これまで何事も一度でうまくいったものは何ひとつない。毎回不合格や落選を重ねてきた。でも、一度でうまくいったものがないからこそ、今の自分があるとのこと。そういった道のりを歩んできた中村さんが心掛けていることは、三つあります。人に委ねないこと。折れても、辞めないこと。自分の信念を貫くこと。そうすれば、意志あるところに道は開ける。

 

優れていない自分

中村さんは「自分は優れていない」と繰り返しおっしゃっていました。

 

中村さん

「優れてないけど時間をかけたらできる。人が1時間やってできることを3時間かかるなら4時間かければいい。みんなが一年でできることを三年かかるなら三年やれる。」

 

「いつか歩いてたらやりたいって思う時が誰にでも来る。凡人の自分でもできるからあなたもできる。」

 

ここまで時間がかかってでも一個一個やり続けた中村さん。立ち止まらない重要性を教えてくれました。

 

情熱の薪

質問で情熱の火を消さない秘訣は、というものがありました。

 

中村さんからの回答は「おかしいやん。おもろいやん。これが全ての原点。」とのことでした。ですが、続けて中村さんはこう語る。

 

中村さん「それでも消えそうになることがある。自分でくべることができないから。

そういう時はこういう場に来る。エネルギーを持ってる人から火をくべてもらう。」

 

中村さんのお話を聞いての筆者の所感

筆者は中村さんの話を聞いて胸が締め付けられ、心が動かされました。できない自分を認めて、優れていない自分を認めて、それでも一歩ずつ歩みを進める。ダメな時は自分で薪をくべることができないからエネルギーを持ってる人のところに行って火を分けてもらう。とても熱いお話でした。

 

松坂氏「会社に貢献しながらも、やりたいことを実現するために」

マレーシアにはなかった。

マッキャンエリクソンの松坂さんは出向起業という形だったそうです。松坂さんがマレーシアに住んで気づいたこと、それは発達検診が一般的に普及していないということです。マレーシアにはなかったという。一応できるけど、今までは1回3万円の費用がかかり、しかも国内に発達検診ができる専門家が国内に5〜6人しかいなかったという状況だったのです。これを松坂さんが開発したサービスにより発達検診を3900円で提供し、デジタルで受けられるようにしたとのことです。サービスの開発では国や大学などにも協力してもらい、また国の制度という面で政府とも連携をしてもらっているそうです。

 

やるからにはフルコミット

松坂さん「新規事業は言い訳なし一本勝負。事業セントラルで、今の会社がダメなら、

奨励される会社へ転職or起業or出向起業も視野に入れてコミットする。」

 

チームづくりのコツ

参加者の方から「チーム作りのコツは」という質問がありました。

松坂さんの回答は「まず第一に1on1をやる。そして次にカルチャーをリスペクトしまくる。こちらは日本人だから居させてもらってるっていう意識を常に持つこと。」でした。

 

松坂さんのお話を聴いての筆者の所感

松坂さんのお話を聞いて思ったのですが、二つの点で非常に凄いなと考えました。一つ目は、フルコミットをしていることです。自分が叶えたいことに対して異国の地でこれほど積極的に取り組んでいる点で感銘を受けました。二つ目は自分の使える武器は何があるのかをちゃんと認識し使える武器を全部活用していることです。

 

パネルディスカッション「社内起業家というキャリア」

Q.なぜ社内起業を選んだのか

松坂さん「ワンジャパンで刺激を受け、メンバーをサポートする立場として入り、これだったら自分でやりたいと思うテーマを探し、ど真ん中のテーマが見つかって、僕の場合は起業するっていう選択肢が一番良かったから起業しました。」

 

中村さん「事業拡大とかを考えて会社のアセットを使っていったほうがいいと考えたから。旭化成が好きだし、これを機に旭化成をもっといい会社にできると考えたからです。」

 

阿久津さん「社内起業家になるつもりは全然なかったし、社長になるつもりもなかったけど、やろうとしてることをやってたらこうなってました。」

 

Q.大企業との付き合い方

阿久津さん「やりたいことを言って止められてるわけでもないです。邪魔されてもいないし協力してもらってるから感謝してます。」

 

中村さん「過程も通じてワクワクとかが社長に伝わってると思います。よくなるって思ってることにクソ真面目に向き合ってます。あと一個言えるのは、本業で成果を上げているというのは重要です。」

 

松坂さん「広告は頭打ちで、他のことが必要っていうのが総意でした。起業するとは言っていなくて、新しいクライアントを獲得したって言って、それは僕ですって言って持っていきました。出向起業とかそれぞれの会社のシステムを利用するのは重要かなと思います。」

 

Q.説得の仕方

松坂さん「NOと言えない方法とかを考えました。30代だからこそ役員が手の届かないことを一緒にこの新規事業で解決しますとか、意思決定者の課題も新規事業の課題もそれの解決にもなってます、みたいな。」

 

中村さん「三つあって、一つ目は会社の目指す方向とかビジョンとか、実技的にやりたい方向が合ってるかどうかを考えることです。二つ目は経営層とかステークホルダーとかが好きなプレゼンとか好きな資料とか書き方とか書式とか全部調べて全部コピーして、その人たちに合うように作ることです。三つ目は一人ずつ事前に行脚をすることです。目的のためには手段を選ばない。これが大事です。」

 

阿久津さん「やりたいって思ってることのスペシャリストになることです。色んな知識とか持ってる人もいるので切り返す力が必要になります。あとは、資料。正確に伝わらないと意味がないので、伝え方とか徹底して頑張りました。」

 

CHANGEを考えている人へメッセージ

阿久津さん「本当にやりたいことは自分の実務とか足元に転がってることが多いから、変に飛び地とか空とかを見るのではなく、自分の足元とかを考えてみるのが一番の近道だし、いい起業になるんじゃないかなと思います。」

 

中村さん「今回が初めての人もいるかもしれないし、四回目ぐらいの人もいるかもしれないです。でも、必ず言いたいのは一回でうまくいくことは多分あんまりないと思うんだけど、その一回目があるからこそ四回目が生まれるんです。だから、この一歩か四歩かわからないけど、一歩を踏み出してほしいなと思います。」

 

松坂さん「迷ってるんなら応募する。応募するんなら絶対やりきったほうがいい。そしてフルコミットする。フルコミットした分だけ近づきますので。」

 

CHANGE第2期ファイナリストによる体験談

坂本さんの事業の紹介

象印の坂本滉太さんはスポーツにおける水分補給の重要性に着目し、適切な水分補給ができていないという課題をテクノロジーで解決し、アスリートのパフォーマンスを100%引き出そうと事業に取り組んでいるとのことです。

 

このイベントを終えての筆者の所感

筆者としては特に中村さんのお話が心に響きました。新規事業とかに関わらず愚直に一個一個やっていくことの重要性を学びました。時間がかかってでもやる。人が一時間でできることが三時間かかるなら四時間かける。立ち止まらずにやる。周りの人をリスペクトし、ちゃんと頼る。目的のためには手段を選ばない。そういった一個一個の小さな積み重ねが大事なんだなと考えました。

 

ライター:濱本舜也

CHANGE応募応援企画第1弾 譲れない想いをカタチにするにはに参加してみた

 

出展元:ONE JAPAN facebookページより

 

こんにちは、ONE Xのしゅんです。本日は5月31日に行ったCHANGE by ONE JAPANの講演内容について特に印象に残ったポイントをテキストアーカイブとしていこうと思います。伊藤羊一氏、麻生要一氏のお2人の原体験に迫るセッションでしたので、ぜひこの機会に読んでいただけると嬉しいです。

 

「譲れない想いの引き出し方」伊藤羊一氏

「changeしてchallengeしよう!」

伊藤さんからの一番のメッセージは「changeしてchallengeしよう!」。踏み出すと失敗することもあるけれど、やっていると友達が増え、仲間が増え、ネットワークが広がるのだそうです。

 

時代の変化とデジタル時代の変化のスピード

世界は急速にどんどん変わっており、デジタル時代がさらにそれを加速させています。コロナ禍でリモートの授業のやり方を教えてほしいっていう教育現場から伊藤さんが声をいただいた時に「そのリモートのやり方のセミナーをやろう」と発案してから企画して5日で1000人のイベント参加を集めることができたそうです。デジタル時代はインターネットが全てを繋いでいるから、そのスピードを加速させています。

 

だから、これからは自分たちで問いを立てて、話して、決めて、ビジネスを作っていく世界になっていくとおっしゃっていました。



「社内起業家にWILLは必要なのか」麻生要一氏

新規事業は誰でもできる。

麻生が仰るには、新規事業というのは特別な才能が必要な訳ではないのだそう。誰にでもできる。そして全てのサラリーマンは社内起業家として覚醒できるとのことです。例えば、営業。名刺交換・アポ取り・商談・プレゼンテーション・条件交渉・クロージング。こういった一つひとつの階段が営業に限らず大企業のあらゆる既存職種にあります。同じように新規事業も正しくやればできるようになるのだそうです。

 

そして新規事業にもっとも大切なもの。それは確認事例調査会議資料&社内上司先輩競合。この組み合わせの作業は新規事業をやっていく上で「全部いらない」とのことでした。必要なものは「仮説を顧客のところに持っていく。顧客の言ったことに基づいて仮説を修正する。この回転。この回転だけに集中することが新規事業をやる上で重要。」とのことです。

WILLははぐくむもの。

また、新規事業で気をつけなればいけないのは、「後の段階ですべきことを前の段階でやってはならない。」とのことです。そこでWILLが必要なのです。なぜなら世界を変えた人はみんな持ってるからです。WILL、言い換えるとビジョンやありたい姿。でも、それを見つけるのが難しいのです。しかしながら、麻生さん曰く、心配する必要はないとのことでした。それは、新規事業として成功するWILLは「発見するもの」ではなく、「はぐくむもの」だから。初めは小さな関心・興味・共感でいいのだそう。それを持って現場と本場にいく。そしてその現場で抱いた気持ちを誰かに話す。このサイクルを回すことによって、小さな興味が大きなWILLに育まれていくそうです。

「まずは言う。」

また、麻生さんが繰り返しおっしゃっていた「まずは言う。」「まずは誰かに話す。」このことが新規事業をやっていく上でWILLをはぐくむ上で重要みたいですね。そうやって言うことで、熱い想いを持った人同士がくっつき合うのです。また、言わないで頭の中で蠢いているだけの状態は考えているのではなく悩んでいるのです。自分がその話にその時興味を持っていなくても、色んな人とそのことについて話すのが大事。麻生さん曰く、「15人ぐらいと話したら誰かしらそういう話を持ってくる人に出会えるから」とのことです。

 

質問タイムで「仮説を持って顧客のところにいく、そして仮説を修正する」この回転の話が出た際に、最初は色んな顧客のところに行って顧客層がある程度定まってきたらそこでどんどん回すのが重要とおっしゃっていました。そして最初はアクションとか考えなくていいとのことです。「まずは、口に出して人に話すだけ。」でいいとのことでした。

 

新規事業の相談が来た際に、伊藤さんと麻生さんが気をつけていること。

伊藤氏「相槌だけ打ってとにかくその人にたくさん喋ってもらう。答えを言わない。」

麻生氏「悩み相談で来るけど、ほとんど悩み相談じゃない。やったら?しかない。」



パネルディスカッション「企業内で想いを実現するために必要なこと」

前半では麻生さん、伊藤さん、田中さんのWILLを、後半では参加者のみなさんの背中を押す話し合いが行われました。

麻生さんがアルファドライブを作った理由。

まず麻生さんがアルファドライブを作った理由です。リクルートに勤めていて社内起業プログラムの担当だった時、リクルートが上場し大企業病になっていった時期だったのだが、その中でその人たちに火をつけて新規事業をやらなければいけなかったのだそう。その時に「目が変わって変わっていく社内起業家をいっぱい見た。」とのこと。社会課題に当事者たちの現場に立ち会って、覚醒していく社内起業家を浴びるように見たのが、麻生さんがアルファドライブを作った原点になったそうです。

創業時と今のWILL。

今はもうWILLとかではなく、もうやって実現していってることだから次は0から1にしたものをグロースさせるためにはどうやったらいいかなというところに関心がいっているとのことです。

伊藤さんが武蔵野大学でアントレプレナーシップ学部を立ち上げた理由。

次に伊藤さんがなぜ武蔵野大学でアントレプレナーシップ学部を立ち上げたのかについてです。日本を元気にというのが一番の理由なのだそう。伊藤さん自身20代の頃メンタルがやられていてダメダメだったそうですが、その後転職先のヤフーで「フリーでフラットでファンな世界」というのを掲げていていいなと気付いたそうです。

最後にこのプログラムの二期参加者の田中さん。一年前と比べての感想です。

田中さん、

「自分たちで変えられるということに気付かされた。」

「権限を持っていない身で世界を変えられるということに気付かされた。」

 

自分の価値観と他人の価値観

伊藤さんが「他人から与えられたテーマでサラリーマン仕事で成功するのか。」と言う問いに麻生さんが「全員が新規事業やらなくていい。会社に熱量かけられるならそっちやって全然いい」とおっしゃっていました。

 

要するに、熱量をかけられるのであれば、どちらでもいいけど、今やってる他人の価値観から生まれたサラリーマン仕事に熱量をかけられないなら、自分のやりたいこととか新規事業をやったらいいのではないかという提案でした。

参加者に向けて、CHANGEエントリーへの後押し

麻生さん「白紙でいいから出してほしい(笑)」

伊藤さん「できなかったら途中でやめたらいい。会費もない。ここまで言って「そう問われているあなたはどうしたいのか。」ということを問いかけている。」

麻生さん「出さなくていいから動画撮るだけやってみてほしい。」

CHANGE事務局濱本「いや出してほしい(笑)」

 

最後に一言。

田中さん「迷っている人、知りたい人は相談会あるので、後押しするから参加してほしい。」

麻生さん「やる気ある人に向けて。必勝法を教えます。エントリーシートに書く内容を顧客のところ20人ぐらい行ってヒアリングしてきてほしい。通る。3人ぐらいでも通る。内容は雑でも通る。ヒアリングしたかどうかだけが大事。それをやれば誰でも通る。」

伊藤さん「麻生さんのおっしゃってた、まずは20人30人に聞いてみて、どんどん一個一個回していくと。それを回す力がWILL。」

 

CHANGE事務局濱本さん「自分のキャリアを振り返っても麻生さんと伊藤さんのお二人には感謝しかない。こういうイベントを通じて自分のようにみなさんも一歩踏み出してほしい。」

 

PART1を終えて、筆者の感想

このCHANGE応募応援企画の話を聞いて筆者が学んだのは、新規事業はちゃんと正しくやれば誰にでもできて、仮説と顧客の回転を回してそれに集中するだけでいいということです。その段階でWILLをはぐくむと。

 

また、人は変わりたい気持ちと今のまま現状維持をしたいという気持ちが両立してしまうことも理解しました。やりたいとは言うけど、やらない人が多いのはそういうことなのだと考えました。つまり、行動を選択をする際に、同じ指標で比較して判断したいのにベクトルの種類が全く異なるとそういった気持ちの両立が起きるのだなと考えました。







PART2

前回の参加者で受賞者の田中さんから

「迷っているなら絶対にやれ」

興味がある人に向けて、「迷っているなら絶対にやれ」とのことです。現在もマルホ株式会社に勤務する田中さん。なぜ参加してよかったかというと、「自分自身の力で全くのゼロから課題を解決できるようになるから。」だそう。

 

一歩踏み出すための環境

CHANGEの参加者は100名おり、100名が仲間。そして毎週日曜に3時から6時までウェビナーをやっていてマインドセットやスキルを習得できる環境が整っているとのことです。また、プロメンター陣も100名ほどいて、主要メディアからの掲載によるプログラムの後押しもあるとのことです。そして実装に向けて手厚いサポートもあるとのことです。

PART2を終えて、筆者の感想

CHANGEには変える環境が整っていて、あと応募するかどうかは自分が変わりたいかどうかだけだと考えました。固く考えず、ぜひ気軽に応募してみても良い、応募することで次の一歩を踏み出せる可能性は十分にあるなと思いました。

 

ライター:濱本舜也

サウスウエスト航空の決算読んでみた

f:id:ONEX:20220131080833p:plain

こんにちは。ONE Xのりゅうです。今日はサウスウエスト航空の事業概要と直近の決算内容をみていきたいと思います。

 

Q .サウスウエスト航空の創業者とCEOは?

 

テキサス州の銀行家ジョン・パーカー、小規模航空会社経営のロリン・キング、弁護士のハーバート・ケレハーの3名によって設立された会社です。Wikipediaによると、、、

 

サウスウエスト航空の設立のきっかけとなったのは、テキサス州の銀行家であるジョン・パーカーが、ダラス、ヒューストン、サンアントニオの3都市を仕事で回る際に、この3都市間の移動が不便かつ費用が高いと感じていたことから、サンアントニオで小規模な航空会社を経営するロリン・キングに、テキサス州内を移動するための航空会社の設立を持ちかけたのが発端である。それを受けて、キングはカリフォルニア州にあるパシフィック・サウスウエスト航空(PSA)やエア・カリフォルニアを調査した[10]。各都市の経済が活況であることや、都市間が適度な距離であること、またこの2社の業績が優れていることを確認した。この調査結果から、テキサス州の3都市に大型旅客機を運航する航空会社の設立構想を立案した上で、1966年にキングの経営する会社の法律顧問を務めていた弁護士であるハーバート・ケレハーにこの構想を持ちかけた。

当初、ケレハーは突飛な計画と感じたが、サンアントニオのバーで説明を受けるうちに興味をそそられ、「運賃が安く、定時運航率が優れていて便数の多い航空会社なら成功する」と予測。キングと一緒にビジネスプランや運航パターンについて検討を行い、店舗に備え付けの紙ナプキンに書きなぐった。このときの紙ナプキンは、ダラスの本社に額に入れて飾られている。

1967年3月15日、ケレハーはエア・サウスウエスト(1971年3月29日にサウスウエスト航空に社名変更。以下「サウスウエスト航空」で統一する)の設立を申請した。当初の資本金はキングとケレハーが出資し、政治的な支援を集める活動に着手するとともに、事業に必要となる資本金の募集を開始した。ケレハーは、法律上の闘争を招くことを予想し、募集する資本金の総額を当初予想の25万ドルから倍以上の50万ドルとし、テキサス州で影響力を有する政界や財界の人物から出資者を募ることとした。

 

創業ストーリーから面白いですね。競合との戦いをなんとか勝ち抜き、最優良航空会社として現在にも名を馳せる企業に成長した様です。

 

Q .サウスウエスト航空の事業概要は??

 

これもWikipediaに記載されていた内容ですが、品質の高い航空会社を実現するために下記3つの方針を掲げて運営している様です。

 

  • 定時出発率を高いレベルで維持すること
  • 利用者にとっては迷惑なトラブルを可能な限り減らすこと
  • カジュアルでフレンドリーな会社のイメージを最大限に利用者にアピールすること

 

対外的にも「愛(LOVE)」を前面に打ち出しています。自社のことをLove Airlinesと呼んでおり、ティッカーシンボルも「LUV」ですね。社風がティッカーシンボルからあらわれていますね。

 

一応、Futubullの日本語訳も載せておきます。

サウスウエスト航空は、米国およびほぼ国際市場で定期航空輸送サービスを提供する旅客航空会社として運営されています。 2020年12月31日の時点で、同社は合計718機のボーイング737型機を運航していました。また、40の州、コロンビア特別区、プエルトリコ連邦、およびメキシコ、ジャマイカ、バハマ、アルバ、ドミニカ共和国、コスタリカ、ベリーズ、キューバを含む10の近国際国で107の目的地にサービスを提供しました。ケイマン諸島、タークス・カイコス諸島。そのサービスは、ハワイのヒロの目的地もカバーしています。メキシコ、コスメル;コロラド州スティームボートスプリングス;マイアミ、フロリダ;カリフォルニア州パームスプリングス;コロラド州モントローズ(テルライドとクレステッドビュート)。さらに、同社はWi-Fi対応の航空機で機内エンターテインメントと接続サービスを提供しています。プログラムメンバーが南西部の基本運賃に費やしたドルでポイントを獲得できるようにするRapidRewardsロイヤルティプログラム。さらに、同社は、Southwest.com、モバイルWebサイト、アプリなど、顧客の旅行ニーズをサポートする一連のデジタルプラットフォームを提供しています。そしてSWABIZ、オンライン予約ツール。さらに、サウスウエスト航空のアーリーバードチェックイン、アップグレードされた搭乗、ペットや同伴者のいない未成年者の輸送などの補助サービスを提供しています。同社は1967年に設立され、本社はテキサス州ダラスにあります。

f:id:ONEX:20220131074312p:plain

Futubullより引用

 

f:id:ONEX:20220131074354p:plain

Futubullより引用

個人向けが約8割、ほぼ全てが国内線という感じです。

 

Q .サウスウエスト航空の競合優位性は?

 

サウスウエスト航空は国内に限定しており、徹底的なまでにオペレーショナルエクセレンスを極めた企業として有名です。空席率を減らし、着陸から離陸までの時間を超効率的にして可能な限り短くすることで、安くてカジュアルな航空会社という地位を築いています。また、キャビンアテンダントのホスピタリティも高く、サステナビリティやダイバーシティ&インクルージョンに向けた取り組みも進んでいる航空会社です。直近の決算でもESGの取り組みとして下記を発表していました。

 

・2050年までにカーボンニュートラルにするという長期目標を発表

・2030年までにサウスウェストの炭素排出原単位を少なくとも20%削減し、10年の終わりまで毎年カーボンニュートラルな成長を維持するための行動計画を確立。

・持続可能な航空燃料生産者との複数のオフテイク協定と覚書を発表

・Chooose ™および顧客と提携して、最初の我らロイヤルティポイントを備えたベースの航空会社のカーボンオフセットオファーであり、サウスウエスト航空のカーボン排出量の相殺に向けて寄付された1ドルごとに、サウスウエスト航空は同額を寄付。

・イェール大学の天然炭素回収センターに、技術の進歩を研究し、正味の温室効果ガス排出量を削減するための新しい解決策を見つけるために1,000万ドルを投資。

・航空における炭素排出量の削減という課題に取り組むことを目的として設立された新しい非営利団体であるAviationClimateTaskforceに参加

・サウスウェストの長年にわたる人権原則の支持を形式化する人権方針を発表

・サウスウエストのリーダーシップにおける人種および性別の多様性を高めるためのサウスウエストの継続的な取り組みの次のステップの概要

・アフガニスタン難民移動のための人道的努力を支援で93機にて11,000人以上を輸送

・サウスウエスト航空®奨学金プログラムを通じて学生に$ 110,000提供し、サウスウエスト航空は大学に通う学生により公平な教育機会を提供すると同時に、多様な学問的道筋を促進し、最終的には将来の世代に航空業界でのキャリアを追求するよう促すことに引き続き注力

・Global Reporting Initiatives(GRI)標準化に加えて、Sustainability Accounting Standards Board(SASB)およびUnited Nations Sustainable Development Goals(UNSDG)レポートフレームワークと連携することにより、 Southwest Airlines OneReportの市民権レポートを拡張。

Q .サウスウエスト航空の直近の決算は?

 

f:id:ONEX:20220131075755p:plain

f:id:ONEX:20220131075758p:plain

f:id:ONEX:20220131075800p:plain

f:id:ONEX:20220131075802p:plain

Futubullより引用

売上、EPS共にアナリスト予想にBeat、ガイダンスはオミクロンや物価インフレの影響で下げる見込み、フリーキャッシュフローはプラス、売上も2019年には及ばないものの2020年から74%の上昇をみせており、国際線を持つ航空会社に比べても回復していることがわかります。

f:id:ONEX:20220131080030p:plain

サウスウエスト航空のIRより引用

2022年1Qのガイダンスを見る限り燃料費が上がっていることがよくわかります。売上が戻っていない&燃料インフレの被害を被っているはずなのに2022年の利益は改善の兆しが見えているので、恐らくコロナを経て筋肉質な企業体質に変わってきているのだと思います。この辺は燃料高騰が一服すると、利益率の大幅な改善が見込めるかもしれませんね。その見込みがあるのかはわかりませんが。決算後も下落は止まっていないので、今後の値動きには注目ですね。燃料代高騰と賃金インフレをダブルで食らっているはずの企業なので、トレンド的には少ししんどい状態が続くかもしれません。

マイクロソフトの決算は?

f:id:ONEX:20220131021952p:plain

こんにちは、ONE Xのりゅうです。今日は先日決算のあったマイクロソフト($MSFT)の銘柄分析をしていきたいと思います。さてさて。

 

Q .マイクロソフトの創業者と現CEOって誰?

 

最近だとマイクロソフトの創業者を知らないって人もいらっしゃる様なので、創業者から解説していきたいと思います。創業者はビルゲイツですね。Wikipediaによると、

 

ウィリアム・ヘンリー・"ビル"・ゲイツ3世(William Henry "Bill" Gates III、 1955年10月28日 - )は、アメリカ合衆国の実業家、慈善活動家、技術者、プログラマー、作家。マイクロソフトの共同創業者兼元会長兼顧問、ビル&メリンダ・ゲイツ財団共同創業者兼共同会長。カスケード・インベストメント共同創業者兼会長、コービス共同創業者兼会長、bgC3共同創業者兼会長、マイクロソフトリサーチ共同創業者兼会長、テラパワー共同会長、リサーチゲート共同創業者兼名誉理事長。称号はイギリス女王より名誉騎士(名誉大英勲章ナイト・コマンダー)、旭日大綬章、立教大学及び早稲田大学より名誉博士を贈られている。シルバー・バッファロー章、アメリカ国家技術賞、メアリー・ウッダード・ラスカー公益事業賞、ジェファーソン公共サービス賞、テック・アワード、大統領自由勲章も贈られている。

 

とんでもない経歴ですね。世界で最も普及したコンピュータOS(MS-DOS、後のWindows)を開発した人として有名ですね。当時、MS-DOSはMacintosh OS(アップルのOS)にはGUI(グラフィックのインターフェイス)で見劣りしていましたが、1990年代に改善を重ねて対等にみえるものまで仕上げていったと言われています。当初採用されたIBMのPCだけでなく、色んなメーカーのPCで動作するOSを作ったことがアップルとの差を生んだともいえそうです。現在のCEOはインド人のサティア・ナデラですね。マイクロソフトを再び世界一にしたCEOとして有名です。2000年代にiPhoneが発売されてから、スマホ領域でハードウェアやOSのシェアを取り逃がしてしまっていました。そこで、ナデラCEOがiPhone OSやアンドロイドOSに合うアプリケーションを発売し、Microsoftのサービスは複数のデバイスでシームレスに使用できるものにしていったことで、再びユーザーの体験を向上して時価総額も回復。現在はHoloLens関連のハードウェアやOSへの投資も加速しており、直近はゲーム会社大手のアクティビジョンブリザードの買収も行っています。世界的にシェアが高いのはTeamsなどを有したMicrosoft Azureシリーズでしょう。

 

Q .マイクロソフトの事業概要って?

 

これはFutubullのサマリーの日本語訳ですが、

Microsoft Corporationは、世界中のソフトウェア、サービス、デバイス、およびソリューションを開発、ライセンス供与、およびサポートしています。 その生産性とビジネスプロセスセグメントは、Office、Exchange、SharePoint、Microsoft Teams、Office 365のセキュリティとコンプライアンス、Skype for Business、および関連するクライアントアクセスライセンス(CAL)を提供します。  Skype、Outlook.com、OneDrive、LinkedIn。 およびDynamics365は、組織および企業部門向けのクラウドベースおよびオンプレミスのビジネスソリューションのセットです。 そのインテリジェントクラウドセグメントは、SQL、Windows Server、Visual Studio、System Center、および関連するCALのライセンスを取得します。 開発者にコラボレーションプラットフォームとコードホスティングサービスを提供するGitHub。 クラウドプラットフォームのAzure。 また、Microsoftサーバーおよびデスクトップソリューションの開発、展開、および管理において顧客を支援するためのサポートサービスおよびMicrosoftコンサルティングサービスも提供します。 マイクロソフト製品のトレーニングと認定。 そのよりパーソナルコンピューティングセグメントは、WindowsオペレーティングシステムのWindows相手先ブランド供給(OEM)ライセンスおよびその他の非ボリュームライセンスを提供します。  Windowsオペレーティングシステム、Windowsクラウドサービス、およびその他のWindowsコマーシャル製品のボリュームライセンスなどのWindowsコマーシャル。 特許ライセンス;  Windows Internet of Things; およびMSN広告。 また、Surface、PCアクセサリ、PC、タブレット、ゲームおよびエンターテインメントコンソール、およびその他のデバイスも提供します。  Xboxハードウェア、Xboxコンテンツおよびサービスを含むゲーム。 ビデオゲームおよびサードパーティのビデオゲームの使用料。 および検索(BingおよびMicrosoftの広告を含む)。  OEM、ディストリビューター、および再販業者を通じて製品を販売しています。 そして、デジタルマーケットプレイス、オンラインストア、小売店を通じて直接。  Dynatrace、Inc.、Morgan Stanley、Micro Focus、WPP plc、ACI Worldwide、Inc.、iCIMS、Inc。とのコラボレーション、およびAvaya HoldingsCorp。とwejoLimitedとの戦略的関係を持っています。 マイクロソフトコーポレーションは1975年に設立され、ワシントン州レドモンドを拠点としています。

事業領域も超拡大していて、世界のインフラといった印象ですね。

f:id:ONEX:20220131014650p:plain

Futubullより引用

商品カテゴリをFutubullでみてもマンモス会社ってよくわからないですね。Githubもマイクロソフトが買収していたんですね。衝撃。

Q .マイクロソフトの競合優位性とは?

もう既にアップルと並んで世界一を獲り合っている企業なので、競合優位性を上げ出すとキリがないですが、個人的に印象的なのは企業の業務インフラに食い込んでいること、そしてマイクロソフトを支える代理店網ですね。正直言って、ZOOMに比べてTeamsは使いづらいですし、One DriveはGoogleドライブに比べても使いづらいのですが、企業の既存ツールとして入り込んでいて既存のオペレーションになっているので、高い参入障壁が築かれている印象です。一昨年にZOOMが流行っていましたが、スケジュール機能を押さえているTeams&Outlookを活用して、スケジュールと同時にTeamsのURLが発行されるようにしたことで、ZOOMの入る余地をなくしていくような戦術も行いました。既に使い続けているツールを入れ替えるのは大企業の場合、大きな労力を有するので、なかなかマイクロソフトの基盤がゆるいでいないのが現状だと思います。

 

Q .マイクロソフトの直近の決算は?

f:id:ONEX:20220131020508p:plain

MSFTのIRより引用

f:id:ONEX:20220131020526p:plain

MSFTのIRより引用

f:id:ONEX:20220131020542p:plain

f:id:ONEX:20220131020544p:plain

Futubullより引用

マイクロソフトの直近決算は売上、EPS共にBeatですね。EPSについては予想EPSよりかなりBeatしている状況です。GAAPの商品別をみるとDynamics 365というサービスが劇的に伸びていますね。これは何のサービスなんでしょうか?

 

Dynamics 365 Sales (営業支援/CRM) 
Dynamics 365 Marketing (マーケティング) 
Dynamics 365 Customer Service (カスタマーサービス) 
Dynamics 365 Field Service (フィールドサービス) 
Dynamics 365 Operations (プロジェクトオペレーション)
Dynamics 365 Finance (ERP)
Dynamics 365 Commerce(流通/小売)
Dynamics 365 Human Resources (人材管理)

 

上記サービスの総称のようです。CRMや人材マネジメントツールなどを含む領域の様です。SalesforceやSAP、Hubspotなどの領域に殴り込みにいっている感じですかね。YoYで45%成長とのことなので、凄まじい勢いです。Azureも46%成長ということでとんでもない伸びを記録していますね。Linked Inも37%成長。時価総額300兆円のグロース具合です。これは今後も期待できそうですね。材料インフレ、賃金インフレがあり、マイクロソフトの決算に影響などが出ているか心配していましたが、そこまで心配する必要はなかったみたいですね。ソフトウェアベースの企業はインフレにも強いですね。

 

最後に。マイクロソフトは世界一の時価総額にも関わらず、まだまだ成長し続ける企業として改めて認識できました。IT企業の中ではかなり老舗で、シリコンバレーカルチャーとは遠い印象もありますけど、意外と成長し続けていますよね。やはり磐石なセールス網と戦略的なM&Aなどが上手くいっているのでしょうか?この辺、企業カルチャーなども含めて非常に気になりました。別の機会にリサーチしてみたいと思います。

 

 

スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビューの日本版創刊号を読んで

f:id:ONEX:20220131010710p:plain

 

スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 01 ソーシャルイノベーションの始め方 | SSIR Japan |本 | 通販 | Amazon


皆さんこんにちはONE Xのりゅうです。今日は今話題のソーシャルイノベーション関連書籍「ソーシャルイノベーションの始め方」の書評ブログを書かせていただきます。この本はスタンフォード大学で2003年に創刊された社会変革の探究者と実践者のためのメディア、ソーシャルイノベーションレビューの日本版の創刊号です。

創刊号のテーマは「主語を「わたし」に戻す」だそうです。ソーシャルイノベーションというと「国はこうすべきだ」とか「これが進んでいないのは自治体のせいだ」とか「社会課題を解決するために個人が犠牲になるべきだ」とかそんな議論が横行していますが、書籍を読む中で「自分自身のウェルビーイングに向き合うことで社会を変えていく」「市民参加型で個々人のアクションから変革を起こしていく」というメッセージを感じ取りました。自己犠牲の社会変革ではなく、自分自身のウェルビーイングを改善してアクションしていくことでそれを組織・地域・社会の変革に結びつけていこうという感じですかね。

 

Q .そもそもソーシャルイノベーションって何?

そもそものところからいきましょう。

Wikipediaによると「ソーシャル・イノベーションとは、社会問題に対する革新的な解決法。既存の解決法より効果的・効率的かつ持続可能であり、創出される価値が社会全体にもたらされるもののことである。ソーシャルイノベーションを事業として起業すると社会起業家とよばれる。」

いつもながら良くわかりません。イノベーションを革新的と訳している感じがやばさを感じてしまいます。笑 より社会課題に向き合って、イノベーティブな解決手法を実行していくことという感じでしょうか。デジタル領域にて、ソーシャルイノベーションを実践している人で私が真っ先に思い浮かぶのはオードリー・タン氏です。彼はオープンデータを活用し、市民参加型で実証実験を進めながらデータドリブンに政策を作ってきており、その進め方は世界的にも注目されています。TEDの動画も見つけたので貼っておきますね。

 

本書ではCOVID-19対応にソーシャルイノベーションが役立ったこと、従業員アクティビストによる企業変革の流れ、個人のウェルビーイングから社会を変えることなどをテーマに議論が展開されています。日本で四半世紀の間社会起業家育成を進めてきたETICの取り組みについて取り上げているコラムもあります。ETICは私も入社2年目くらいの時に通っていて良い刺激をもらった覚えがあります。懐かしくなりながら読ませて頂きました。

 

日本ではソーシャルイノベーターは「自己犠牲をしてなんぼ」みたいな色合いが強いですが、グローバルではそんなことはない印象です。自己犠牲は持続可能な組織を作れないと考えていて、短期的、もしくは長期的にはしっかりと利益を出しながら社会課題解決のために成長し続ける組織が多いと認識しています。昨今、注目されているインパクト投資のスキームも社会課題解決を資本の力でサステナブルなものにしていこうという流れの中で発展してきています。より多くの社会課題を解決するためには資本市場との紐付けは必須になってきています。ESG投資は「環境破壊を進行しながら、不当な営利に向かう企業体を是正するための株式市場起点の仕組み」と捉えています。

 

Q.ソーシャルイノベーションの始め方ってどんな本?

さて、そろそろ書籍のざっくりサマリーを書いていこうと思います。要約しきれていない部分もありますので、そこは書籍を読みながらフォローいただけると嬉しいです。

-----------------------------------------------------------------------------

・初めのセクションでは、COVID-19の対応のために立ち上がったドイツの#WirVSVirus(私たち対ウイルス)というオンラインハッカソンの具体事例からオープン・ソーシャルイノベーション(以下OSI)のプロセス、メリット、課題を明確にしています。

 

・OSIのプロセス

 ✔︎動員・・・・アクションの呼びかけと拡散

 ✔︎統合・・・・アイディアの創出、開発、集積のための場づくり

 ✔︎仕分け・・・ソリューション分類と残ったソリューションの支援組織化

 ✔︎規模拡大・・リソース提供とイノベーターへの働きかけ

 

・OSIのメリットと課題

 ✔︎相互のステークホルダーの絡みあう複雑系課題への対処が可能

 ✔︎オープンソーシャルイノベーションと一般的なオープンイノベーションは異なり、市民参加型のため、社会的なインパクトなど多角的な側面に向き合う必要あり

 ✔︎より開かれた参加しやすいものにすると変革のペースは鈍化

 

・OSIをより機能させるために必要なこと

 ✔︎テクノロジーの位置付けの説明

 ✔︎競争原理の活用

 ✔︎インタラクションの場

 ✔︎各ステークホルダー(政府、公務員、資金提供者、参加者、オーガナイザー)にとっての意義の明確化

 

コロナ禍に私が主導して開催した学生社会人座談会(通称:がくしゃか、延べ参加者数は約1500名)はまさにこのステップで進めてきた印象です。現在進行中の「大田区SDGs副業」についても同様のステップで進めていっています。アクションを進めていく中で、参加者が納得する社会的インパクトの定量化などはなかなかハードルが高く、難しいなという印象です。ただしここが活動のマグネットになるので、ここを怠ると活動の加速は見込めないので、常に優先順位を高めて進める必要があるという認識です。

  

・近年は会社は社会的責任を果たすべきという従業員からのプレッシャーがますます強まり、会社に対して実際に行動を起こす人も増えている。ここでは従業員アクティビズムがより効果的な担い手になるための手法を解説しています。

 

・そもそも従業員アクティビズムはどうやって進捗したのか、そのマクロなトレンドについて列挙。

 ✔︎働き手の期待の高まり・・・仕事を生計を立てる手段→自分の仕事に意義や目的を求めるようになってきている。

 ✔︎経営理念としてのエンパワーメント・・・従業員一人一人が当事者意識を持って組織運営を進めるという気概が高まってきている。

 ✔︎緊急性の高い社会課題・・・気候変動、水不足、基本的人権といった問題に対して企業が果たすべき役割に注目が集まってきており、自社が社会課題に対してどう向き合っているのか、自社はどうすればより良い方法でその解決に取り組めるのか、従業員が注意深く考えるようになった。

 ✔︎新しいテクノロジー・・・ソーシャルメディアの進捗で、従業員同士が情報交換をする、プロジェクトをオンラインで実行する、自社の関連情報をシェアするなどがしやすい環境が整ってきた。またそれがバイラルに広がっていくため、企業側も無視することができなくなった。

 

・従業員からの変革を進めるために従業員が用いる具体的な5つの手法

 ✔︎状況の分析・・・今がアクションすべき組織の状況なのかを細やかに分析し、キャリアに傷がつかない様な配慮を持って仕掛ける。また組織責任者で活動に賛同してくれそうな人が出てきているかを観察し、そのルートを構築しながら変革を始動する。

 ✔︎問題のフレーミング・・・組織のミッションや顧客ニーズなどに合わせて組織が問題を認識することを推進すること、自分たちの活動目標と企業型の利益を結びつけて進めること。

 ✔︎既存のプロセスや場所の活用・・・従業員が集合体となって推進するためのリアル、もしくはバーチャルな場所の確保。従業員同士が繋がり、交流し、アクションを検討するための場所が確保できないと、取り組みを推進することも難しくなる。

 ✔︎組織についての知識の活用・・・組織内の政治的な事業に関する知見をもって、影響力のあるインフルエンサーを巻き込み、セクター横断の協力体制を築くこと。この時、政治的な抵抗力を回避できるネットワークを構築できるかが肝になる。

 ✔︎ネットワークの活用・・・組織外のネットワークなどを活用して、知見を共有し合う。これを実践することで失敗確率を確実に下げることが可能。また、外部の声を活用することで効率的に内部組織を動かすこともできる様になる。

 

・管理職が果たすべき役割について。管理職は従業員アクティビズムの流れに抵抗するのではなく、うまく適応していくべき。従業員が組織と対立するのではなく、従業員のアクションが組織のミッションを加速していくように支援していく動きが求められていることが語られています。

 

・従業員アクティビズムをうまく活用している組織では、新事業のチャンスを見つける、創造的な人材を呼び込む機会を創出する、市場における良い評判を作っていくことができてきている。ビジネスリーダーが社会的利益への貢献者である地位を再度取り戻していくためにこれを活用すべきとのアドバイスで、このセクションは終えています。

 

この辺は、まさに大企業の有志団体ONE JAPANなどで取り組んできた内容そのものですね。もう少し具体事例で書き起こしする自信がある領域です。これを進める中で起こったハレーションや失敗事例も含めて可視化していきたいところです。また別の機会に言語化していきたいと思います。

 

・これまで見過ごされてきた個々人のウェルビーイングに関する洞察。ウェルビーイングプロジェクトという世界初のグローバル研究では、個々人の内面のウェルビーイングの改善が社会変化にどう影響しているのかを調査した。

 

・まだ調査の途中段階ではあるものの、個々人の内面のウェルビーイング向上が組織全体のウェルビーイングの向上にプラスの影響を与えていることがわかってきた。また社会レベルの好影響も観察されてきている。

 ✔︎個人レベルの成果・・・自己、アイデンティティ、役割

  →インナーワークの結果、自分の全体生に近づくアイデンティティの発見、失敗の恐れからの開放、レジリエンスの向上とバランスの維持などの変化がみられた。

 ✔︎組織レベルの成果・・・信頼、統合、つながり

  →インナーワークを進めることで、共感、コンパッション、感謝などの力が高まり、組織作りのための重要な素質や能力も育まれることがわかってきた。具体的には信頼しあう、弱さを隠さない、人を大切にする姿勢へのシフトが見られた。

 ✔︎セクターレベルの成果・・・オープンになる、コラボレーション、創造性

 ✔︎社会レベルの成果・・・コミュニティに根付き、新たな掛け橋を築き、コレクティブインパクトを生み出す

この辺は大企業挑戦者プログラムCHANGE by ONE JAPANなどで原体験化プログラムを進めている内容そのものだと感じました。やはり自分ごと化して、自己決定して進めるプロセスそのものに意味があり、自分自身が納得して進めるアクションにはウェルビーイングの向上もみられるし、組織への好影響もみられると感じます。CHANGEでも定量的なリサーチをしてみたい部分ですね。

 

・日本的な知識創造体としてのETICについて。社会起業家を育成するコミュニティであるETICの系譜について解説。ETICは人材育成領域、事業創出・成長支援領域、コミュニティプロデュースという3つの領域でソーシャルイノベーターを増やしてきたと語られています。

 

・ETICでは、一橋大学名誉教授の野中ゆう次郎先生が提唱する知的創造理論を実践する組織と紹介されている。知的創造理論とは下記のステップで語られています。

 ✔︎共同化・・・各プレイヤーが現場での直接経験などを通じて暗黙知を共有

 ✔︎表出化・・・共有した暗黙知を言語化し、概念化することによって形式知に変換

 ✔︎連結化・・・変換した形式知を組織内外の他の形式知と組み合わせ、体系化して新たな形式知を作り出す

 ✔︎内面化・・・一連の実践や行動を通して、各プレイヤーが新たな暗黙知を自身に取り込んでいく

 

現在、ONE Xで推進しているふるさと兼業、塩尻CxO Lab、大田区SDGs副業のような取り組みはまさにこの共同化、表出化、連結化、内面化をコミュニティを通じて行っている感じですね。今まであまり意識して進めていませんでしたが、このサイクルが加速していくようにコミュニティを設計していく必要がありそうですね。

 

・次のセクションでは、市民社会の基盤について語られている。環境問題の解決などには多くの資金が投入されているが、それのベースとなる市民社会の意思決定プロセスの改善に相対的に資金が向けられていないことに対して問題提起している。

 

・社会に最も蔓延している問題(質の高い教育、公衆衛生向上、環境保護、異文化間の理解、安全保障)は公益の問題であり、その解決に最も貢献するのは市民社会とフィランソロピー(=ウェルビーイングを目的とした利他的活動、篤志)のはず。だが、現在のフィランソロピーは市場原理で測れるようなもの(利益確保等)に偏ってきており、問題に対応する能力を発揮しきれていないのが現状。

 

これはセクションで語られている通り、公益セクターのイノベーションが加速していない根源的な原因になっている様な気がします。自治体の意思決定プロセスにおいては、市民のウェルビーイング向上に寄与する取り組みに投資されていくべきですし、そこの意思決定プロセスの整理と、地域としてのグランドデザインを進めていく必要がありそうです。ONE Xとしては大田区や塩尻市の取り組みに関わらせていただいているので、この辺りの改善に向けて働きかけていきたいですね。

-----------------------------------------------------------------------------

要約ここまで。後半のセクションは記載できなかったので、興味のある方はぜひ書籍を読んでいただけると嬉しいです。

ちなみに、ソーシャルイノベーションという文脈で私自身が最も注目している自治体は岡山県の西粟倉村です。この村は約1500人の人口にも関わらず、人口流入が加速しており空き家はゼロ。世界で最も注目されている社会課題解決地域だと思います。日本で顕在化してきている課題はすでに解決しており、彼らは次の課題解決に向けてアクションを進めています。ONE Xとしても関わりが深くなってきていますので、ぜひこの機会に更なる深掘りと他地域へのヒントを見出していきたいと思います。今日は書評レビューということでこのくらいで終えておきたいと思います。最後まで読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。難しめの書籍だったので硬い要約になってしまいました。もっと要約上手くなりたいですね。

 

 

 

これだけ読む!! Futubull使いこなしマニュアル

f:id:ONEX:20210911073521p:plain

 

こんにちは、ONE Xのりゅうです。今日はclubhouse仲間ナスダッコさんのご要望を受けて、中国の銘柄分析アプリFutubullについて紹介させて頂きますね。最近、色々あって疲れまくっていましたが、約束しちゃったので、勢いで作りました。

 

少し解説の部分が粗々な部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。チャートの見方や分析手法については解説していませんので、著名なインフルエンサーの皆様の解説等をご覧ください。あくまでツールの使い方解説ブログとしてご理解いただき、読んで頂けると幸いです。そんなの興味ない!って方はご放念ください。ナスダッ子さんにご興味ある方はこの機会にフォローしてくださいね。有益な情報を発信してくれます。

 

twitter.com

 

■そもそもFutubullってどんなアプリ?

FUTU(富途)は中国版ロビンフッド(ロビンフッドに関するブログ記事はこちらとも呼ばれる中国系のデジタル証券会社であり、ウェルス系のプラットフォームを提供する事業者です。彼らは、投資体験を変革すると謳っていて、驚くほどに素晴らしいUIの証券アプリを提供しています。2019年3月8日にナスダックに上場。アプリ上では、株式取引と決済、資産管理、市場データ分析などの機能を備えています。

 

「え?証券口座を新たに開かないといけないの?」

 

と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、その必要はありません。アプリではSMS認証を採用しているので、それぞれの電話番号登録は必要になります。その点についてはご留意ください。また、本ブログはFutubullの使い方を説明するものであり、アプリ自体を推奨するものではないことについてもご理解ください。

FUTUの代表的なアプリケーションはFutubullとmoomooです。私はFutubullの方が使いやすいので、ここからはFutubullの説明を進めていきますね。

 

■Futubullのアプリダウンロードと初期設定(スライド❶と対応)

FUTUはiOSでもアンドロイドでもアプリを提供しています。FUTUと検索すれば出てくると思いますので、各自ダウンロード下さい。はじめに電話番号を入力して、認証コードを入れる作業が必要になってきます。ここは解説から省きますが、なんとかクリアしてください。笑

 

さて、ダウンロードいただくとはじめは中国語設定になっていると思います。中国語を読める方はそのままの設定で問題ないかと思いますが、私は英語しか読めないので、英語設定に切り替えます。日本語設定は残念ながらないので、その点についてご容赦ください。英語読めない人でも大事な用語を覚えてしまえば、使えると思います。どうしても覚えられない人は片手にDeepL翻訳やグーグル翻訳を持っておく様にしてみてください。

f:id:ONEX:20210911054030p:plain

Futubullアプリのスクショをベースにりゅう作成

 

まずは、アプリ上の下段にある人型のタブをタップします。すると画像Aのような個人アカウントの画面になります。そこで右上の歯車のマークをタップすると画像Bの画面に移行します。下から5番目のところに「通用」と書かれていますので、そこをタップすると、言語を「中文→英語(English)」に切り替えることができるようになります。タップして、右上の青いボタンを押しましょう。これで言語設定は完了です。

 

■債権利回りを容易に確認できるようにしておく(スライド❷と対応)

株式投資をする上で、常にチェックすべきは債権利回りですよね。その理由などは他インフルエンサーや株式投資本などを読んでください。Futubullアプリで一つ設定をいじっておけば、この債権利回りが容易にチェックできるようになります。画像Dのように皆さんにアプリ画面の一番上の部分に「Watchlists, Markets, ~~」と並んでいると思います。

 

デフォルトでは「Watchlists」に設定されているので、「Market」をタップします。すると、画像Dのような画面になるはずです。ここでDOWやナス、SP500の指数チェックも可能です。そして、画像Dの右の赤丸のところにハンバーガーマークがあります。これをタップしてください。すると画面Eのような画面に遷移します。画像Eの赤丸のEDITというボタンをタップするとその下にあるものをドラッグアンドドロップで移動できるようになります。

f:id:ONEX:20210911054520p:plain

Futubullアプリのスクショをベースにりゅう作成

「Bond」というのが債権利回りのタブなので、「Bond」を左上に持っていきましょう。そして、DONEボタンを押します。これで画像Fの画面がデフォルト表示されるようになるはずです。ここでは、10年債利回りの他、30年、7年、5年などの利回りも確認することができます。それぞれをタップすると画像F'のようにテクニカルチャートも確認することができるので、債権利回りのモメンタムなども確認することが可能です。


■米国・香港市場をチェック(スライド❸と対応)

次に米国・香港市場の確認の仕方を解説します。先程の債権利回りと同じく、画像Gの一番上のタブの「Markets」というところをタップします。すると、「US, HK~~」というタブが出てくるのでそれぞれをタップしてみましょう。ダウ、ナス、SP500がチェック可能です。

 

それぞれをタップするとテクニカルチャートが表示されるので、そちらもぜひ併せてチェックしてみてください。下にスクロールしていくと「Industry」というボタンが出てきます。「Details」をタップすると画像Hの様な画面になり、今一番ホットな業種が表示されますね。

f:id:ONEX:20210911055251p:plain

Futubullアプリのスクショをベースにりゅう作成

 

今はウランがトレンドですね。次に画面戻っていただき、下にスクロールすると「Hot Stocks」というものも出てきます。それをタップすると画像Iのようなものが出てくると思います。一番ホットな銘柄をチェックする場合はこちらをご覧ください。香港株も同様の仕様になっているので、別途ご確認ください。

 

■ウォッチリストを作成する(スライド❹と対応)

債権利回り、指数のチェックのあとは銘柄チェックですね。Futubullでは他のアプリ同様にウォッチリスト作成機能があります。まずはお好みのウォッチリストを作っていきましょう。「Watchlists」 タブの状態で画像Jの赤丸のところにあるハンバーガータブをタップしてみてください。すると画像Kのような画面になると思います。そこで下の赤丸の+ボタンをタップします。すると画像Lのような画面になり、自分自身のお好みの名前でグループを作成可能です。日本語も対応しています。

f:id:ONEX:20210911055836p:plain

Futubullアプリのスクショをベースにりゅう作成

グループを作ったら、画像L'のように左したに「Add Symbol(銘柄追加)」というボタンが出てくるので、自分の好きな銘柄のティッカーシンボルを入力いただき、「Add(追加)」ボタンを押してください。これを繰り返すことでお好みのウォッチリストを作成することができます。それぞれのウォッチリストのタブ位置が気に食わないところもあると思いますので、その変更方法も解説します。

 

画像Kの赤丸のEditボタンを押してもらい、ドラッグ&ドロップでタブ位置を自由に変更してください。私は保有銘柄リストを一番左上に持ってきています。私の場合、タブが死ぬほどできているので、ちょっと一度整理する必要がありそうです。笑

 

■銘柄を分析する -会社概要&主要株主を確認-(スライド❺と対応)

債権利回り、指数、ウォッチリスト作成の次は、いよいよ銘柄分析ですね。米国株の場合、IPO銘柄など中心に聞いたことない企業と出会すことが多いと思いますので、私は必ず会社概要と主要株主をチェックしています。まずはそこの確認方法からいきましょう。まずは自分の好きな銘柄をタップしてください。

 

「Quotes, Comments, News~~」などタップがあると思います。これを右にスクロールしていくとSummaryというタブが出てきますので、これをタップしてください。すると画像Mのような画面になります。

 

「Company Overview(企業概要)」というところをタップすると、会社名や設立年、CEOの名前、企業ウェブサイトURL、企業プロフィールが表示されます。ここからまずは企業ホームページなどに行って、企業概要を確認しましょう。ちょっとやばい銘柄はサイトがちゃんとしていないこともあるので、それを含めて確認です。時間がある方は、直近のクオータリーレポートも読んでしまいましょう。さて、アプリに戻ってきていただいて、カンパニープロフィールが英語なのですが、長押しするとコピーできるので、それを使って翻訳機にかけましょう。笑 企業プロフィールを日本語で読むことができるようになります。これでどんな企業なのか、強みは何なのかについてざっくり掴む様にしましょう。画像Nのよう「Related ETF」を見れば、この銘柄が何のETFに組み込まれているかもわかります。

f:id:ONEX:20210911060635p:plain

Futubullアプリのスクショをベースにりゅう作成

次は「Summary(サマリー)」に戻っていただき、下にスクロールしてみてください。画像O「Shareholder Statistics(投資家比率)」を確認します。「Major, Regional, Type」と分かれているので、「Major」を確認します。誰が筆頭株主で誰が主要株主なのかが確認できます。テスラの場合は、イーロンマスクが17.22%所有ですね。私は創業者やCEOが筆頭株主になっている株を優先的に選びます。これは長期で投資する場合もスイングで投資する場合も同様です。創業者やCEOが株主の方が、安心感がありますし、事業にフルコミットしてくれそうですよね。逆によくわからないVCや機関投資家が筆頭株主の場合は、経営者の意志とは反する意思決定をさせられる可能性もありますし、事業が拡大してもCEOはキャピタルゲインを多く得られないことになりますので、モチベーションにも関わると思っています。

 

一つ下のところで「Shareholder List(投資家リスト)」も確認できるので、そこでもう少し詳細を確認しましょう。IPO銘柄などについては、セコイアなどの有名VCや騰訊などの有名CVCが入っているかどうかも確認します。有名VCが投資してIPOまで来ているということは相当イケている可能性が高いと思いますので、そこはよくチェックしています。そんな感じです。

■銘柄を分析する -決算情報を確認-(スライド❻と対応)

企業概要が確認できたら、次は決算情報をみます。「Financial」というタブがあるのでタップしてみてください。すると「Revenue Composition」というタイトルが出てきますのでそこから確認していきましょう。画像Pのように2つタブがありますね。

 

「Business」タブはどんな事業を何割くらいやっているのかということです。テスラの場合はオートモーティブ事業が94%でエネルギーマネジメント事業が6%ですね。今後、エネマネがどのくらい伸びてくるのか注目ですね。「Region」というのが国別の売上です。今は米国が48%で、中国が21%くらいまで伸びてきていることがわかります。右側に日付が記載されていると思いますが、これをいじると過去の売上比率が全て確認できます。昔は何にどこの地域に力を入れていて、今は何に、どこの地域に力を入れているのかが一目瞭然です。これ、かなりよくみているので、皆さんもぜひ活用してみてください。

f:id:ONEX:20210911071133p:plain

Futubullアプリのスクショをベースにりゅう作成

次に下にスクロールすると画像Rのような画面になります。Key Indicatorsを確認することができます。テスラはメーカーなので、EPS、フリーキャッシュフロー、ROEなどが重視すべき指標だと思います。ROE(自己資本利益率)タブをご覧頂くとめちゃくちゃ改善されてきていることがわかります。Q2の伸びがえげつないですね。資金効率が超改善してきているので、事業としても健全化されてきていることがわかります。

 

次は画像R「Financial Estimates」と確認してみましょう。「EPS、Revenue、EBIT」のアナリストコンセンサス予想と実績の推移を確認することができます。決算でまず確認する指標ですね。ここを見ればすぐわかりますので、Yahoo!ファイナンスなどのサイトにいちいち行く手間が省けました。beatし続けている企業が良い企業(アナリストと財務がコミュニケーション取れている)と判断できますね。

 

B/Sやキャッシュフローも画像Sのように確認することができます。これは事業内容によっては超大事になってきますので、ぜひご活用ください。一応、Futubullアプリでもある程度決算情報は確認できますが、時間があれば、クオータリーレポートやコール、S1(≒上場目論見書)くらいは長期投資するなら読んでおきましょうね。S1とか枚数多くてテンション下がりますが、ヒントいっぱいあるので。

 

■銘柄を分析する -割安・割高を確認-(スライド❼と対応)

企業概要と決算情報をざっくり理解した後は、現在の株価とのバランスを見たくなると思います。結局、みんな儲けたいので、ここが一番気になるところかと思います。社会に説法なことかもしれませんが、企業概要や決算情報を読んでからでないとビジネスモデルも把握できないし、PSRとかの指標も使い物にならないので、企業情報と決算情報を読んだ後に銘柄分析をすることをお勧めします。

 

画像TではDaily Short Volumeを確認できます。直近でショートが増えていると注目を集めている状態だと思いますので、ボラティリティが高くなると思います。これは他指標と合わせて確認しておきましょう。

f:id:ONEX:20210911071207p:plain

Futubullアプリのスクショをベースにりゅう作成

下にスクロールして行っていただくとFutubullのアプリが反省する買われすぎなどのメーターがあります。参考程度にみておきましょう。さらに下に行くと、画像U「Morphological Interpretation」というタイトルにたどり着きます。これは、ブリッシュパターンに入っているのか、ベアリッシュパターンに入ってきているのか、ボリンジャーバンドや過去のヒストリカルデータ等の要素をみて傾向を見せてくれるので、参考にしています。

 

次に見るのは画像Vの皆さん大好きPSR・PER・PBRですね。英語圏ではPS・PE・PBというらしいです。これは私も米国株を始めてから知りました。それぞれの時間軸の推移を含めて一発で確認できますので、私は一番よくみている画面かもしれません。

 

さらに下にいってもらうと画像Wのアナリストのターゲットプライスと現在株価の推移を確認できます。これもPSR・PER・PBRと並んでスイング時はよくチェックしています。なんだかんだ(金融という意味で)その道のプロの人たちがバリュエーションを判断しているので、それなりの根拠があるはずと思い、基本的には参考にしています。金融のプロの人たちもテクノロジーやスタートアップのプロであることは少ないと思っているので、長期でみるときは、金融マン的にはこうやって判断するだろうけど、彼らが見落としているところってどこやろう?と考えて、自分なりの目標株価設定をしています。この辺は皆さんの自分流があると思いますので、色々試してみてください。

 

■銘柄を分析する -チャートを確認-(スライド❽❾と対応)

私が最後に確認するのがチャートです。Futubullのアプリでは日足、週足など結構自由にチャート分析をすることができます。一部紹介していこうと思います。まず、QuotesタブのIntraday, 5D, 1D, 1W~~などタブがあるところの右にあるハンバーガーマークと歯車マークの合わせみたいなやつをタップしてみてください。

 

すると、画面Xのようなモーダル(ポップアップみたいなやつ)が出てきます。これでまずは「Similar Charts」というアイコンをタップいただくと画面Yのような画面が発生して、テスラとチャートパターンが似ている銘柄を確認することができます。相関のある銘柄ってどこら辺かな?というのを見るときに軽くみてます。

f:id:ONEX:20210911065159p:plain

Futubullアプリのスクショをベースにりゅう作成

次に皆さんの画面はデフォルトだとMAの線が沢山ある状態かと思います。「線多すぎてみえへんやん」と思われると思いますので、線の消し方をお伝えしますね。画像Xのモーダル画面に戻っていただいて、赤丸のChart Settingというところをタップください。すると、画像ZのIndicatorsというのがあるので、それをタップ。画像AAのMA Moving Averageというのが出てくると思いますので、それをタップ。すると、インディケーターの表示をいじることができるようになります。

 

私の場合は、10MA、20MA、50MA、200MAしかみないので、画像ABの通りそれ以外はチェックを外しておきました。皆さんも普段見られている平均戦のみ表示させていただければと思います。Indicatorsの中では、MACDやRSIの数字もいじることができます。MACDは12,26,9がデフォルトだと思いますが、私は8, 18, 6で見ることが多いので、それに合わせています。皆さんの好みに合わせてご覧ください。

 

「Quotes」の画面に戻ってください。MAとかMACDが変更されていることが確認できると思います。チャート自体を出したくないこともあると思いますので、皆さんチャート下にある、「MA, BOLL, EMA, SAR~~, PER, MACD,~~」とところのタブで使うものだけタップします。するとそれ以外は消えますので、自分好みに設定してみてください。

 

またハンバーガー&歯車マークをタップしてみてください。画像Xの画面になると思います。「Position Cost」というボタンを押してみていただくとスライド❾画面Uにあるような感じになると思います。これはマジで優れものでして、それぞれが今含み損なのか、含み益なのかを確認することができます。私は基本的には、含み損が多い銘柄は上値が重たくなりやすいと判断しているので、上値が軽そうな銘柄を探すときに利用しています。右下の「Profit Ratio」というところをみると何%の人が含み益かも確認できます。またチャートの画面を押して、横にスライドさせると「Position Cost」の時間推移もみることができます。これも超便利な機能ですね。

 

f:id:ONEX:20210911070443p:plain

Futubullアプリのスクショをベースにりゅう作成

 

画面Xのモーダル画面に戻っていただき、「Draw」というボタンを押してみてください。画面Tのような画面が表示されます。そこでトレンドラインを引いたり、ヘッドアンドショルダー、フラグパターンなどを簡単に書く機能もありますので、それで定石のテクニカルに近いのか、そうではないのか、を確認することができます。

 

■最後に

なかなかブログでアプリ解説するのって難しいですね。Futubullを使いこなして、投資や事業の学びを深めていただく人が1人でも増えたら良いなと思っています。ご提案いただき、ブログ投稿のために頑張る機会を頂いたナスダッコさんには改めて感謝です。ブログだけでは伝えきれない部分もありましたので、カピバラさんとご一緒させて頂いているclubhouseの米国株実況ルームでもちょいちょいFutubull解説は入れていきたいと思いますので、またclubhouseも遊びに来てください。次にいつclubhouseイベントやるかについてはカピバラさんをフォローいただき、投稿確認してくださいね。

 

twitter.com

 

※本ブログは特定の銘柄を推奨するようなものではございません。

※株式投資は自己責任にてお願いします。

 

フィンテック業界のディスラプター、Marqetaってどんな会社?!

 

f:id:ONEX:20210908042748p:plain

マルケタホームページより引用

こんにちは、ONE Xのりゅうです。今日はマルケタ(ティッカーシンボル:MQ)の事業概要について簡単に解説しつつ、今後のフィンテック業界の展望について考えていきたいと思います。

 

■マルケタってどんな会社?

マルケタ社は主にディベロッパー向け(金融関連事業の開発者等)にクラウドベースのオンライン・オフラインクレジットカード発行、及びトランザクション処理(≒決済処理等)を提供しています。EC関連のディスラプター、デジタルバンク提供者、テックジャイアント、大規模な金融機関など向けにソリューションを提供しています。創業は2010年で本社はカリフォルニア州オークランドですね。

 

有名どころの取引先ですと、ツイッターの創業者でもあるスクエア(ティッカーシンボル:SQ)、米国一のデジタル配送サービスのドアダッシュ(ティッカーシンボル:DASH)、ライドシェアサービスのUBER(ティッカーシンボル:UBER)、バイナウペイレイターという新興系の支払いサービスを提供し、買い物代行サービスのインスタカート、ペイパル創業者のマックス・レブチン率いるアファーム(ティッカーシンボル:AFRM)などです。

 

デジタルネイティブと言われる超イケてる企業をメイン顧客に抱えていることがポイントです。

 

■マルケタのサービスとは?

マルケタはカード発行とその処理を高速化するサービス提供事業者です。主な競合はビザ(ティッカーシンボル:V)やマスターカードなどです。最近、オンライン決済サービスで超流行っているStripeと似たようなサービスに見えますが、プラットフォームレイヤーが異なります。後述しますね。

 

過去は、カード発行にはかなりの時間と審査を要していたため、デジタルネイティブ系の企業にとってはハードルが高かったわけですが、マルケタは、仮想カード・物理カードの即時発行と開発されているシステムとのAPI連携をしやすくしたサービスを提供することに成功しました。クラウドベースですので、カード発行や支払い手数料も従来比で安く、不正管理やトランザクション管理・最適化も進んできています。金融サービスの開発者にとっては、なくてはならない存在になっていると言えます。

 

f:id:ONEX:20210908034747p:plain

Marqetaのソリューション一覧:マルケタホームページより引用

マルケタが現状提供しているメインサービスは下記10項目です。

 

・デジタルバンキング

・経費管理系ソリューション

・保険金請求の迅速化

・インセンティブと報酬の最適化ソリューション

・メディア購入等の最適化

・オンデマンドサービス

・旅行業者の支払い最速化

・バイナウペイレイターの融資機能

・オンラインマーケットプレイス

・中小企業向け融資

 

デジタルバンキングについては日本国内でも流行ってきていますね。主にSBIネット銀行がデジタルバンキングスキームを既存金融機関や金融業を取得していない事業会社などに提供していっています。開発者目線のAPI連携最適化という意味では、マルケタの方が使いやすいものになっていると言われていますね。その他にもクレジットカードの支払いが発生しそうなシーンごとに最適化されたソリューションを提供しており、金融決済における不を解決しているディスラプターと言えるかと思います。

 

■Stripeとの違いは?(1)

フィンテック業界でもう1社有名なのが3月にの資金調達を行ったStripeですね。IPO前の時価総額が既に10兆円を超えています。彼らは、ShopifyやZoom、Slack等の決済システムのバックエンドを支えています。彼らは開発者がAPI(=自社サイトに組み込む口)経由で手軽に自社サイトへ搭載できる仕組みを構築しました。クレジットカードや銀行口座を既に持っているユーザーはStripeの決済システムを活用して、支払いができます。私もStripeのAPIはよく利用させて頂いています。

 

つまり、カード発行の代表格はMarqeta、店舗開拓の代表格はStripeという構造になっています。プラットフォームレイヤーが少し異なるので純粋な競合とは言えないです。

 

因みにまだ、銀行口座もクレジットカードも持っていないユーザーについては、マルケタのシステムを活用して、仮想カード、物理カード、一時的に使用できるカードなどを発行して、即時決済を行うこともできます。

 

■マルケタはBNPLのどこをサポートしているの?(2)

先日、アファームとアマゾンの提携が話題になりました。マルケタは、アファーム、Klarna、Afterpayの3大BNPL(≒バイナウペイレイター)事業者を支援していますが、アファームのBNPLのバックエンドをサポートしているわけではない様です。

 

BNPLは自社の決済を実装していない店舗でも後払いを使えるようにするため、ユーザーへバーチャルカード発行機能を提供しています。例えば、ユーザーがアファームの加盟店以外で決済する場合は、アプリを通じて有期限のバーチャルカードを発行しているようです。ここにマルケタのシステムが活用されています。

 

マルケタはBNPLの「カードの仕組みを活用して後払い先を拡大する」というニーズを満たしています。BNPLのほか、Squareなどの決済事業者、デジタルバンク、UBERなどのシェアリングサービスについても、カスタマイズされたカードを迅速に発行しています。

 

私が大好きなスクエアの個人向けcash card(≒Cash App)、ビジネス向けSquare cardにもマルケタのシステムは活用されています。先日、彼らが買収したAfterpayの実店舗向けバーチャルカードの発行もサポートしています。スクエアとマルケタはもはや一心同体のパートナーという感じですね。

 

実は、マルケタはアップルの決済サービスのバックエンドもサポートしています。具体的には、Apple Payですね。これはマルケタ1社ではなく、JPモルガン・チェースと共同で導入を進めているようです。既存の金融機関もマルケタと組まないと勝ち抜くことができないところまで来ているようです。

 

■マルケタはどんな脅威が考えられるの?

マルケタは典型的なデジタルネイティブ系の既存プレイヤーディスラプター(=破壊者)と言えます。VISAやマスターカードが牛耳っていたクレジットカード発行&トランザクションサービスのシェアを奪いにいくと言われています。考えられるとしたら、ビザなどのブランドネットワーク系の企業が急速にデジタルトランスフォーメーションをして、マルケタの顧客を奪いにくるということですが、現状の重たいトランザクションの仕組みなどをどのようにしていくのかという課題が残ります。

 

海外でマルケタに勝るディスラプターが出てくると話は変わるかもしれませんが、現状3億枚以上のカード発行を行ってきたマルケタを今からディスラプトしにくることは考えにくいと思います。隣接するプラットフォームを運用するStripeが市場を奪いにいくことも考えられなくはないですが、現状ここまで顧客基盤をマルケタが構築しているので、部が悪いと思います。もし、読者の皆さんの中で「ここが競合になりうる!」という企業がいれば、教えて頂きたいくらいです。

 

■激変するフィンテック業界について

今、まさにフィンテック業界は変革期にあると思います。アファームなどのBNPLやクラウドベースのサービスを展開するマルケタやStripe、アプリベースのCash AppやVenmoなどが世の中に広まってきて、既存の金融機関やビザ、マスターカードなどの地盤が少しずつ揺らいできています。金融業界は超大きなTAMがございますので、変革企業に注目していきたいと思います。明日はBNPLの市場について少し詳しく解説をしていこうと思います。

 

※本ブログ記事作成で(1)(2)についてNCB Loungeさんツリーを参考にさせて頂きました。引用元URL記載が漏れており、ご指摘も頂きました。ご不快な想いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。

※本ブログは特定の銘柄を推奨するようなものではございません。

※株式投資は自己責任にてお願いします。